Monday, April 30, 2012
ベイエリア遠征
■ 1日目
・午前中のクラスを集中できないながらも聴きつつ、終わり次第いざ出発。
・という予定であったが、出発してすぐ、結婚式のためのスーツを車に積んでいないことが発覚してとんぼ帰りするとか。
・しかも、結果的には、スーツ用の時計とベルトを忘れてしまう間抜け。
・夕方にSF市内に着いて、その足で中華街にあるRG Loungeでカニをやっつける。美味しくて会話どころではなく、気が付いたら食べ終わっていた。
・入った駐車場が、入り口が1階で、出口が4階とか。坂の街サンフランシスコならではの不思議な感じ。
■ 2日目
・朝一でUCバークレー初訪問。時計台に登るなどベタに観光。雰囲気はUCLAそっくりだと思った。
・昼はUCバークレーにいる友人家族とランチ。卒業後の話とか、互いの子供の話に花を咲かせて。会うのは一年ぶりだったので、子供の成長ぶりにびっくり。
・午後はSF市内観光。歩行者がうじゃうじゃいるところを運転するって、よく考えたらLAではありえないシチュエーションで、運転していてヘトヘト。しかも一方通行が多いし
・夜にはツイッターで教わったシーフードの店へ。時価の貝・エビ盛り合わせ等をやっつける。
■ 3日目
・一路スタンフォードへ向かい、結婚式に参加。
・友人の結婚式に参加できて、しかもそれがアメリカなので、とても楽しかった&感動。
・式のあとのレセプションも大盛り上がり。結果、ハッスルした娘にやられ、まさかのコンタクトレンズ紛失。
・その後夕方から二次会で、SFの日本人若者コミュニティのようなものの一端を体験。色々な意味で自分のいるLAとは違う感じで、色々刺激をもらう。
■ 4日目
・ソノマへ北上
・いくつかワイナリを攻略したのち、とんでもない山道を抜けてナパへ(近道かと思ったが。。)
・一日中食って飲んで。しかも宿で無料ワインまで出てきて泥酔
・夜には学校のネゴシエーション課題の実習。スカイプで同級生とネゴに花を咲かせる。現時点での感触は「会心の出来」なのだが実際は果たしてどうか。。
・妻子が早く寝たので、ワイン飲みながら色々考え事。気付いたら寝てた。
■ 5日目
・ひたすら南下、帰宅
・道中にあるHarris Ranchにて美味いステーキを平らげる。諸々の事情で娘は肉おあずけ。
・片方紛失したコンタクトレンズ、もう一方が入ったケースを宿に置き去りにしたことに事後的に気付く。ひどい。。
Sunday, April 29, 2012
Project week 4 - 峠は越えた、かもしれないけどさぁ。。
・結局、Week3のうちに作業したのは自分だけだったので、自分がやったドラフトにインド人君が加筆するような感じになったのだが、彼の作業したのを見たらフォントとか行間とか、細かい体裁が全部一新されていた。小人物なので軽くいらっと。てか、自分が作った大見出し-中見出し-小見出し みたいな構成が完全に壊されていたのは結構がっくり。
・当初の構想では、お互いが自分のパートをやって、それから初めて重複部分の削除とか体裁の統一といった「すりあわせ」をやるものだと考えていた。しかし実際には、自分がやって、その後彼が自分の作業を見てから彼が勝手に体裁や構成を変えてしまっている。彼がまるで上司であるかのごとく、後だしジャンケンで自分の作業を彼の好きなように書き換えるのは結構腹が立った。これって全然フェアじゃないじゃないかと。そりゃ自分だってフォントなんてなんだっていいけど、そういう全体のイシューを彼が独断で変えるのはちょっと苛立った。
・ということで、不満点は適宜伝えつつ、彼が勝手に改変したものを再改編して、教授に第一稿として提出。彼女の返事を待ち次第、取材相手に見せたりという次のステップに進みたいと思う。
色々不満はあるが、とはいえずっと一緒に仕事をしているので、なんとなくこのインド人君も憎めない存在になりつつある。親友にまではならないと思うが、戦友としてそれなりに敬意や親近感は相互に抱くことはできた気がする。
Saturday, April 28, 2012
ネゴシエーション(6) 反省メモ1
1. 土地買収交渉
(ルール)
・買い手である自分は、22番地の土地を80フラン/㎡で購入した
・隣の21番地は中途半端な広さで、21番地単体で住宅建築は法律上できない。農業用に使うか、あるいは22番地の所有者である自分に売るかしかない状況。
・自分としては、せっかくなので21番地を購入して、でっかい家を建てたい
(事前分析)
・まずは自分のBATNAを検討。21番地が住宅建築できないイケてない立地である以上、22番地の取引価格である80FF/㎡を超えることはありえないはずと考え、BATNAを80FF/㎡と設定。
・次に相手のBATNAを予想。「きっと、農業用に買いたい」というオファーが出ていて、その人のオファー価格がBATNAであるのだろうと推測。その推定オファー価格を30FF/㎡と予想。
・そうすると、交渉は、30FF/㎡と80FF/㎡の間のどこか一点を選ぶという話に集約される。公平性の観点から見て、その中間点である55FF/㎡が落としどころであると考えつつ、「まずは30FF/㎡あたりからオファーして、徐々に妥協していこう」という作戦をもって臨んだ。
(いざ実戦)
・ということでまず30FF/㎡を提案。
・もうちょっとだけ上がらないかと言われたので、なんとなく「じゃあ40FFで最終ビッドだ、それ以上は譲れん」と無駄に強気に出てみたところ、相手もあっさりOKが出て交渉終了。
・終わった後聞いてみたら、ほんとに農業用として別途オファーが出ていたが、そのオファー価格は15FF/㎡であった。すなわち、落としどころは15FF/㎡と90FF/㎡の中間、52.5FF/㎡であったので、合意価格の40FF/㎡は悪くない。
・相手に聞いてみたら、相手の友人は、「農業用のオファーである15FFを超えていればそれでオッケーだと思っていた」とのことで、ぶっちゃけ自分が最初に出した30FFでも満足していたとのこと。すなわち彼は、BATNAのことを「最低限のポイント」ではなく「ここを超えていれば文句なし」と言う感じに勘違いしていたということだ。
(結果)
・クラス平均は75FF/㎡。なので、自分の40FFという購入価格は平均以上で、わりといいスコアとなった
(毎回平均±σいくつと言う形でスコアが出る)
・てか、なんで、買い手のBATNA周辺までクラス平均価格が行ってしまったのだろう。なんだか知らんけどラッキー
・自分の30という最初の提示額がアンカリング効果を発揮したということになろうか。相手はルールを周知してれば80とか逆提示することもできたはずだった。
