アメリカの球場のスポーツバーが気にいっており、日本でも導入するとよいのではないかと思った件。
○球場のバーエリアは実に楽しそうで、日本の球場でも是非取り入れるといいのではないかと思った(たしか、広島の新球場には既にあったはず)。が、この妄想を一段掘り下げてみたところでなんかもやもやしてしまった。自分が球場にどのように関われば、その球場内スポーツバーエリア構想を実施できるのだろうか。影響を与えるために最も有効なポジションは何だろうか。ちょうど同時期、新内閣の「新大臣に素人が多いと言われる件」がネットで話題になっていたので、その件とスポーツバー構想が頭の中でシンクロした次第。
・候補①:球場プロジェクト、あるいは球団のトップ
そのようなトップの立場であれば、「スポーツバーは良いので、導入しよう」と言えばおそらく話はすぐ動き出すことだろう。しかし、それって、金融財政に殆ど専門性を有さない大臣がある日突然「相続税を廃止します」とか言い出したら、「殿ご乱心」以外の文脈以外で理解してもらえる可能性は極めて低いのと同じような話ではないのだろうか。当の本人としても、スポーツバー云々という話は思いつきレベル以上に煮詰めた提案をできそうにはない。仮に自分が何かの弾みで球団経営のトップに立ったとしても、果たしてスポーツバー開設という構想を思いつき以上のレベルで提示することができないし。
とりあえず、政治のアナロジーに戻ると、自分は大臣がトップダウンで新しい構想を推し進めることは必ずしも良いことではないと考える。大臣がその道の素人であればなおさらだし、仮に元財務官僚とか元なんちゃら政経塾出身とかケネディスクール出身とかでもやっぱり危険だと思う。ただ、トップが何かしらイニシアチブを取ることは当然必要だと思うので、何が思いつきとみなされて何がイニシアチブと認定されるのか、その辺りが気にかかる。
・候補② 従業員
アメリカ帰りの従業員みたいなポジショニングで、「社長、アメリカはこうでした」みたいな感じで上を説得するイメージか。
うまくいけばいいが、これだとトップの判断次第で実現しないリスク・自分だけではいかんともし難い部分がトップの場合よりはるかに大きい気がする。また、そもそも、そのような提案をすることができる立場になることができるかどうかも定かではないし。構想を実現するためにその会社の従業員になるというのはやや遠回りな気がする。
政治のアナロジーを試みると、日銀に入ったところでデフレ政策/リフレ政策等リードできるのはごく一部の幹部だけ、あるいは幹部でさえ無理なのかもしれない。
・候補③ コンサルとか
事情通のコンサルみたいな立場から、球場なり球団に提言を行うようなイメージ。
これはどうも、ものごとを達成するための手段としては一番遠回りな気がする。スポーツバー開設に伴うリスクリターンと利益関係がないというのが致命的にいけてないと思われるし。また、人助けに価値を見出すとかスキルを鍛えるとか将来のための貯金という観点でコンサルという職業を選ぶのは理解できるが、仮にスポーツバーとか何か特定のやりたいことがあるならコンサルではなく当事者になるべきだろう。
とかなんとか、旅行疲れのぼんやりした頭で妄想。とかなんとか考えていると、「トップのイニシアチブ」というポジティブなものと「トップの思いつき」というネガティブなものの違いがなんなのかよくわからなくなってきて戸惑っている。前首相が独断で脱原発を推し進めるのがNGで高橋是清の財政政策が偉業となるのはなぜか。結果がよければそれでいいのか、あるいは決定プロセスの丁寧さに違いがあるのか、等々。帰国したら霞が関在住の友人に聞いてみようかと思う、覚えてれば。また、自分が留学終了後、人々の意思決定プロセスにどのように関わればいいのか、あるいはそもそも関わっていいのか等、どうも考え出すと全然整理がつかない。
といった感じで全然まとまっていないのだが、本日時点での暫定的な結論は以下のような感じ。
やっぱりトップになるのがベストだが、スポーツバー開設のプロセスは
・ある日突然「スポーツバーだ」とか言い出して部下にその実施を丸投げする
という殿ご乱心的なものではなく
・スポーツバー構想を提示し、取締役会や従業員・株主等の合意を形成する
というような感じになるのではないか。うーむまとまらない。