Wednesday, January 4, 2012

冬休みの読書(2)

冬休み読書感想文シリーズの後半

2. 『働きながら、社会を変える。』(慎泰俊)

著者は自分と同世代。というか多分同い年。PEファンドで働きつつ、パートタイムで貧困問題に取り組むNPOを運営しており、本書は氏の取り組みや、取り組みに至るまでの経験や分析、さらには「パートタイムで社会問題に取り組むこと」という生き方について述べられている。

自分はなにかの縁で著者のことをツイッターでフォローしていて、本ができるまでのプロセスでの氏のつぶやきなども目にしていた。最終的に購入を決めたきっかけは誰かのブログだが、ある意味においては著者自身にひかれて購入を決めたとも言えるのかもしれない。

氏の活動それ自体も大変興味深く、可能なら日本帰国後なんらかの形でフォローしていきたいと思っている。だが、それ以上に、「帰国後、自分はどう生きるか」という自身の問題意識に対し、本書はかなり強い示唆を与えてくれている。パートタイムで動く、というロールモデルとして、引き続き氏をフォローしてみたい。

それ以外に驚いたのが、氏のネットワークの豊かさ。文章の端々に、氏の交友関係の広さが窺えるような記述が出てくる。特に、いわゆる金融コンサル的な文脈から離れた、芸術や文芸等のネットワークがあることに氏の強さを感じた。本文のなかに「パートタイム活動をすることが、まわりまわって本業にも役に立つ」といった記述があったが、氏のネットワークも同様の「間接的に氏の仕事や人生に貢献する」という役割を果たしているように感じられた。

もう一点、氏の著作を読んで感じたのは、教養の重要性。引用されている古典の量、データ解析のクオリティ、データ分析とその解釈の間の適切な距離感など、文章の端々から「この人、相当勉強しているな」ということが窺えた。単なる「ファンド×NPO」という経歴勝負の人でもなく、児童養護施設の体験だけで勝負する突撃ルポライターだけというわけでもなく、総合性のある充実した文章に仕上がっているのはまさに氏の教養のおかげであると感じられた。

今回、小澤/村上本と本書を立て続けに読んだのだが、

・小澤/村上:仕事それ自体が人生の主要な喜び
・慎:仕事それ自体も充実しているが、それだけが全てではなく、パートタイムでの活動にも喜びを見出す

といった対比ができるように思われて面白かった。
「どちらの生き方がベターか」という話ができないこともないが、個人的にはそれはややナンセンスだと思う。
むしろ、「仕事それ自体にせよ、それ以外にせよ、自分の人生の喜びとなるような何かを見つけ、あるいは見つけようとする姿勢を保ちつつ、その何かに一生懸命打ち込むことが人生の充足度を決める主要因になる」ということが両者から自分が感じた点。年をとったのか、あるいは帰国が近づいているからか、自分は最近「帰国後どう生きるべきか」という点についてずいぶんと思い悩んでいる。(そのくせ転職についてまったく考えなかったのは、単にめんどくさくて現実逃避しただけなのだが、、orz)この2冊の本は、どちらともその主題は「どう生きるか」ということそれ自体ではない(後者はテーマの一つに「パートタイムNPOという生き方」が含まれているが)。しかし、自分がこの2冊を続けて読んで得た示唆の中で一番大きかったのは「どう生きるべきか」という点であり、その点において大変参考になった。

なお、本書は、もしできることなら「イージー版」があれば素晴らしいのにな、と思う。自分のような氏と似た境遇の人間であれば、共感しながらスムーズに読み進めることができるが、特に分析の章が本書の「読みやすさ」をちょっと阻害してしまっているように思われる。本書は、自分のような「悩めるアラサーサラリーマン」がメインターゲットなのかもしれないが、そのポテンシャルを考えるともっと多くの人に読まれる価値があると思う。たとえば体験談の第1部と取組の第3部を膨らませつつ第2部を簡素化するような簡略版を作り、二方面作戦をする価値は十分あると思った。あるいは、氏の著作や活動を広めることが、氏の周辺にいる誰かの仕事として真剣に検討されるべきなのかもしれない。届くべき人には届くが、それ以外の人にはちょっとリーチしづらいかもな、という感想。

