■リスク要因
主要なものはサマリーに出ていたので、目についたところだけ適当に。
・広告依存:直近3年の売上高に占める広告売上のシェアは98%→95%→85%とのこと
・競合:Mixiが入っててよかったですね(棒読み
・Zynga依存:直近において、売上の12%はZynga由来とのこと。そんなに皆FB上でゲームやってるのかしら?
・制限株転換時の税金:従業員が保有する制限株(RSU)、制限なしの普通株に転換する段階で、含み益が課税されてしまうそう。その税負担(税率45%)は、FB社が源泉徴収の形で支払う予定とのことで、FB社にとっては結構なキャッシュアウトが見込まれている。それまでに株式売出で資金を確保するとのことだが、実際のところどうやって調達することになるか等は不確実であるとのこと。
・自前でデータセンターを持つリスク:自前にしたのは直近2011年からとのこと。意外と最近の話だ...
・組織拡大でしくじるリスク:割とベンチャー周りで聞く論点だが、ちゃんとカバーされている。
・買収でしくじるリスク:買収の目的がいろいろ列挙されているが、最初に挙がっているのが人材獲得であるのがちょっとだけ面白い。買収については、曰く、ちっこい買収はこれまで経験しているが、同規模あるいはそれ以上の会社を買収するという経験はないので云々とのこと。
・ロックアップ期間後に株式が一気に流通して値崩れするかもしれませんよとのこと。リスクではあるが、殆どストリー通りなので一応言っておくというレベルの話だろうか。従業員はともかく、経営者はシグナリング的に売りづらそうだが何か抑止策のようなものはあるのだろうか。
・IPOでの調達資金、使い道は不確実ですよとのこと...
・配当は当分しませんよ、ってこれはリスク要因なのか...?
・投資直後の希薄化:これもリスクっちゅうか確定した事実だと思うのだが、
例えば、既存株主が$1で株式を1株入手していたとして、仮にあなたが$100で株式を1株購入したとき、一株当たり株式の簿価は($1+$100)/2=$50.5と、$100が一瞬でそれ未満の金額になるけど驚かないでくださいねという話。あくまで簿価レベルでの話なので実質的にはたいした話ではない。
■ Special note regarding Forward-looking Statements
(うまい訳が出てこなかった...)目論見書なので色々と将来について予想のようなことを書いているけど、盲信しないでねという断り。
■ ユーザー計数について
月間アクティブユーザー数(MAU)と日次アクティブユーザー数(DAU)が主要な指標だが、ちょっとだけ留意が必要とのこと。具体的には
・複数アカウントを持っている奴がいるかもしれない
・携帯電話の技術的仕様により、使ってないのにアクティブであるとカウントされてしまっている奴がいるかも
・IPアドレスで位置情報等を集計しているが、信憑性は完ぺきではない
とのこと。まあ何よりかにより、自社発表値ってところで激しく眉唾しないといかんように思うが。
■ IPO調達資金の使い道
・主目的はClass A株に流通性をもたせることであり、それにより
(1) 将来の買収等のための機動的なエクイティファイナンスの道筋を立てること
(2) 既存株主の秩序だった保有株売却
あたりとのこと。
・運転資金やら一般事業資金として使おうと思っているが、とりたてて明確な使途があるわけではないとのこと...
・一応、(1)制限株転換時の源泉徴収 (2)将来ありうべし買収 は言及されている。
・とりあえずは金融商品でも勝っておく予定とのこと...俗にいう「投資家が自分でやるからいいよ」ってやつだな...
・なんだかなぁと思い他社(LinkedIn、Zynga)のS-1を併せて見てみたが、使い道の頁の記述は殆ど同じであった。事業資金、買収するかも、特段まだ決まってません云々。てことは、S-1には概ねそんな感じで書いておくと言うことなのだろう、実際のところ金の使い道が固まっているかいないかはさておき。
■ 配当
当分しません。以上(キリッ
まあそうですねって感じ。前例たるLNKDあたりのをコピペしてても驚かないレベルで文言がそっくり。
○ 今日眺めたあたりは、機械的に公的文書用のプロトコルに則っただけといった感じで、行間の裏からにじみ出るようなジューシーな情報のようなものはとりたてて見つけることができなかったような。