2. 保険金示談
(ルール)
・自分は工場での事故被害者の元下請け従業員。一回裁判を起こしたがうまくいかなかったので、そのときの弁護士を訴えている。
・裁判すると、一定の確率で相手の過失が認められて、その場合にだけ賠償金をもらうことができる。また、その賠償金もいくつかのケースによって貰える金額が変化する。
・そういった裁判をするか、代わりに示談でいくらかの金銭をもらうかという状況で、先方と示談。
(事前準備)
・Decision Treeを作れとのことなので、「陪審員が自分に好意的な場合」とか「相手に過失が認められた場合」とか色々な要素を一つのツリーにまとめた
・その上で、各種パラメータを適当に置き、裁判したらもらえるだろう金額について大雑把に相場観を形成
・計算の結果、最高1,000、最悪300くらいの利得が予想されたので、「とりあえず1,200という要求で始めることでアンカリング効果を狙いつつ、最終的には600くらいを落としどころとしたい」というイメージで臨んだ。
(いざ実戦)
・まず両者にて、お互いのDecision Treeに致命的な欠陥がないか、おおむね同じものを見て交渉しているか確認。
・その後自分から1,200を提示したら、なんと相手がそれを聞きつつも無視して「私からは120を提示する」とやられた。アンカリング効果を狙ったが、これはいいカウンターだ。 うまくいけば1,200近辺での交渉に論点を限定できた(アンカリング)が、うまくいかず。
・その後は、お互い「裁判したときの賠償金」が仮定しだいで大きくぶれることを知っている、すなわち正解なんてないということを知っているので、単純に数字の言い合いになった。1,200→120→1,000→300→・・・。
・で、なんとなく590で決着。
(結果)
・クラス平均は650だったので、自分が得た賠償金590は平均からわずかにマイナス。
・振り返ると、我々の交渉で鍵となったのは、最初に適当に提示したオファー額と、そこからの妥協の刻み幅くらいのもので、賠償金の真の価値とかは完全に論点の外であった。
・企業買収の交渉なども、下手するとこうなってしまいそうだなぁと思う。企業価値など仮定や前提次第でなんとでも変わるから、結局は企業の真の価値を両者で探り出すというより、お互いがエイヤーで言ったイニシャルオファーの間のどこか程よいポイントを模索するという感じ。
Wednesday, April 25, 2012
ネゴシエーション(5) BATNA
相手:販売価格は100万円。それ以上は下げられない。
自分:じゃあいいよ、他社が90万円で売るって言ってくれているから、他社から買うよ
という、自分の「じゃあいいやオプション」以下がBATNA。
交渉におけるBATNAの使い方のポイントは以下のようなところ:
1:交渉結果はBATNAより悪くなりようがない。BATNAよりマシでないのであれば、「じゃあいいよ」と交渉をやめてしまえばいいのだから。上の例で言えば、自分が(ブラフではなく本当に)90万円で売ってくれる相手を既に見つけているのであれば、いまの交渉相手から90万円より1円より高い値段で同じものを買う必要性はまったくない。売り手が90万円以上の値段しか言ってこないのであれば、買い手である自分は「じゃあいいよ」と言って交渉をやめてしまえばいい。
2:なので、より良いBATNAを見つけておくことこそが、交渉を有利に進めることの鍵。
目の前の交渉相手のほかに90万円でものを売ってくれる人がいる状況と、目の前の交渉相手以外にはそのモノを売ってくれる人が見つかっていない状況では、交渉の有利さは全然異なってくる。90万円で売ってくれる人がみつかっているのであれば交渉結果は90万円より悪くなりえない(悪くなるなら帰ればいい)が、後者のような状況では「じゃあいいよ」と言えないので交渉が厳しくなる。
3:お互いにBATNAがあるので、交渉の落としどころは2つのBATNAの間のどこかになる。
買い手である自分にとってのBATNAが90万円で、売り手である相手のBATNAが70万円であるとき、結局のところ交渉は「70万円と90万円の間のどこを落としどころとするか」に集約される。ちなみに、この70万円と90万円の間の領域のことをZOPA(Zone of possible agreement)という。なので、ひとつの落としどころはZOPA幅20万円を両者で折半するような、すなわち80万円を落としどころとするような感じ。すなわち、予想される落としどころは、自分のBATNAと相手のBATNAの中間地点になることが多い。
ちなみに、これに関連して行われたネゴシエーション実習では、自分の相手が
「BATNAよりちょっとでも上ならいいってことだよね」と勘違いしていたようで、自分が相手のBATNAよりちょっと高い金額で買うとオファーしたら簡単にOKが出てしまった。自分としては、自分のBATNAが80で相手の予想BATNAが20であったので、落としどころは中間の50あたりを想定していたのだが、結局50よりずいぶん低い自分の最初のオファーを相手が飲んでくれてしまったので、クラス平均と比較してもかなりいい成績を貰うことができてしまった。
Sunday, April 22, 2012
持家vs賃貸
ただし、よく日本で行われているような「一般論として持家か賃貸かどちらが得か?」という話ではない。取り扱ったのはマサチューセッツ州の郊外の住宅地の物件で、
・いま賃貸で住んでいるX通り12番地の家が、来月から家賃が大幅増となってしまった($3,000→$3,600)
・ふと隣の家を見ると、なんと似たような家である14番地の家が$600,000で売りに出ている
・もしかして、$3,600払って賃貸し続けるより、いっそ$600,000払って買っちゃった方が得なのではないか?検討してみようか
という一般的というよりは個別具体的なケース。で、各種条件(ローン金利、ローン期間、保険料等)が細かくケース内に指定されているので、学生のタスクは(1) 所与のデータをもとにちゃんとモデルを作って、(2) それをもとに合理的な判断を下す、と言う課題であった。
で、モデルはすごく大雑把に言うと下記のような感じになる。(1)賃貸モデルと(2)持家モデルの総コスト、あるいはNPVを比較して、コストが小さい方を選ぶのが望ましい...という感じ。
比較の際に重要となるのは、何年間住む計画であるかということ。ここの前提の置き方で、結論も大きく変わってくることが多い。
(1) 賃貸モデル