冬休みの読書(1)

この冬休みは、学校関連でいくつか教科書/リーディング/論文の類を斜め読みしたほか、日本語の本を2冊ほど読んだ。
日本語の本は当地で買うと高いので、日本のAmazonで購入して実家に配送し、年末に来訪した親に持ってきてもらった。わざわざ選んだから当たり前といえば当たり前なのだが、2冊ともとても面白かったのでメモ。
(英語の文献は、、、だいぶ中途半端のままorz)
なお、アフィリエイトを目的とした書評ブログではないので、あらすじや評論はパスして、自分がいかに本書を消化したかという点に絞って書く。

1. 『小澤征爾さんと、音楽について話をする』(小澤征爾、村上春樹)

大のクラシックマニアである村上春樹が、小澤征爾と音楽について色々語り合う本。
とあるブログで好意的に評価されていたのを見て購入。

自分は昔は村上春樹がわりと好きだったが、正直なところ最近少し満腹感があり、たとえば『1Q84』は手を出していない。今回は、「村上春樹の最新本」というだけでは買わなかったと思うが、「小澤征爾」「クラシック」といったあたりに惹きつけられて購入を決意した。
総じて内容が充実していた上、村上春樹の読みやすい文体のおかげで、最初から最後まで楽しく読むことができた。
(英語漬けの生活のなか日本語の書籍を読むと、文章のリズム感というか「この本は『読ませる』」とか「読ませない」というのがより鮮明に感じられる。英語書籍でももうちょっと感じられればいいのだけれど。。)

正直なところ村上春樹のマニアぶりはややスノビッシュな気がするのだけど、小澤征爾の「音楽を純然たる音楽として消化する」といった姿勢は非常に好感が持てた。細かい技法や「誰がタクトを振って誰がソロを張ったか」云々といった点に拘泥するというよりは「その結果、音楽がより素晴らしいものになっているのか否か、心を打つか否か」といった素直な目線を保持しているように見える氏の姿勢は、「ど素人クラシック愛好家」たる自分にとっては大きく首肯するところがあった。クラシックに関心があるけど、どう入っていけばよいのやら...という人にこそ、この本はフィットしているのではないかと思う。

村上春樹の音楽マニアぶりは上記のとおりやや鼻につくのだが、音楽を純粋に楽しもうという目線は保持されている感じで、腹が立つレベルではない。また、ちょっと読むだけで、「小澤征爾の世界を言葉に落とし込むことができたのは結局のところ村上春樹しかいなかったのではないか」という思いが強くなり、この本の存在意義を強く感じた。音楽に対する強い愛情を持ちながらもあくまで素人という村上春樹の立場、ひとつひとつの言語に対して鋭敏にその含意するところを捕捉せんとする文章家たる彼のプロフェッショナリズム。なんというか、非常に「痒いところに手が届いている」印象。

自分はこれまでは、自身の指揮者や楽団に対する知識不足もあり、極力指揮者や楽団にこだわることなく、演奏というよりは楽曲そのものを楽しもうというスタンスで音楽を聞いてきていた。ざっくり言うと、誰が指揮しようとそんなに変わらんだろというスタンスであった。しかし、本書を読むことで、「自分もそろそろ、同じ楽曲について、Aさん指揮の曲とBさん指揮の曲を比べてみたりしようかな」と思うことができるようになった。スノッブ化なのかもしれないが、個人的にはこの本が自身の好奇心を深めてくれたと思うようにしたい。

