Wednesday, February 8, 2012

てか戦略論って何だったっけ

もうすぐ最終学期である春学期。授業のリストも発表されて、いよいよ、最後の学期をどう過ごそうかというところ。毎回この時期になると「何を履修しようかな」と悶々とすることになる。不動産、アントレ、ファイナンス、ソフトスキル、あるいはヘルスケアとかマイクロファイナンスなど。卒業のためには1つ取ればいいのだが、まあ2つか3つは取っておきたいなというところで、それらの授業がどのようなものかシラバスを見てみたり、自分がもうちょっと勉強したいものは何か考えるために過去の授業のノートをさっと読み返したりしている。

そんな中で、戦略論のノートを読み返したら、度忘れしていたこともありなんだか面白かったので大きなところだけ書き起こしてみる。正直なところ、戦略論を履修し終えた現在においても、結局のところ戦略ってなんじゃらほいというクエスチョンマークが消えていないので、頭の整理のため。

■ 戦略論
1. 現状把握:業界分析、市場分析
2. 競争力のチェック:競争優位の分析、競争優位の維持、競争環境(ゲームのルール)を変える
3. 企業間の関わり合い:強者との戦い方、参入・競争激化の抑止、消耗戦が起きるとき及び対象方法、オークション理論、ゲーム理論、水平統合、垂直統合、多角化

→まず状況を把握して、その後自己を相対的に理解して、最終的に色々な形で競合等と関わっていく(含・関わらないという関わり方)。大まかにいえばこれが戦略論の概要ということになるのだろうか。

→その上で、業界分析の引き出しを増やしたり、水平統合のときのコツのようなものを自分の中に蓄積していったりという感じになるのだろうか。そう考えると、戦略コンサルにならずとも、顧客企業をもつ金融マンやベンチャーの経営者とかでも使いやすい気がしてきた。

1. 現状把握

1a 業界分析
・ポーターの5 Forceのフレームワークが便利。
・各要素が変化することで、顧客のWTP、自分のコスト、自分の販売価格がどう変化するか見る。

1b 市場分析
・需要曲線、供給曲線がどうかという観点で見てみる

2. 競争力

2a. 競争優位
・ベネフィット面:我々の商品はハイクオリティーか?ハイクオリティーである意味は本当にあるのか?顧客は高価格を受け入れてくれるか?いい顧客を押さえることができているか?
・コスト面:平均費用はどうか?投入コスト、生産性それぞれについてどうか?

2b. 競争優位の維持・・・しかもなるたけ長い間
・自分が更なる高みに行くか、ライバルを足止めするか。
・補完性:AもBもやることで、AだけやってるやつやBだけやってる奴よりメリットが出せないか
・学習曲線:ライバルに先んじてラーニングカーブを進んでおくことはできないか
・ブランドや特許も有効
・アウトソーシングは極めて短期的な施策であり、長期的優位にはつながらない。

3. 企業間の関わり合い

3a. 強者との戦い方
・ガチンコ勝負は避けよ。低価格戦略を取るなら絶対的なコスト構造の差を実現できるときだけ
・強者は強者で、彼らの既存の立ち位置から動きづらいところがあるので(どう考えてもウェブに移行した方が良いに決まっているが、販売担当者を大量に抱えてしまっているためスムーズにウェブ販売に移行できないとか)、うまく立ち回れば戦える

3b. 参入、競争の抑止
・マーケットが競争的であれば、参入は減る。レッドオーシャンもそういう意味では悪いばかりではない
・参入障壁の設置:特許、学習曲線、広告、「参入者とは断固戦う」というファイターとしての評判を形成するとか。

3c. 消耗戦
・自然独占が起きるビジネスなら、消耗戦を覚悟せよ
・とにかくシェアを急いで取ってしまう。スイッチングコスト(退会費用等)をつけて顧客流出を抑止。できれば事前に抑止する。相手が撤退しやすいような状況作り。最後までガチンコ勝負するという評判形成。

3d. オークション、ゲーム理論
・メカニズムを理解しておく。基本は「自分がこう動いたら、相手はどう動くか。それでは自分はどう動くか」という対応の仕方。

3e. 水平統合、垂直統合、多角化
・シナジーはある:統合すれば本部機能を統廃合できる・企業間の情報非対称性を統合すれば除去できる・競合を減らすことで業界構造が改善する・関係者のインセンティブを統一することができる、全部自分でやることで品質やコストが改善しうる・マージンの2度取りを回避することで競争力を高めることができる、等々。
・NGな理由は避ける:経営者の自己満足とか、リスク分散とか