Saturday, May 21, 2011

プレスリリースに茶々

ネットで見つけた記事について2つほど:

1. とある金融機関のシステム障害に関する報告書:

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細かい話はざっくり読み飛ばしつつ、対応策に関する提言を読んで。
当たり前と言えば当たり前の話とは思うが、対応策に関する提言のひとつに「人材の育成」とあり、具体的には「銀行業務とシステムの全体像に対する理解に立ったマネジメントを行える人材の育成を図っていく必要がある」という提言がなされている。

他人事モードで読み流すと「そりゃそうだ、金融機関なんて装置産業なんだから、経営者がシステムについて理解しているのはマストだ」などと思うのだが、自分の話として考えると「IT部門には行きたくないなぁ」とつい思ってしまう。だって本業と離れすぎているから。自分の本業が「会社に金を貸したり投資したりすること」だとすれば、マクロ経済とかデリバティブとか戦略論とかマーケティングとかは少なからず本業にリンクする知識・スキルであり、勉強意欲も湧くし関連する仕事も経験してみたいと思う。でも、IT(あと自分にとっては法務とか)はなんというかあまりに距離感がありすぎて、関心がまったく湧かない。

ITが大事なのは多分そうなんだろうくらいのレベルで同意できるが、果たしてITが金融機関経営者にとって重要度最高のトピックなのかというと果たしてどうなんだろうか。詳しい人材が社内に数名いて、そのうちの一人をCTOに任命して、CEO自体は「言われれば問題の所在くらいは理解できる」というレベルじゃまずいんだろうか。とかなんとか思っていると、この報告書の提案内容は、簡単なようで難しく思われる。



2. とある外食産業の最近の活動について:

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正直自分はこの会社について、ここ最近の報道だけ見て「終わっている会社」と思っていた。市場も成熟しており、経営者もバタバタしていたり。でも、こういう活動をしていることを知ると、自分の持っていた浅薄な軽蔑のような思いがひっくり返される感がある。

財務的に終わっているかもしれない。戦略がイケてないかもしれない。でもそれがどうしたっていうのだ。このような皆が苦しいときに迅速に取引先(食品会社等)の協力を取り付け、場所・食材確保といったオペレーションをきちんとこなし、人々の心が温まるような食べ物を作ってふるまうことができるこんな会社のどこが終わっているというのだろうか。この記事を見て、ああ反省した方がいいかもと思わずにはいられなかった。

自分はMBAにてすとらてじーやらふぁいなんすやら学んでいるわけだが、このような企業を作り人を集めオペレーションを回していくことができるかと問われたら全くできる気がしない。先日話題になった焼肉屋レベルのお気楽経営ならできると思うが、この会社のような血肉の通ったリアルな企業を長期にわたって運営していくことは絶対にまだできないと思う。

そんなことを考えていると、本来MBAは自分にプラスであるはずだが、今のところは自分の天狗の鼻を長くしているばかりでトータル効果はマイナスになってしまっているかもしれないという思いがよぎる。
たとえばこの会社の従業員で被災地で料理を振る舞っている調理人の人なんかから見たら、今の自分は腹立たしいことこの上なく見えるのではないか。。。

なんとなく、色々と大事なものを見失っているような気がしてならない今日この頃でした。