Valuationの授業のおさらい。色々論点があってややこしいので、ブログにメモ
○お題:ディズニー、ノースロップ、オキシデンタル石油のいずれかについて(1)回帰分析(2)Comparableでベータを計算せよ
(1)回帰分析
・以前の必修のファイナンスでは
Rx-Rf = b(Rm-Rf) <回帰モデルの切片はゼロとする>
で回帰するように教わっていた一方で、今回は
Rx = a + bRm
で回帰するよう教わった。確かにリスクフリーレートを持ってくるのもめんどくさい(何年物のリスクフリーレートを取るかという判断を加えざるを得ない)ので今回のやり方の方がお手軽ではあるが、論理的にやや綺麗さを欠くような気も。
・データは週次を推奨されたのでそれに従う。が、配当調整済み株価を引っ張ってくるのも大変と言えば大変。うっかり配当調整前株価でやるとやっぱりずれるのかな。データ取得期間はなんとなく52週間としたが、それも恣意的で特にうまい説明が思いつかない。
(2) 比較分析法
・最大の難所は比較相手の選定。そもそもアメリカ企業に詳しくないのでこの会社の事業内容もよくわかっていないし、ましてやそれぞれのセグメントにおける比較対象たりうる企業なんてすぐには浮かばない。以前どこぞで読んだリーディングでも、この選定が新人とベテランを分けるものという記述があったような。
・比較相手のベータをどうやって見つけるか、あるいは作るか。この時点で厄介。結局(1)すなわち回帰を比較対象についてもやってやることになる。分析対象の企業の主要事業が4つあったとしてそれぞれのセグメントについて3つから4つくらい競合他社のデータを引っ張ったとしても、先ほどの回帰分析を12回以上やる必要が出てくる。いちいちExcelの分析ツールなんてやってたら日が暮れてしまいそうなので、LINEST関数を使うことにする。
・アンレバリング・リレバリングが必要になるが、どうも毎回うっかり簿価で計算してしまいそうになるがちゃんと時価を使わないといけない。ところで「負債は簿価を時価とみなす」という考え方と「負債ベータは1とする」という考え方は同じことを言っていると考えてしまってよいのかしら。リレバリングするときのレバレッジを直近値ではなく予測値にしなくてはならないのも、理屈としては納得できるが計算するうえでは気持ち悪い。
・各セグメントについて、複数比較対象企業のベータを作って、単純平均を取った。で、最後にベータ(セグメント1)とベータ(セグメント2)と…をがっちゃんこする必要がある。加重平均を取る必要が出てくるが、セグメント毎の時価総額が理想だがそんな数字は公表資料には載っていない。馬鹿丁寧にセグメント毎の価値を算出すればよいのかもしれないが、それもアレなので簡便的に売上高とかEBITとかで代用することとする。