Thursday, December 15, 2011

今学期を振り返る

PCの不具合がすっきり解消したので、棚上げにしてしまっていた今学期の反省を備忘のため書き記しておく
(公式とかソフトウェアの操作方法とかは細かすぎるので書かない)。

<どちらかというとアカデミックなもの>

Play the same game. 経営者から従業員まで、皆が同じ方向を向けるような仕組みづくり。

運転資金は超重要。マネージするためには経営に関する包括的な理解が不可欠
(成長率・運転資金回転率・ビジネスサイクル(あるいは季節性)・法人税の認識と支払のタイムラグ・あるいは会計とキャッシュフローの相違等)。

指標の重要性。時間的制約がある現場において、企業をSkimするためには指標が超有益。
重要な指標と、その使い方について精通しておくこと。また、企業と企業の比較をするためにも指標は不可欠。
業界の相場観を体得するとよい。
「指標のための指標」となりがちなので、常にインプリケーションへの落とし込みを意識。

「Quick Scan」の重要性。特にアントレ分野ではそう。企業・競合・外部環境などを「ざっくり・迅速に」理解することがとても重要であり、そのための技の引き出しを蓄積すべき。指標はその一つ
。精緻なNPVモデルを作ることも重要だが、精緻なNPVが作れないような状況にあっても何かしらの判断ができるようになることが求められる。

ファイナンスはオペレーションの問題の解決策たりえない。急成長で運転資金が膨らんでいるとしたら、その解決策は回収期間等に関するネゴであったり生産の効率化であり、運転資金枠の拡大等は短期的な気休めにしかならない。
あなたが投資家あるいは銀行家なら、自分が助けられることと助けられないことを明確に線引きできていることが望ましい。

常に本質に立ち返る。「OO業界のバリュエーションでは売上高マルチプルを使うのが普通で、XX業界ではEBITDAが普通」という表層的な理解で止まらない。なぜXX業界では売上高マルチプルを使ってよいのか・固定費の部門間配分をどうするか等、可能な限り経営の実態にさかのぼり説明できるようにするべき。結論を無為に使うだけならサルでもできる。

業界に対する目配せ。各種指標は業界平均や業界大手と比べてどうか常に意識。

・投資銀行もコンサルも錬金術師ではない。彼らの本領は、会社に眠る何かを見つけることというよりは、見つかった情報を整理することだと考えておいた方が良い。会社の有形無形の価値を一番知っているのは結局のところ社内の人。

・シナリオを複数持つ。ストレステストやVaRはリスク管理の話でまた別。起こりうる範囲での松竹梅ストーリーと、その帰結と、それへの対応について常に考えておく。

Exit matters. 投資した瞬間から常にExitについてあらゆる可能性を考えること。IPO、転売、自社株買い。




<どちらかというとノンアカデミックなもの>

外部要因は変えるものではなく対応するもの。法制度・マクロ経済・競合等。これらを変えようとしても無駄。ドンキホーテ。外部要因は、理解し、対応するもの。変化に嘆いたり怒ったりする暇があれば分析・対応。

分析は人に説明してナンボ。伝えたい結論と分析を行ったり来たりすることの重要性(※認知バイアスがかかる気もするが)。

どう見せるかを常に意識。グラフにせよパワポスライドにせよ、「しゃべりなしで、忙しい大統領がぱっと見た瞬間大枠をつかめるか?」を意識。しゃべりは「しゃべることで、単に図やパワポを見せる以上の伝達効果が得られるか?」を意識する。

・簡潔に書くことも大事だが、実務上、ひとつのメッセージを丁寧に(だらだらと)書いたり話したりすることもできた方がいい。分量の多さを評価する人もいるし(※どうかと思うけど)、長々と話すことでごまかすことができたり。

「知っていることの深掘り」目当てで授業を取るなかれ。えてして深まらない。今回はValuationの授業がそうだった。知っていること(DCF、マルチプル、リアルオプション)は本当に知っていることしかなかったので退屈だったし、知らなかったこと(クリスタルボールを使ったモンテカルロシュミレーション)は些末すぎてあまり「学べてよかった!」と思えない。全体の半分以上を「知らないこと」「やったことないこと」が占めていないと退屈さは拭えない。

再発防止策と事後対応のセットで考える。「ミスが起こらないようにするにはどうすれば」だけでなく、「ミスが起きたらどうやって損失を最小限に抑えるか」もセット。精神論に走って再発防止策だけ論じるなかれ。

・すべてのミスや衝突は糾弾のためではなく反省・発展のため活用する。「お前のXXが駄目だった」というよりは「お前のXXをこうすれば次回はきっとベター」という発想を意識。

すべての意見にはそこに至るまでの文脈がある。肯定するにも否定するにも、可能な限り、その人がそのような発言をするに至った文脈に思いを馳せる。言葉尻を捕まえるよりも、言葉の奥を噛みしめようという態度。「絶対俺の方が正しい」という意見も、相手が相手なりの文脈から見れば誤っていることも。

物事を解決・発展させたいなら、終わったからよりも終わるまでに改善に着手する。消火活動が終わったらでは遅い。

・皆の理解レベルを高める(or揃える)ための集まりなのか、とにかく一つのアウトプットを出すための集まりなのか。前者の集まりで、一人が一から十まで用意してしまうと逆効果になることも。皆がどう考えているか、頑張って空気嫁。

中庸は悪しきに如かず。可もなく不可もなくで印象に残らないよりは、強烈に悪い印象を残した方がベター。そうすれば謝罪のため追加的に会う機会も作れる。嫌われないようにする配慮も不要ではないが、嫌われてからでも挽回はきくことを忘れない。

・発信し、発信し、発信せよ。変に遠慮せず、ぐいぐい自分のストーリーを相手に語る(もちろん、10秒バージョンから3分バージョンまでの使い分けといった技術論はあるけど)。自分がいないときに、AさんとBさんとCさんが自分の語ったストーリーを共有していたとき、そこには信頼性が生まれる。

・相手を褒めたいとしても、そこにいない誰かをくさすことで相対的に持ち上げたりしない。

・過去の自分を後悔するのは自分の中にとどめる。せいぜいツイッターやブログ。人の面前で言うと、その事柄について過去から現在にかけてのみならず将来においても改善する気がないと解釈されうる。本当に後悔しているなら改善が始まっているはず。

・是非はともかく、生きていく上で実務上、「良し悪しは存在せず、あるのは違いだけ」という意識を持っておくと良い気がする(これは学びというよりも単なる感想)。


うん、まあ、時間たってるから色々忘れた気がするが、まあこんなところ。。