Wednesday, February 2, 2011

Another J君

先学期さんざん心を惑わせてくれたJ君とは別のJ君の話。

新しい班に、やっぱりイニシャルがJである男がいる(アメリカ人ってイニシャルがJの人多いな)。
名門ペンシルバニア大出身で、コンサルを数年やってUCLAに来ているとのこと。

(ちなみに、ジャパントリップの申込をしてくれたからわかったのだが、J君、大学卒業は自分と1年しか変わらないのに、なぜか年が3歳も下。自分の浪人の1年、卒業年次の1年を考慮してもなお1年の差があり、まあ飛び級なんだろう。前の班で年齢を言い合ったときにも感じたが、自分の2005年卒というのは卒業年次としてはMBAの平均あるいは平均ちょい上くらいだが、入学時28歳という年齢で見ると卒業年次よりも平均から上振れしてしまっているようだ...自分は比較的早いうちにMBAに来れたことを内心嬉しく思っているのだが、アメリカ人と比べると全然早くもなんともないな)

そのJ君、いい奴というか、尊敬できる奴。さすがUPennなのか、いずれにせよ見本とした点が多々あるので、その学びをメモしておきたい。

・とにかく返答はポジティブ:今まで彼が頭ごなしに人の意見を否定したところを見たことがない。愚直なまでに、とりあえず最初の10秒くらいは「なるほど、■■というふうに考えると確かにわかりやすいな。ふむふむ」といった肯定的な返答を欠かさずやってくれる。

・かといって、議論を投げない:自分が一学期にやってしまった誤りの一つがこれ。馬鹿の一つ覚えで「いいね、グッドグッド、賛成」と言っているだけではただのアホなのだ。その点彼は、ポジティブな返事から始まりこそすれ、きっちり疑問点やこちらの議論の穴などは拾ってくる。そのため、議論が締まる。

・フェアプレーを好む:先日、班のメンバーが「(他の班の)AがXXXといっていた。だからこの問題の答えはXXXじゃないか」と言った際、わりと真面目に「うん、でもAの意見も面白いけど、お前の意見はどう?」と切り返していた。自分も前の班で同様のことを言ってやんわりと批判されたことがあったが、この感覚を持ち合わせている彼の健全なセンスは好きだ。
同様に、メンバーが「(ミーティングとは別の場で)自分とBでちょっと話をして、今回の宿題はXXXといった方針でやるのが良いと思ったんだけどどうだろう」と言ったとき、「うん、そうだね、でもミーティングの場あるいは全員のメールで議論してみない?」とやんわりと根回しを否定していた。自分も根回しの国日本から来ているので、こういった「自分のあずかり知らないところで行われたインフォーマルな場でものごとが殆ど決まってしまっている」というめんどくさい状況には頻繁に直面したが、ここまでスマートに根回しを批判できたことはなかった(たいていは渋々受け入れて後日まで心にしこりを残していた)。なので、彼の根回しに対する感覚、切り返し方には感嘆せずにはいられなかった。

・自分のできることは何か常に考えている:J君は現在就活まっただ中で非常に忙しそう。授業にこれないことも多いし、宿題できずに来ることも少なくはない。しかし、だからといってすべてを自分や他のメンバー任せにしてしまわないのが彼のすごいところ。必死に議論に食らいつき、空気を読み、何かしら役に立とうとしてくる。あるときはPC入力係、ある時はスケジュール管理係、ある時はDevil's Advocate等々。結果的に、たとえ彼が宿題をしていなかったとしても、彼に貸しを作った感覚を持てたことが一度もない。むしろ世話になったような負い目さえ感じることがある。
いつか彼に自分が最近思っている「実は世の中って、Give and TakeじゃだめでGive and giveで臨まなきゃまずいんじゃないか」という仮説をぶつけてみたい。なんとなく理解してもらえるような。

・そして人間くさい:ここまで書いてきたことだけ見ると、なんだか優等生キャラで人間的にやや物足りないところがあってもおかしくなさそうな書き方になってしまった。しかし、彼は人懐っこいし冗談が好きだし、多分女好きでもある極めて人間臭い男。

うーん、彼が外国人ゆえ一歩離れたところから見ることができているからかもしれないが、参考になる点が多い気がする。このブログに書いて頭の整理をすることなどを通じて、少しでも吸収できればよいのだが。