・借りるだけなので、それ以外の費用は基本的になし。
・インフレ率あるいは予想される家賃上昇率を用いて、将来の家賃はちゃんと値上げして考えること
($3,600→$3,600→$3,600...ではなく、$3,600→$3,650→$3,700...みたいな感じで)
・なので、全体的なイメージは
▼ 初期費用・撤退費用・・・ゼロ
▼ 年間の基本的な支出・・・家賃×12($3,600×12=$43,200)
となる。
(2) 持家モデル
・こちらは(i) どのくらい頭金を払いどのくらいモーゲージ(住宅ローン)を組むか、(ii) モーゲージの契約をどのようなものにするか、(iii) 処分時の処分価格はいくらになるだろうか、など多くの要素が影響するよりややこしいモデルとなる。ちゃんと作るならエクセルでやるのだが、ここではその概要を書いてみると、
▼ 初期費用・・・頭金+取得手数料(物件価格の●%)+固定資産税(物件の◎%)
▼ 処分時・・・・ローン残高(退去時に完済するという前提)+販売にあたっての不動産業者への仲介手数料+処分価格-処分価格。処分価格よりもローン残高の方が大きいなんて事態になると結構大変なことになる。
▼ 年間支出・・・税務上、控除できるものとそうでないものに分けられて、
(控除可能):ローン利息、固定資産税・・・これらは税率(35%とか)の分が還付される(Credit)。
(控除不可能):ローン元本、保険料、修繕費。ただしこれはアメリカの事例なので日本では税務ルールが異なることもある。
一般的な指標として使われるのがPITI (Principal, Interest, Taxes, and Insurance). 修繕費は日常的に発生するというよりはその時々発生する一時的なものなので除外して、それ以外の毎月一定額支払うことになる支出の総称。教授によれば、PITIは月収の28%程度に収まることが望ましいとのこと。
(3) 両者の比較
ここでは簡便化をはかりNPVではなく単純に合計金額について考えてみる。
最終的には、それぞれについてコスト総額を計算してそれを比較するのだが、そのコストは①取得時コスト+②年間定期的に発生するコスト+③処分時のコストに分けられる。
①取得時コスト、③処分時コスト
賃貸については、この両者は完全にゼロとなる。
他方、持ち家の場合は、モーゲージ組成手数料、住宅購入時の各種手続き費用、住宅処分時の仲介手数料といった手数料が発生する上、住宅の取得時と処分時の価値の差異分がコストとして発生する。$600,000で買った家が$500,000になれば、処分時に$100,000のキャピタルロスが発生するということ。
持家が値上がりする可能性も(特にアメリカでは)存在するが、手数料については確実にマイナス。
②定期的に発生するコスト
これは、家賃とPITIを比較することになる。
なので、①+③と②をそれぞれ見てあげることで、持ち家か賃貸いずれがお得か判断できるという感じ。
<好況のUSでありがちなパターン>
・好況だと、処分時に住宅が買値以上の価格で売れる。すなわち、①+③がゼロ、あるいは下手するとプラス(コストではなく収入)になる
・で、家賃とPITIを比較すると、だいたい同じくらいか、あるいは家賃の方が高い
・なので、①+③についても②についても、持ち家の方が賢明な選択肢だったりする
<今の日本でありがちなパターン>
・日本の場合だと、得てして家賃よりPITIが安く、「こんな高い家賃払うくらいなら、同じ金額の住宅ローンを払って自分の城を持った方がいいじゃないか...」という主張が非常に強く跋扈している。たとえば、家賃は年間350万円だが、PITIは年間300万円しかかからないという感じになりやすい。ひとつの原因は住宅ローンの金利の低さ。
・が、①+③について、処分価格が購入価格と比べて大きく低下することが多いので、仮に②が持家の方が有利だとしても、結局ここで大きく差がついて賃貸が有利となることが多い。持家にしたら②について年間50万円ほど持家の方がトクだが、①+③で1,000万円賃貸の方が得...みたいな事態が多い
・30年くらいの長期間住む前提で考えれば、持ち家が少なからずメリットが出てくる。上記の例でいえば、年間50万円の得×30>1,000万円。逆に、10年くらいで住み替える前提ならば、50万円×10年<1,000万円と、持ち家がむしろデメリットとなる。資産価値の低下が見込まれる日本では、長期間住む覚悟があるなら持家にも理はあるが、短期間で住み替えるなら賃貸の方が有利なことが多い。
長くなったが、検討のための基本的な考え方を習得できたのは、MBAレベルでの学びかどうかは怪しいが、個人的には大変参考になり刺激を受けている。
Project week 3 - 概ね予想通りの摩擦とか
● で、インド人君の動きが予想通り悪い。彼と自分で合意したロジスティックスが、いい感じで後ろへ後ろへ倒れつつある。
「とりあえず作業して、お互い75%程度のドラフト用意して、Week3の木曜日に打ち合わせしよう」と合意していたのがWeek2の末。で、自分は9割の出来のドラフトをDropboxの共有フォルダに保存した上でミーティングを待っていた。
しかし、木曜のミーティングがドタキャンされ、金曜も流れ、土曜は自分の都合が悪くて...といった感じ。結局Week4の月曜に電話で話したのだが、彼の論法がまたアレで困ってしまった。
彼曰く、「お前のドラフトを見たが、ココとソコとアレがイマイチで修正すべきである」とのこと。やれ表現が固いとか、脚注の使い方がどうのこうのとか、その情報はケースから敢えて外すことで教育的効果を出そうとか云々。彼が散々まくし立ててそれで電話を切りそうだったが、「いや、てか、お前の進捗はどうなのよ。まだ内容議論する段階じゃないだろ」と問い詰めたら黙ってしまった。
その後彼が回りくどく説明したところによれば、要は彼自身はまだ何もやっていなくて、おそらくその怠慢をごまかす目的もあって自分の作業にケチをつけることにしたようだ。結局「細かい議論をするのは、お前が作業をしてからだ。とにかく早く作業しろ」と自分がいって、彼が「Week4の木曜までにはやるよ」と言明してくれたものの、さてどうなることか。
