Thursday, July 14, 2011

Hollywood Bowl

木曜日。

○早朝から近所の市営ゴルフ場へにて早朝ラウンド。夕方によく行っているが早朝は初めて。バック9を$20で回らせてくれてしかもガラガラなので非常に快適。朝露でグリーンが重い・要所要所でまだメンテナンスが行われているといったことはあるけど、練習と割り切ってしまえばそんなのはあまり気にならないし。
ただ、残念なことに、生まれて初めてゴルフ場で迷子になり9ホールプレーし損ねた。ホール番号が書かれた看板を見ずにプレーしてしまい、気付いたら7ホール目が18番だった。。。後から振り返ると、10→11→17→15→16→17→18と回っていた。2回目の17番でデジャブを感じて「不思議だなぁ」とか思っていたが、不思議なのではなく自分がアホなだけだった。空いている早朝ゆえの過ち。まあでも、終わって帰宅してもまだ8時というのは非常に魅力的。そのあと勉強とか家事とか、やろうと思えばできるわけだし、やろうと思えば。

○昼は引っ越し。引っ越し先が隣のアパートで既に部屋に入れることから、書籍やら人形やらをちまちま運ぶ。作業自体はたいしたことないのだが、早朝ゴルフの疲れが出てきて図らずも昼寝してしまう。

○夜はHollywood Bowl初体験。Westwoodにある官公庁ビルの駐車場に車を停めて、そこから出ているシャトルバスで一路現地へ。前売り券を買い忘れた結果乗車を後回しにされて少し焦ったので次は前売り券も買わないと。乗客は普段どこに潜んでいるんだっていうくらい老人ばっかり。まあクラシックなのでそんなものか。皆セーターとか毛布とかを持っていて嫌な予感がしたが、案の定現地はとても寒い。Tシャツ短パンで臨んだ自分はかなり辛かった。次回は厚着していこう。ここハリウッドボウルでのコンサートは野外コンサートならではのカジュアルなもので、観客はみな食べ物や酒を持ち込み、座席やその辺の芝生でワインを飲みながらのんびり開演を待っている。そんなカジュアルなものだから子持ちの我々も聴きにいくことができて、おにぎりとか卵焼きとか弁当をつまんでそのあとにワインを飲んだりして。

で開演。UCLA(および他の多くの学校)のエッセイに「御校のある街が抱える○○管弦楽団は実にすばらしく、是非ともそこの音楽を楽しみたい」とご挨拶がてら書いていたのだが、一年越しで初めて実現。まあベビーシッターに預けるなりすればよいのかもしれないけど。久しぶりのコンサートは実によかった。素人リスナーの自分であるが、やはりライブコンサートにはCD録音にはない楽しみがある。演奏者と聴衆とのコミュニケーション・聴衆の反応・演奏者のミスとか好演、場に広がる高揚感等。こういったものは、やはりCD録音では味わえないものであり、あまり指揮者とか楽団の特徴とかそういったものには未だ関心が及んでいない自分(酒で言うなら「ワインだったら何でもおいしく頂きます」的で、PCで言うなら「インターネットができれば何でもいいです」的)にとってもライブコンサートの価値が感じられる。以下、おっ、と思ったものを列挙:

・演目にはなかったが、まず手始めにアメリカ国家が演奏されて、しかも聴衆が皆ばしっと起立して歌いだしたのでびっくり。つられて立ったがさすがに歌がわからない。胸に手を当てて陶酔気味に歌う老人もいれば、あえて立たず静かにしているカップルもいたり。さまざまな考えが存在していて、それがそれぞれ尊重されているように感じられて、そのあたりにアメリカを感じた。

・曲目はロシアでまとめた感じ。特に気に入ったのは1曲目のボロディンのPolovestian Dance。曲名を知らなかったが、聞いたら一発で「あ、これね」と誰もが思い出すであろう曲。自分がLAフィルとハリウッド音楽とを勝手に重ね合わせてしまっているのかもしれないが、全体的にLAフィルは迫力がありドラマチックな演奏である印象。その一方で、弦楽器の和音の響きがとても成熟感のある綺麗なものであった(気がする)。

・ステージから離れたところにいたからかもしれないが、少し演奏者たちの動きと聞こえてくる音にラグがあったように感じられて気持ち悪かった。いつみても、タクトの動きと聞こえてくる音がずれているように思えてならずなんか気持ち悪いのだが、あれはあの指揮者の振り方の問題なのか音響の問題なのかなんだったのだろう。

・3曲目は展覧会の絵だったが、トランペットのおっちゃんが人間臭すぎて面白かった。
展覧会の絵が始まる前に小休憩があり、その後にはちょい練習タイム(皆が自分なりにチューニングしたり弦を張り直したりするあの時間)→チューニング(オーボエとコンマス→コンマスと皆)がある。その練習タイム、皆ラ(A)の音を出す程度の簡単なことしかやっていないのに、そのトランペットのおっちゃんだけは2回くらい最初の♪ソーファーシb-ドファレードファレーシb-ドーソーファというところを結構真剣に練習していた。いまさらそんなに真剣に練習しないでもと思っていたが、どうもそのおっちゃん緊張していたようで、本番でなんといきなり音を上ずらせてしまった。しかもわざとやっているのかと思うほど音がぶつ切れ。ものすごくその後の展開が不安になったのだが、どうやらそのおっちゃん、緊張したのは最初だけだったようで、だんだんキレを取り戻してきた。中盤のソロはもう普通に立派なさすがプロというとろみのある音を出していて、却って最初のミスが自分の印象に強く残ってしまった。しかしあのおっちゃん、たぶん緊張していたのだと思うのだが、なんで緊張してたんだろう。プロでもやはり緊張するときは緊張するのかしら。

・まったくもって当たり前の話なのかもしれないが、楽団員には白人もアジア人も黒人もヒスパニックっぽい人もそれぞれ存在している。また、2曲目のピアノコンチェルトで演奏したソリストは中国系の人であったが、ごく普通にスタンディングオベーションがある。当たり前なのかもしれないが、演奏者も観客も日本人ばかりというコンサートに馴染んでいた自分からすると、その風景はかなりインパクトのあるものであった。


と言う感じで非常に楽しかったハリウッドボウル、是非近いうちにまた行きたいと強く思った。