Sunday, June 3, 2012

大学対抗G

毎年6月の第一日曜日。この日はLA界隈の日本人にとって非常に重要な一日である。すなわち、大学対抗ゴルフ選手権が開催されるのだ。

自分も母校チームの一員として参加。名門Industry Hillsにてゴルフとか人との出会いとかを楽しんできた。以下、感想とか:

・自分のゴルフ・・・本番に弱い性格が如何なく発揮されてしまったorz スタートホールでまさかの+4で、そこから先は帳尻合わせに終始してしまった。ここ半年だか一年だかまったく見たことのないシャンクがいきなり出てすぐそこの藪の中にボールがチョロチョロっと消えて行くとか。同伴競技者も多分苦笑したと思う。
最後の方でようやくゴルフを思い出してきて、4連続パー、トータル93で締めることができた。個人的に唯一自慢したいのは、620Yの最終パー5でパーオンの上パーを取れたこと。ドライバー、FW、UTと、長いクラブ全てがたまたままっすぐ飛んだら620Yになったv
でも80代出したかったなぁ。。



・世界最大の日本人コミュニティLA・・・今やっているレポートのため拾った数字だが、LA地域とサンディエゴ地域にいる日本人を合わせるとざっくり10万人となり、NY地域の7万人やベイエリア(SF+サンノゼ)の6万人を優に上回る規模となる。しかも、ここから先は体感レベルだが、この統計に乗らない日系アメリカ人についても、当地域が最大規模であると予想される。

その結果、まず、選手総勢150名のゴルフ大会が成立してしまうのだ。ついでに言うと、今年は幹事校が大規模校明治であったことから、大会ボランティア(!)もかなりの数参加していた。ブラインドホールやパー3各ホールにボランティアが配置されているとか、まるでプロの試合みたい。

そして、日系企業コミュニティの層の厚さも体感させられた。コンペ後の懇親会でもらった、協賛各社からの色々なお土産、読み上げられる協賛企業はいったい何十社あったのだろう(例えば、ビールは日本のビック4のうち3つ、醤油・みそメーカーで3つ、その他食品メーカー、ゴルフ用品店、地元レストラン等数知れず)。さらには、一部ゴルフ用品メーカーなど、日本人需要目当てなのか「●●ゴルフジャパン」(米国の本社ではなく)が協賛していたり。

100万人という規模が集積の経済を生み、企業が集まり、それゆえ人が集まる。その結果米国他地域にはあまりない日本の商品サービスの充実が見られ、そこにアジア系アメリカ人が集まったりして日系コミュニティ(ソーテルとかコスタメサとか)は大変賑わっている。そして現在進行形で日本から企業が進出してきたり、当地にいた駐在員の人などが一旗揚げるべく起業していたり。

集まっているのは駐在員・こちらで一旗上げた永住者・研究者と言った感じで、なんというか広島や仙台のような地方中核都市の財界のようなイメージといった感じであろうか。南カリフォルニアの晴れやかな空の下でこれだけの人が集まりその先には豊饒なマーケットがある。これはビジネスマンとしてはうきうきしないわけにはいかない環境であり、「俺もいつかは...」という思いが強まる。



・世代間断絶・・・といいつつ、目についたのは、若者の少なさ。自分も一応若者のカテゴリーに入るので、この2年間色々な「LAに住む若手の会」のようなものに参加させてもらっている。研究者の会、留学者の会、現地で働く人の会等々...自分としては、そういった若手の集まりと今回のコンペのような壮年世代の集まりが断絶してしまっているとしたら、それは勿体ないよなぁという思いを抱いた。

単に若者はゴルフをやらなかったり、選手に選ばれるほど上手ではないということかもしれない。本当はトーランスやアーバインでは、老若男女がちゃんと混ざってコミュニティ形成が進んでいるのかもしれない。だとしたら自分の観察や懸念は単なる杞憂であるのだが。。



・象牙の塔・・・ことこのゴルフ大会を観察する限りでは、留学生で参加しているのは自分を含め3~5名に過ぎなかった。別にゴルフをした方がいいということではないのだが、これほどまでに地元に日本人コミュニティが充実しているにもかかわらず学内(あるいは学生の集まり)でよろしくやってオシマイにしてしまうのは自分は大変勿体ないことだと思う。

自分がとある同じ学部の先輩に「僕の大学のMBAにも、同じ大学出身の人は結構いるんです」と言ったら「でも正直どうでもいいや。すぐ帰っちゃうから名前覚えられないし、彼らもこういうの興味ないでしょ?」と言われたのは結構考えさせられる。もちろん、真剣に学内でネットワーキングしてたら日本人のおっさん連中まで顔を出している暇がないという考え方もあるだろうし、大いに理解できる。ただ、学生サイドに「自分らはエリートだが、当地に住んでいる日本人はそうではない」みたいな発想が少なからずあって、それが両者に不必要な壁を作ってしまっていないかと言うのが気にかかる。実際、とある修士の人にネットワークをシェアしようとしたら、「自分の眼鏡にかなうようなエリート企業とか有力ベンチャーとかだったら会うよ」と言われて結構びっくりした記憶がある(それ以来その人には何一つgiveしないことに決めたが)。

たしかに当地域に立地する企業の多くはFacebookやGoogle的なものではない。MBAを好んで採用すると言う企業は多くない。その点において、当地域の「学外のコミュニティ」はMBAの好みとは少なからずずれているのかもしれない。シリコンバレーやボストン・NYCと比較するととの違いは顕著だ。でも、自分は、「せっかくLAに来たんだから、LAの学校外コミュニティから学ぶのもいいじゃない」と思う。当地にいる少なくない留学生がLAにいながらにしてシリコンバレーをウォッチしているが、自分は彼らを理解はできるが「じゃあスタンフォードいきゃよかったじゃん、どうしてそんな徹底的に地元無視するんだろう」と思ってしまうのだ。シリコンばれーに行ったなら地元のベンチャーとかVCから学ばないと損だし、NYC行ったらファンドの一つや二つ顔出してみたりしたいけど、同様にLAにいるなら地元でどのように日本人先輩が活躍しているのか知っておいた方が得だと思うのだ。。

特にMBAに限定して言えば、国際的なフィールドでビジネスを行うことに関心があるからわざわざ外国のMBAに来ているのに、実際に海外で戦っている駐在員や事業家を完全スルーして教室でFacebookとかGEのケース読んで、ブログとかでシリコンバレー事情聞きかじってオシマイってのはちょっと違うのではないか...と感じている。

ま、でも、自分に少なからずラッキーがあったのは確かである。たまたまゴルフを趣味としてもっていたこと。金融機関の支店で働いた経験があり、駐在や現地事業家達はとても勉強になるアツい人たちであることを既に知っていたこと等。なので上記は多分にそういう運に恵まれた自分のポジション含みなのだけど。。また、言い出したら、「駐在者vs現地永住者」「日本人vs日系人」等色々あるやには聞くので、とりたてて学生だけピックアップして騒ぐのもフェアではないのかもしれないが。。

ま、いずれにせよ、MBAという世界に加えて、LA日系経済というMBAコミュニティとは全く異なる世界を体験できたことは、MBA経験者の中でも自分が恵まれた一つのエッジとなる、ことを期待している。。どう活用されるかはまだわからないけど、、