Friday, February 24, 2012

Myths and Realities in MBA

アメリカのブログ記事でありがちな記事のスタイルに、「○○なこと6つ」みたいなものがある。例えば「アントレプレナーが気にすべきこと5つ」とか「シリコンバレーのここを押さえておけ8つ」みたいな。なんとなくそのスタイルに倣い、今更&ベタではあるが、MBAに対して主に日本人が抱きがちな妄想と、それに関する現実のようなところを拾ってみようかと思う。

1. MBAに来ると英語ペラペラになる

ダウト。上達あるいは場馴れはするが、少なくともカタカナ英語が滑らかになることは殆どなさそう。カタカナをカタカナなりに速く喋れるようになる程度か。ただし、しゃべりの機会は他の留学先(エンジニアリング、パブリック、ロー等)と比べると多いようで、留学生コミュニティ内では内弁慶することはできるのかな、という印象。

他方、読み書きについては手前味噌ながらかなり成長している感じ。これは素直に宿題等が馬鹿みたいに多かったおかげであろう。

2. MBAに来るとロケットサイエンティストになれる

ダウト。知識それ自体だけでビジネスエリアで差別化を図りたいのであれば、どこぞのPhDにいくか、金融工学とかマーケティングのピンポイントの修士が適切であろう。MBAはいわば「喋りやスケジュール管理も含めた総力戦」といった感じで、全体的に実力の底上げ感は得られるが、「ファイナンスの鬼」とかには多分なれないような。

3. MBAに来ることで自分の欠点が抜本的に改善される

怪しい。自分自身いろいろと問題を抱えていて、MBAをきっかけに改善されるよう努力を試みたりもしているが、お釈迦様の掌を飛び回る孫悟空気分こそ味わえるが、欠点を克服して生まれ変われるかというとちょっとそこまでではなさそう。人によっては、この短所改善を最優先して2年間ひたすらに取りくめば改善するのかもしれない。

他方、短所を客観的に見つめ、その短所とどう折り合いをつけていくか・・・という態度を身に着けることであれば、わりとできる気がする。日々バタバタするので自分の短所が何かけっこう露呈して、否が応でもそれと向き合っていく必要に迫られるので。

4. MBAの学生は皆すごい

見る角度にもよるが、結構みな等身大な気がする。中にはウンか国語喋れて起業経験があって。。みたいなすごいやつもいるが、殆どの人は似たり寄ったりの悩める若者といった感じ。また、ある側面においては普通の社会人より劣る部分もあり、例えば約束を守るとか、遅刻しないとか、色々なところがオロソカになっている学生は多い(忙殺されるあまり、また上司がおらず首にならないから、というあたりが原因か)。なので、2年間、「あ、意外と皆似たようなものだ」という安堵もできる(もちろん、結構な回数、日本では味わわないような劣等感を感じたりもするのだが)

5. MBAは忙しくて死ねる

解釈次第だと思う。たとえば「毎週金曜日も休みであり、授業は学期で4つ」とだけ聞けば、仕事と比べて楽勝じゃないかと言うこともできると思う。仕事のようなプレッシャーも少ないし。

ただ、いくつか多忙な雰囲気を出してくれる要素があって、グループ課題とそのためのミーティング(と揉め事)、無尽蔵にある各種イベント、英語なので日本語の1.3倍くらいかかる所要時間・・・など。なので、結局のところ週末も空き時間は基本的に何か読んだり書いたりすることになり、心の余裕はそれほどない。

なので、たとえばMBA留学していない人に対して、自分から「俺はマジ忙しかった」と威張るのはためらわれるのだが、他のMBA学生を「あいつら結局のところ暇なんだよ」と馬鹿にすることはちょっとできない。

あと、物事に優先順位を付け、劣後的なものをバッサバッサと切る癖がつく(ついてしまう)人が多く、うっかり優先順位を低く見られてしまうと返事も貰えなくなったりとか。


また何か思いつけば書くが、とりあえず5つほど。。