● この腐れインド人とのやり取りでいつも思うのは、自分の交渉力の弱さ。今回は多少やり返した感覚があるが、こいつにインド訛り早口英語でまくしたてられると、何を言っているかわからなくてもついイエスと言ってしまったり、あまり納得のいっていないことも「もういいや」と思って妥協してしまったり。相手の言い分を完全に理解した上で妥協するならまだしも、何を言っているかわからなくて早くこの場を収めたくて妥協したくなる自分の心は相当弱いなぁと危機感を覚える。留学すると「いちいち100%の理解を追求せず、ときには不十分なまま流す力」が割と重要だが、逆に何でもかんでも適当に流してしまうのも考え物なので、とりあえず、このインド人とのやり取りを通じ、「無駄に妥協しすぎない」ということをちょっと意識するトレーニングでもしてみようかと思っている。
Saturday, April 21, 2012
ゴルフ先生
※てか、まじで、帰国後どこかのコンペあるいは同好会に入りたいなぁ
今月は同伴競技者のハンデが8, 9, 13とえらくハイレベルな組に入れられてしまいちょっとドキドキしながらのスタート。しかし、彼らが上手であったおかげで、自分まで緊張感を保ったままいいゴルフをすることができた。実際、ハンデ16の自分が、前半はグループ内で一番スコアが良かったり。。
ことゴルフに関しては、一人で気軽に回るのも楽しいし、ビギナーとリラックスして回るのも楽しいが、一番楽しいのはこういった「自分より上手い人と回る」ことかもしれない。一人で回っているときは、どうしても一打一打にそれほど集中できないが、先日のそのコンペでは「気が引き締まっていないとできないであろうGood Play」が何回も出た。
これは人間の一般的な傾向というよりは自分の個性に属する性質なのかもしれないが、自分より優れた人たちと何か一緒に行動をするときの「このままでは置いて行かれる」という危機感は、自分を動かすエンジンとしては最も優れたものの一つであるように思われる。敢えて一般化するなら、「成長したけりゃ、背伸びして『上目の人たち』と付き合うべき」ということなのかもしれない。
しかし、今のところの構想では、日本帰国後はゴルフ・麻雀という2つの「金がかかる趣味」を封印しようかと考えているのだが、これら2つは金はかかるが自分に色々なことを教えてくれる人生の教師でもある。目先の金に囚われてこんな貴重な教師をむざむざ切り離して、果たしていいのだろうか...
というゴルフ中毒者の禁断症状。
Thursday, April 19, 2012
猫
「これは今日のうち書いておきたい」というネタも特にないので、ここ最近「書こうかな」と思っていたネタを虫干し。
■ 猫
猫ひろしはそんなに悪いのか。というか、批判している人たちは一体どういう立場から批判しているのか。
完全な個人的見解だが、人を無邪気に批判してもまあ許されるのは、①上司 ②親友 ③家族 といったところで(上司は若干怪しいが)、それ以外の赤の他人が猫ひろしを批判したいのであれば、
・ 批判する内容(陸上、国籍等)について、彼よりも卓越した実績を有する
・ 批判する内容について、猫ひろしに万一反論されてもちゃんと真摯な議論ができるレベルで勉強している
・ 猫ひろしの行動の結果、本人が直接何かしら不利益を被っている(ただし「気分を害した」は除く)
あたりの資格を有している必要があるとけっこう真剣に考えている。
それに、いやほんとに、猫ひろしが本件実現のためにどれだけ努力したか知ってるのかお前らはとお聞きしたい。自分も知らないが(えっ)、おそらく、情報収集からその実行に至るまでのプロセスは平たんではなかっただろう。きっと、呑気に批判しているあなたより1万倍は努力していたと思うのだ。
一生懸命努力すれば許されるってもんじゃない?もちろん。努力すれば良いというものではない。結果がすべて?仰る通り。しかしこの点において、猫ひろし、結果出してるじゃん。結果を出したからカンボジア代表になったのだろう?ところであなたはどんな結果をあげたのだ?
気持ちはわかるが、猫ひろしより努力していないなら、あるいはマラソンカンボジア代表と同じくらいの素晴らしい結果を出していないのであれば、批判するエネルギーを他のことに向けた方がよほど生産的だと思うのだ。部屋でマスターベーションしてた方がまだあなたの人生にささやかな幸せをもたらすんじゃないかとさえ思う。
一般論レベルで議論すると、批判が何かしらポジティブなものを生み出せるシチュエーションは、正直なところ滅多にない。仕事における議論、学術会議、そのくらいのものだ。日常生活レベルでは、人の批判する暇あったらその分自分の努力しとく方がかなりの確率で生産的であると思う。てっきりこれは誰もが知ってるライフハックだとばかり思っていたが、猫の一件を見ると皆全然わかってないじゃないかと思って憤ってしまう。
著名ブロガーが政治や経済を批判しうるのは、彼らが批判できるだけの勉強や経験蓄積をちゃんとしているからだ。
大学教授が自分のライティングをぼろくそに批判できるのは、彼らが当該分野について徹底的に勉強してきたからだ。
ベンチャーキャピタリストがベンチャー企業のビジネスプランを酷評できるのは、彼らが当該業界でトラックレコードを出してきたから、身銭を切っているからである。
自分の妻が自分のあれこれに文句を言ってくるのは、妻がそれにより直接的な不利益を被るから、あるいは妻が真剣に自分のことを気にかけてくれているからである(たぶん)。
何もしてないあなたは、日本経済を批判する暇があればミクロ経済学でも勉強すればいいし、どこぞのベンチャー企業の失敗を笑う暇があれば自分で何かビジネス考えてみた方がよほどお互いのためになる。ビジネスプランが難しいなら、多分腕立て伏せとかでもいい。腕立てとかちゃんとやれば、終わる頃には猫ひろしに対するネガティブな感情など霧消しているんじゃないかしら。
自分自身は、批判をちゃんと受け入れることのできる人間でありたいと思っているし、批判してくれる友人や仕事相手に恵まれたいとさえ思っている(もしかしてマゾだったりして)。つまり、個人的には批判大歓迎である。でも、他人の批判は殆どの場合エネルギーの無駄なので、ツイッターとかに独り言形式でちょろちょろっと当たり障りないレベルで愚痴を書いたり家族に愚痴言ったりしたら、あとは忘れて勉強とかゴルフとかしたいと思っている。なので、ドヤ顔で言う資格もないのに他人に批判ぶっている人を見ると疲れてしまうのだ。
自分は猫ひろしを批判する立場にはなく、応援するかしないかだけがオプションとして与えられている「その他」カテゴリーの人に過ぎない。彼を批判している99%の人も同じ立場。気に入らないならスルーして仕事なり恋愛なりマスターベーションなり、自分のこと楽しめばいいじゃないか。もし少しでも共感できるなら、自分のように応援すれば、何かしらいい気分になって人生得した気分にさえなるのだ。無為な批判は結構。できれば聞きたくもないんだよな...
