Friday, January 7, 2011

大学受験 vs. MBA???

・ふと思ったこと:たまに「大学受験とMBA受験どちらが大変か」ということを考えたり、あるいは聞かれたりする。個人的には浪人したこともあり大学受験の方が大変だった印象があるのだが、最近、この比較自体がナンセンスなのではないかと思うようになってきた。以下が理由。

理由1: もしこの質問をもとにMBA受験の有無を決めるとしたら、仮に大学受験より大変だったとして、それを理由にMBA受験をやめるくらいなら最初からMBA受験をしない方が良いだろう(受験を検討していた当時の自分、あるいは受験を検討している若者に対する批判的考察)。

理由2:大変さの度合いは定量的に測定することは不可能。さらに、人によってより古い出来事を重く評価しがちな人や、最近の苦労を重く評価しがちな人もいよう。

理由3:むしろ、MBA受験と、それをしなかった場合のAlternative(例えば、仕事を続けるとか)こそむしろ比較すべきなんじゃないだろうか。どっちの方がシンドイかとか、どっちの方が生涯年収高くなりそうかとか。

そういうことをふと今日考えた。さて、自分にとって貴重な28歳から30歳のこの期間。MBAに行くという実際の選択と、そのまま職場で働き続けるというオルタナティブと、果たして自分にとってはどちらが良い選択であったのであろうか。一応「MBA」と思っているのだが、果たしてこれを2年後、5年後、10年後でもそう思うことができているといいのだが...

とりあえず、派遣元においては、MBA手当はもとより修士のベースアップも特には存在しない模様(新卒段階ではあるみたいだが、途中で修士になったからといってベースが変わることはなさそう。また、仮にあったとしても、その金額はおそらく微々たるもの)。そうなると、転職しないという前提でいくと、「金ではない何か」みたいなものを見出さないと、むしろTOEFL等受験費用の分だけ劣った選択肢であったという結論になりかねない。
あるいは、価値の主たるものが「転職のための黄金の切符」みたいなオプション価値だとしたら、それはそれでちょっと寂しい。社費留学で留学している自分に欺瞞を感じてしまう。自分の未来は予想できず、結果的に転職することもあるのかもしれないが(今のところそのイメージはないが、無為に可能性を排除してはいない)、現時点ではこのオプション価値はあくまで付随的なものと考え、主たるものと考えたくはない。

なんだかネガティブなトーンで書いてしまったが、自分は「社費留学生にとって、転職しないのであればMBAに価値などない」と言いたいわけでは全くない。むしろ大いにあると思っている。あると思うのだが、それをバシっと人に説明できないもどかしさが少し苦々しいのだ。また、その価値がオルタナティブと比較してどうなのかという問いに答えられるほどに頭を整理できてないなぁ、ということも今なんとなく考えている。