また、2人の一流プロフェッショナルの「仕事の流儀」のようなものも端々に出てくるのだが、これも大変示唆に富んでおり面白い。ぱっと自分が思い出せる限りでも、2つほど「これは」と思わされるものがあった。
・仕事をすることそれ自体が人生の主要な喜びとなっている。仕事に熱中できているということそれ自体が何者に代えがたい報酬となっている(村上の考えるところによる、自身と小澤の共通点)
・斎藤先生に学生時代に基礎をみっちりたたき込まれたおかげで、自分には基礎技術があった。おかげで、レニー(バーンスタイン)やカラヤンの演奏を見ても、参考にすることはあっても、まるまる真似することはなかった。
後者などは、なぜわざわざMBAで学ぶのか?という問いに対する答えとしてもそのまま使うことができてしまいそうなコメントだと思う。

長くなったので、2冊目は別稿に回す。

Tuesday, January 3, 2012

親来訪

昨年に引き続き、自分の両親と妹が年末年始のタイミングで来訪。

<12/28>
・夕方に親来訪。時間も遅かったので、家から徒歩圏にあるCalifornia Pizza Kitchen(CPK)で夕食。なぜか訪問頻度の低いCPKだが、行く度、「案外悪くないじゃないか」という感想を抱く。
・親が、自分達のテーブルを担当しているサーバーさん以外の人に声をかけたりしてカルチャーギャップ体験していた。でもまあ、一人のサーバーが誠心誠意ケアしてくれる米式も悪くはないけど、店内にいる誰もが自分達のケアをしてくれる日本式の方が個人的には好きかな。サーバーがチェックしてくれるのを待たねばならないアメリカ式よりも、食べ終わった後は好きなタイミングでレジに向かえば良い日本式の方が清算は気楽だし、チップがいらないし。

<12/29>
・朝一でゴルフショップへ向かう。日本よりアメリカの方がかなりゴルフクラブが安いことから、父が一揃いクラブを調達。
・その後北上してゴルフ。我々父子と、アメリカ人2人。父にとっては人生初のーそしておそらく最後のー外国人と一緒のラウンド。個人的には久々に80代が出て満足だったが、父はその日の朝に買ったクラブでよくもまあゴルフできるよなあ。。
・夜は近所の寿司屋へ。美味しいと評判の店だったので、親が来た記念で(親の金で)贅沢してみた。確かに美味しくて大満足。あまり暴飲暴食しなければそこまで無茶苦茶高くなることもない気がしたので、また家族3人でも行ってみたい。

<12/30>
・一路ラスベガスへ。繁忙期だからか、道中かなりの渋滞。
・今回のレンタカーはDodgeのJourney. 前回のYUKONと比べると一段小さく、乗り心地はちょっと???。
・メインストリート(Strip)から一本離れたロッジタイプのホテルに投宿した後、Bellagioでバフェして、噴水を見て等。

<12/31>
・早朝に、両親と妹をグランドキャニオンツアーへ送り出し、二度寝。
・娘がうるさいので、域内でゲームセンターが一番充実しているCircus Circusへ。今回は親子共々ラッキーで、人形やら何やら色々景品をゲットすることができた。
・午後に両親・妹が帰還した後、自分と娘以外を、Bellagioでやっているシルクドソレイユのショーに送り出し。その間に娘とデート。
・ショーを見終えた後は、体調を崩す者が出てきたのでホテルに戻る。年越しイベントを控えて夕方の時点でStripは封鎖されており、我々は出ることはできたが再進入はできなくなる。町全体がひどい渋滞。仕方がないので、宿の売店にあった食材を使って部屋でささやかな晩餐。正直胃が疲れていたので助かった。
・娘を寝かせた後、自分・妻・父でカジノへ。Stripの車両通行が封鎖されていたので、ホテルから歩いていけるVenetianへとぼとぼ歩く。
・あまり興味がなかったのでこれまでの訪問ではやらずじまいであったカジノであったのだが、スロットは予想通り、いや予想以上につまらなかった。自分でできることが台やレートを選ぶことくらいで判断余地に乏しく、ギャンブルとしての面白みに欠ける。
・一方、ルーレットは、勝てたからということもあるが、なかなか面白かった。どうbetするか、いくらbetするか、自分で判断できたことが面白さの要因だと思われる。あるいは、最低bet単位が$25というレートの高さに頭がヤラれたこともあるのかもしれない。一時は「ここで負けると軍資金が$25を割り、ゲーム継続不可能」というところまで追い詰められたが、最終的にはプラスで終えることができた。しかし一回$25は今になって思うと高い。点ピン麻雀なんて目じゃないレートだな。。
・最終的に、各自$100の軍資金で臨んで、自分が+$150、父が-$80, 妻が-$40とトータル黒字で終わることがfできた。
・その後年越し後のStripを練り歩いてみる。完全に歩行者天国となっており、暴動でも起きているかのような大騒ぎ。花火もやっていたらしいが、カジノに夢中で気づかなかった。