という長ったらしい批判(あれ、批判してるぞorz)
※ もちろん自分も多かれ少なかれ言行不一致で、少なからず無為に批判言っちゃったりもするのだけれど...嗚呼人間だものorz
Wednesday, April 18, 2012
ネゴシエーション (4) そもそもネゴらない方がいいことも
・あなたは35歳の女性で、10日後に35歳の男性と結婚式を挙げる予定である
・そんな中、相手の男性が突然、結婚後の財産について契約書を持ってきて、一方的にサインを求めてきた
・さて、あなたはどうする?
① 拒否して、結婚する
② 内容について相談・調整し、その後サインして結婚
③ 内容を全面的に受け入れて結婚
④ 結婚取りやめ
もちろん答えのない問題であり、すべては各個人の考え方次第。であるが、教授が「個人的見解」として提示したのは「②だけは駄目だ」というもの。聞くと、本件のような話は、そもそもネゴシエーションが馴染まない性質の話であるとのこと。ネゴシエーションすることそれ自体が不可避的に関係を悪化させてしまう可能性が高く、ネゴシエーションを回避する②以外の選択肢の方が結果的にベターである可能性が高いとのことであった。
勿論理論的な話ではないので盲従する必要はないのだが、まあわかる気がする話であった。そして、この話を聞いて思い出したのが以下の笑い話:
・妻 「私のどこが好き?」
・夫 「それについては3つある。まず第一に...」
・妻 「...」
共通点があるとすれば、ロジカルに振る舞う行為それ自体が相手の感情にネガティブな影響を及ぼしうるというところであろう。勉強とか仕事とかに没頭すればするほど陥りがちなこの罠、回避することができるとしたら「人間らしいオフをちゃんと満喫する」とかなのかしら。
Monday, April 16, 2012
What a rude...
前日にゴルフ版グルーポンみたいなサイトで1人でも予約できるスポットを探してさっと行ってきた。
当地では1人ゴルフ(=現地で知らない誰かと一緒にプレーする)は既に何十回とやっており慣れたつもりでいたが、この日はこれまでに見たこともないムカつく同伴者にあたってしまい非常に不愉快な思いをした。
そのオッチャンがとった主な態度:
・一球目がOBでもなんでもないのに勝手に打ち直ししまくる。自分や他の同伴者が、おっちゃんが一球目を打ち終わったのを見て動き出そうとしたら、「お前ら、俺が打ってるんだから動くな(Freeze!)」とかぬかす。
・ティーグラウンドで前の組を待っている間、その辺でアプローチするとかならまだしも、PWだかSWで一心不乱に特打ちを行う。そして進行が遅れたり。。
・パターしか持たずグリーン周りに来たら、バンカーにボールが入っていた。その状況で、他の同伴競技者に「おい、サンド貸して」とクラブを借りて、礼も言わずにその辺にポイ。同伴競技者は「買ったばかりのサンドウェッジだったのに」と愚痴。
・全員がグリーンに乗ったとき、一番近くにいてもピンを抜かないし、最初にホールアウトしてもピンを持たない。あまつさえ、自分はそのおっちゃんに文字通り顎で「ほら、ピンやれよ」と指示された。
その結果、まず他の同伴者が、その失礼な人が求めた握手を拒否した。自分もそれに追随する形で握手を拒否してしまった。こんなことまったく初めてである..最初に握手を拒否した気のいいアメリカ人は、その失礼だったアメリカ人に対して「You are too rude to shake hand with」と言ってくれたので、自分は「I think so too」と実に初心者チックな英語だけで不快感を表現することができてしまった。ラッキーなのか何なのか。
ああ腹立った。。ジェントルでないゴルファーは個人的にちょっと承服しがたい。
Project Week 2 - やっとすっきり
● 前学期の終盤に「論文ではなく、2つのケースを書く」と言う方向に急遽方向転換した我々。春休みの間ではケースの取材相手が結局1ケース分しか見つからず、「で、2つ目見つからなかったらどうするよ?」というリスクを抱えたまま1つ目のケースをどんどん進めてしまっていたのが先週まで。
しかし、ついに、スペイン人君がもう一つの取材相手を見つけてくれて、合意形成まで取り付けてくれた。これで「ケース取材相手が一人しか見つからず、結局あきらめて論文に再び切り替える」という最低のシナリオを無事に回避することができた。これから先は、見つかった2件の案件について、精一杯ケースを書くだけだ。
これで、アジェンダが企画の立案から遂行にシフトしたことになる。「あとは粛々とケース作成を遂行するだけ」という状況は、「何をやるのか固めないといかんが不確定要素が多過ぎる」という状況と比べると断然気楽である。そして、案の定、インド人君とかはもうプロジェクトが終わったような雰囲気になってしまっている..それを無視して粛々と分担とかスケジューリングとかを話すのが、この空気の読めない自分という構図..
●無事にやることが固まったので、チームを2つに分け、自分とインド人君が1つ目のケースを、メキシコ人君とスペイン人君がもう一つのケースを手掛けることになった。ちょっとだけ「自分があまり気を掛けずにいたら、2つ目のケースが全く進捗していないことが終盤に発覚するリスク」とかを懸念しているが、それはまあ日々小まめに進捗確認することでカバーするしかないか。。
● で、1つ目のケースは、無事に一回目のインタビューが終わり、実際の執筆作業が始まった。
先日書いたようにインド人君との合意形成やすりあわせは意図的にすっ飛ばしており、企画書・構成案等すべて当方で用意している。できあがったものを見せて「何かあったら何でも言ってくれ」と言ってはいて、多かれ少なかれ彼の意見も取り入れてはいるものの、必要なら黙殺したり反論したりも厭わず自分のペースでやらせてもらっている。
彼としてもそこまで勤勉なわけでもなく、急遽パーティが入ったり車が頻繁に故障したり(...)して相変わらずトロいので、自分のリードに文句も言わずついてきている。最近は少し負い目を感じ始めてくれたようで、たとえば1回目のインタビューの際はびっくりするほど周到に準備していて感心してしまった。
● ということで、いよいよ、ボトルネックが他の人々から「我々の作業スピード」に収斂しつつある。これだけ状況がすっきりしたのに、我々の筆が遅いから進まなかった...などということは回避したいので、ここは踏ん張って頑張りたいところ。
Friday, April 13, 2012
ネゴシエーション(3) プロスペクト理論
逃げ道が2つあって、それぞれの是非について、参謀に以下のように言われたとき、どちらを選ぶのがよいだろうか:
Q1: ルートAは100人確実に失うけど、ルートBは「半分の確率で1人も失わないが、半分の確率で200人失う」
(注:どちらの選択肢も、期待値は100人)
では、この言い方だとどうだろうか:
Q2: 100人確実に助かるルートAと、「半分の確率で生存者ゼロだが、半分の確率で200人全員生存する」ルートB
(注:Q1同様、期待値は両者共100人)
実験によると、Q1では多くの人がルートBすなわちギャンブルを選び、Q2では多くの人が100人を確実に生存させるルートAを選ぶとのこと。この傾向のことをプロスペクト理論と言う。損失に関するときは人はリスク愛好的になり、利益に関するときはリスク回避的になる。
これ、少なくとも自分には結構あてはまる。麻雀とかしても、ちょっと勝つと保守的になってしまい、負けが込むとついつい更にリスクを取った手をとってしまったり。
で、ネゴシエーション上の教訓は以下のようなもの:
・あなたが問題を「損失に関するもの」と定義するか「利益に関するもの」と定義するかにより、相手の反応を変えることができる。もし自分が参謀で、できれば指揮官にギャンブルしてもらいたいと思ったのであれば、「100人死ぬか、死者ゼロ人か200人か、どっち」という聞き方をすればよい。
・基準点をどこに置くか、恣意的に選ぶのが良い。上記の例で言えば、基準点を生存者か死者か。ここを適当にせず、欲しい反応に応じて調整するとよいということ。
現実の状況でも、リスクを取るか保守的に行くかどうしよう..という局面は少なくない。
あるいは、自分としてはリスクテイクしたいが、決定するのが自分ではなく自分の上司であり、その上司がリスクテイクに消極的である..ということは結構ある。そんなときに、赤ちょうちんで上司の愚痴を言う前に取りあえず一回だけでも、この理論にトライしてみてもいいのかもしれない。
「課長、ギャンブルすれば半分の確率で利益倍増でっせ」というのではなく、「課長、ここで保守的に行っても、年間予算の半分にも到達しませんぜ」みたいな言い方をする方がマシ、と言う感じかな。。おそらく、ここの「損失に関連付けた言い方」をうまく考えることが差のつけどころなのかもしれない。。
Wednesday, April 11, 2012
ネゴシエーション(2) サンクコスト・ゴールへの集中
経済学で最初の方に習うサンクコスト。
よくある例は、株で既に100万円負けてしまっているとき、新たに他の株を買うかどうかというもの。
こういう判断をするとき、既に負けている100万円にひきずられてしまうと「もう買うしかない」とか思ってしまいがちなのだが、セオリーでは「サンクコストの100万円は考慮せず、新たに買う株が良いのか悪いのか、そこだけ見て判断しよう」というもの。
つまり、経済学のセオリーとしては「サンクコストは無視せよ」というのが定石なのだが、経済+心理学と言ってよいネゴシエーションではややトリッキーなところがある。すなわち、「サンクコストを思い出させる」という心理学的なテクニックがありうる。
例:
Lowさんは、自力では車を50万円で売ることができるが、Highさんに頼めば、Highさんはその車を100万円で売ることができる。さて、LowさんはHighさんにいくらで車を譲るのがいいだろうか?