<2012/1/1>
・チェックアウト後、近所のアウトレットを経て帰途につく。
・大渋滞で、1時にラスベガスを出たのに、結局LAに戻ってきたのは夜。
・仕方ないので、帰り道にあるDin Tai Fungが開店していることを確認した上で行ってみたが大混雑。ほうほうの体で帰宅。

<1/2>
・パロスバルデス観光の後、ショッピングを挟んでRuth's Chrisで肉。家でのステーキも美味しいが、やはりプロに焼いてもらうと一味もふた味も違うような、そうでもないような?
・でLAXに送り返して終了。疲労のあまり風邪をこじらせた。

今回は前年と違って天気が良く、両親と妹を嫉妬させるには十分すぎる気候に恵まれた。飯もゴルフも観光もいいけど、やっぱりLAの最大の魅力はこの気候だよなぁと感じさせられた。

Sunday, January 1, 2012

もろもろ

ツイッターの自分の書き込みや記憶などを頼りに、ここ最近思ったことなどを箇条書き。

・ダニエルピンク氏がTEDや書籍刊行により注目を浴びているのだが、ツイッターや書評ブログを見る限り、氏のモチベーションに関する議論は既に語りつくされた議論の繰り返しに過ぎず、今更感を感じる。Intrinsic Motivationを知らなかったのはMBA以前の自分のみならず、多くの人がそうだったのだろうか?

・新年あけおめ的なFBのpostやツイートにキャッチアップできず四苦八苦。なんか興味が持てず、適当に間引きしつつlikeをぽちぽちやるだけで一苦労。

・在米日本人でおせち料理をアメリカにて作っている人が結構いて感動&おすそ分け期待

・なんかこの冬休みは休み方をミスったようで、次の学期頑張るぞという奮起ができずにいる。向学心、好奇心の類が鈍い。なんだこれ。どうした自分。ブログ執筆意欲も減退気味だし。枯れを感じる。あるいはMBA2年目の慣れなのか。いずれにせよ、ちょっと精神的に充実していないのを感じる。エンジン不調で、新年の抱負とか昨年の総括とかって気分が出ない

・ベガスの年越しはかなりアツかった。花火、歩行者天国、カジノ等々。来てよかった、が、正直独身時代の"池袋で魚金→麻雀→初詣"みたいなやつが結構懐かしい昨今。

・日本のAmazonで本を買い、実家に配送。今回来た親に2冊持ってきてもらった。2冊ともかなり面白いが、特に、村上春樹による小沢征爾のインタビュー記は相当面白そう。ちょっと読みはじめただけだが、ぐいぐい引き込まれ、なかなか中断できなかった。

あけおめことよろ

年末・年始。

年末から自分の親が来ていて、ゴルフして、ラスベガスで年越しをして。今日ベガスから戻ってきて、現在へとへと。。後日旅行記等書けたら書く。