この例だと、Lowさんは、もしネゴシエーションをしなくても最低でも50万円は利益を得ることができるが、ネゴ次第ではそれ以上に利得を得ることができる(最高100万円)。他方、Highさんは、ネゴをしなければ一円も得られないが、ネゴ次第ではいくらか利益を得ることができる。
ある程度理詰めで考えると、
・Lowさんは、最低でも50万円は獲得できるはず。仮にHighさんが50万円以上要求してきたら、そのときは単に「じゃこの話はなかったことで」と交渉をやめてしまえばいいからだ。いわゆるBATNA。
・なので、論点は、「Highさんが売ることで生まれる追加的な50万円」だけとなるべきで、Lowさんが交渉せずとも得られる50万円はいわばサンクコストとして扱われるべきである。
・すなわち、Lowさんが最低限得られる50万円は議論の遡上に上げず、追加的に得られる合計金額である50万円についてのみ交渉がなされるはずである
・一例としては、この追加的利得50万円を半々に折半するのが公平であると言える。すなわち、Lowさんが50万円+25万円=75万円、Highさんが25万円。
しかし、教授がこの事例について学生等を使って検証したところ、半数の回答者は「Lowさんは75万円以下、Highさんは25万円以上」という結果となったという。すなわち、Lowさんが妥協することが多かったということ。
これは、Lowさんが50万円の「最悪でも稼げる利益」をサンク(考慮不要な金額)と判断しきれず、「自分は50万円利益があるしな...」と妥協してしまっていることを示唆する。逆に、Highさんの戦略として、Lowさんにとって50万円がサンクであると承知していたとしても「お前、最低でも50万円稼げるんだろ?俺は最悪ゼロよ」とLowさんの心理に訴える作戦がありうるということ。
教訓:
サンクコストは理論的には無視されるが、心理的にここを意識させる(無視させない)ことで、一方が得する場合がある(この例で言えばHighさんが25万円以上稼げるかもしれない)。頭でっかちに「サンクだから気にしちゃだめ」とか言わず、自分の利益になるなら一応突っついてみるのが良い。
○ ゴールへのフォーカス
交渉にあたっては、自分がその交渉で得たいものが一体何なのかよく理解する必要がある。そうすれば、本当に必要なものについては不用意に妥協することが減るし、不可欠でないものについてはあっさり妥協することも可能になるからだ。
例えば、とあるポカをしてしまった得意先のもとを訪問する状況。場合によっては先方が賠償請求をしてくるかもしれない緊張感のある状況。間違いなく怒鳴られるし、下手したら殴られるかもしれない。
こんなとき、まずあなたは「何がゴールか」を明確に意識して臨む必要がある。
・もし目的が「損害賠償を回避すること」なのであれば、多少怒られたりすることを厭ってはならない。
・もし目的が「怒られないこと」であるのなら、たとえば「損害賠償払うんで許してちょ」と言うことがありうる。
自分の短い社会人経験でも、「すげぇなぁ」という先輩は得てしてここができていた。絶対譲れない目的と妥協を厭わないそれ以外を区別して、それ以外の要素を妥協しつつきっちり主目的をはたす。逆に「イマイチ」な人は、たとえば対顧客も社内の書類仕事も残業をしないこともアレもコレも達成しようとして、結局どれもイマイチであるといった感じ。
結構、あきらめていいものを諦めるという決断力って、いまの日本社会では割と希少性がある気がするのだがどうだろうか。。
ネゴシエーション (1) 理論と実際
(なお、自分のような「受けようかやめようかどうしようかなぁ」と言う人が最初は少なからずいるので、いわゆる交渉の実習は3週目から。いまのところは、簡単なオークションやゲームを通じて色々学んでいるところ)
○ 理論値? So What?
この授業、35%が交渉実習、35%が統計クイズ実習、残りがその他(レポート、参加点等)で決まる。で、初回にはシンプルなオークションというクイズ実習があった。
Q. とある財(価値100ということを皆が知っている)について、1から100の整数のいずれかを入札せよ。参加者のうち最高値を入札した人が勝者でその財を受け取るので、取り分は
勝者:100-x
敗者:ゼロ
となる、というゲーム。ライバルが一人しかいないとき、あなたは何点ビッドしますか?
簡単なオークション理論のフレームワークに従うと、「合理的な理論値」は以下のように計算される:
・仮定:相手のビッドは確率分布で1から100までの一様分布と仮定する。
・このとき、自分がXにビッドしたとき、自分が勝つ確率はXパーセント。
・また、このときの自分の利得(Surplus)は100-X。
なので、利得の期待値はX(100-X)となる。
最大化問題の一階の必要条件は、左の式をXについて微分したものがゼロになることなので
100-2X=0という式が立ち、X=50が「最適値」となる。
このクイズ、自分は当初99とか100とか入れようとしたのだが、最終的にはこのフレームワークに従い50を入札した。
だが、これは結果的にかなりサイテーな戦略であると評価されてしまったのだ。
授業に出てわかったが、教授は、各生徒のスコア(素点)を大体で言うと以下のように計算していた:
素点(X)=(Xより小さい金額を入札している人数)x(100-X)
その上で、素点について分布を計算し、平均点の人はゼロ点、プラス1σの人は1点、マイナス1σの人はマイナス1点..という風に最終得点(z-score)が計算されていた。
自分の場合、50より小さい入札をした人が殆どいなかったため素点の最初の因数が殆どゼロとなってしまったようで、かなり低いzスコアを貰ってしまった。
あるいは、ゲーム理論に基づき99を入札した人(相手がXを出したらYを出し..という先手読みのようなことを繰り返した先にあるナッシュ均衡は99)もやはり駄目だった。99だとほぼ全員に勝つので一つ目の因数は大きくなるのだが、二つ目の因数が1と小さいので、「平均と比べてどうか」というzスコア方式においてはマイナスのグループに入っている。
つまり、オークション理論も、ゲーム理論も、理論値は実戦の場においてはイマイチであったのだ
(もちろん、教授がどうやって素点を採点するかヨクワカランという問題もあるのだが)。
で、勝者すなわちプラスのzスコアを貰った人は、75近辺の数字をビッドしていた人であった。教授によると、これは経験則レベルである程度はっきりと説明できるそうだ。すなわち、
・たとえば一様分布を前提としたオークション理論を使うと、理論値は50となる。
・しかし、ここで立ち止まらず、もう一回同じことをするとどうなるか。すなわち、皆が50以上出すことが自明なのだから、50から100の一様分布でもう一度同じ期待値最大化問題を解くとどうなるか。この解は75となる。
・人間の傾向として、この手の計算を1回でやめてしまう人が多い傾向があるので、「もう一回」同じ計算をやるだけで勝てる可能性が大きく高まる。この例では、50でやめずに75でストップすれば一番勝てる。
・他方、やり過ぎて極限値すなわち99まで行ってしまうとこれまた勝てない。理論はさておき、「1,2回だけ同じことをやる」という戦略が、えてして実戦では最適戦略となることが多い。
具体例が長くなってしまったが、自分の理解によれば、ポイントは以下の通り:
・この手のゲームやオークションでは、「相手がどんな戦略をとるであろうか」という読みが非常に大事。
・基本戦略は、「相手がとるであろう戦略を所与として、それに対する最適な対応」になる。たとえば、ジャンケンで相手がグーを出すと予想するのであれば最適戦略はパー。
・で、1回か2回だけ先の先を読んでやるのが経験則上いちばん勝てる。相手がグーを出すという仮定から始めると、そのときの自分はパー→それを相手が読むと相手はチョキを出す→であれば自分はグー、といった具合。この先読み回数がゼロだと得てして負けるし、「nが無限大のときの理論値」も得てして負ける。
先を読むけど、読み過ぎちゃだめ。なかなか難しい。。
Tuesday, April 10, 2012
ゴルフクラブ無間地獄
近所にあるロジャーダンというゴルフショップ、売りが「90日以内返品は100%リファンド。ただし、店内ポイントに限る」というもの。つまり、返品したその足で買い替える前提であれば、好き勝手に取り換えることができるというもの。
※昔は「3回まで」という注意書きがあったのだが、最近はその注意書きもなくなった。昔から「この店、どうやって『これが一連の買物における3回目の返品』とかトレースしてるんだろと不思議に思っていたのだが、おそらくトレースできていなかったのではないかと思料される。実際、自分も4回返品しちゃったことあったし。。
このシステムに乗せられて、この2年間で結構な数のクラブを買っては売り..とやってしまった。ドライバーは6本くらい、フェアウェイウッドも4本ほど、ユーティリティも3本くらい。アイアンセットも3セット、パターも4本。
でも、通算コストは、それぞれ1セット分なので...おい結構な金額じゃないか...
(でもまあ、日本から持ってきていたクラブが思いのほか高く売れたりしたのだけど)
いずれにせよ、この店(あるいはeBay)のおかげで、実に多くのクラブを試す機会に恵まれたので、少なからずクラブの良しあしを評価できるようになってきた(あくまで、自分にとっての、という注釈つきだが)。例えば、
・アイアンのバウンス。店の地面や堅い人工芝の上で「くるっ」とクローズ方向に回ってしまうアイアン、一見「使いにくそう」「真っ直ぐ構えられない」とか心配してしまう。でもこれ、実は、バウンスがあるということを示しているに過ぎない。本番のラフやフェアウェイと言った柔らかい地面の上では、こういったクラブもくるっと回ることなくちゃんと構えられる。むしろ、バウンスのおかげで手前に落ちてもダフらないし、全体的にミート率が改善するし飛距離も伸びるのでアマチュアレベルでは利点の方が大きい。
・ウェッジのバウンス。これも同様で、ザックリしないのが大バウンスの利点。他方、大きいバウンスは練習場や店の試打スペースあるいはベアグラウンドのような固いライでは跳ねてしまいトップするリスクが大きくなる。結局自分は、アプローチウェッジだけPingではなくClevelandのバウンスが小さいものを使い、サンドウェッジ及びロブウェッジはPingのEye2 xgというバウンスの大きいものを使うことで対処している。カラーや花道といったところからのランニングアプローチは経験則上アプローチウェッジの方がミスが少ない一方、残りウン十ヤードからのピッチショットはサンドウェッジが、花道からのホップショットはロブウェッジが適している感じ。
てか、フェアウェイウッドを一本減らしてロブウェッジを加えてからアプローチが随分楽になった。56度とかで高い球低い球打ち分けるのは、月一ゴルファーには無理だが、ロブウェッジは誰でも簡単に高い球が打てる。。
※バンカーは未だ模索中。。嗚呼
・シャフトの硬さ。硬いシャフトの方がコントロールできる雰囲気はある(振っていてしっくりくる)が、自分が数打って試した結果、柔らかいシャフトの方がパフォーマンスがはるかに良い。普通に振ってどスライスあるいはどトップがでてしまうシャフトは固すぎることを示唆する。柔らかいシャフトはときに引っかけが出るが、アマチュアレベルにおいては、引っかけは最も調整可能なミスであり気にしない方が良い。硬すぎるゆえのどスライス等の方が対処困難。そういう観点から言って、US物のRシャフトが自分にとっては最適。おそらく日本ではSRくらいの硬さだろうか。但し自分が愛好するPingはシャフトが全体的に柔らかいので、スチールでもカーボンでも1ランク硬い物を選ぶのが結構重要。
・ライ角。アイアンをフラットなものに取り換えてから2打目の気楽さが劇的に変わった。それまではバウンスが小さく、かつライ角がアップライトなものを使っていたので、ザックリやど引っかけが頻発していたのだが、新しいアイアン(Pingのi15-フラットな赤ドット)に取り換えてから見事に引っかけが激減した。アイアンをフラットにするとスライスが出やすくなるという話はきくが、今のところ自分にはそういった症状は見られない。むしろ、捕まり自体は前のアップライトだったアイアンよりはるかに良い。
・ドライバーのヘッド:初心者でスライスに苦しんでいた頃は、とにかくスライスが嫌だったので、重心距離の短いタイトリスト905Tを長く愛用していた。しかし、「ど」スライスをおおむね克服した昨今、重心距離が長いヘッドで左15度くらいの方向を向いて確信犯で「ちょいスライス」を打つのが一番楽ちんであると感じるようになってきた。この段階で重心距離が下手に短いものを使うと、右にも左にも...というどうしようもない状態になったのだが、重心距離が長い今のバーナー2.0 というドライバーに変えてからはゴルフが本当に楽になった。常に正面かちょい左を向けば、だいたい変なことにはならないと言う感じ。昔はロフトの大きいものを好んだが、試行錯誤の結果、「柔らかいシャフトで飛ばし、小さいロフトで上げ過ぎない」という組み合わせが一番自分にとって飛んで曲がらない気がするので、ドライバーはUS物のRシャフト、9.5%を使っている。その直前に10.5度のSを使ったが、どうにも駄目だった。
・パター。薄いピン型、中くらいのマレット方、大きい2ボール型とあるが、自分は結局ピン型に落ち着きつつある(予備としてマレットを一つストックしているが)。マレットや2ボール型は、ヘッドの大きさのおかげで何をやってもクリーンヒットしてくれるのだが、少なくとも自分にとっては、距離感合わせが致命的に難しい。1mの正確性を犠牲にしてでも、10mを1m以内に寄せることが容易なピン型の方がアマチュアレベルにとっては良いのではないかと言うのが自分の結論。
Sunday, April 8, 2012
ブーメラン
● 他人や社会の問題について関心をもったり批評すること自体は悪くはないが、その落としどころは留意しないとまずい。その思考のベクトルを「他人を変える」「社会を変える」という方向に向けるのはあまり生産的ではない。
そういった思索を意味あるものにできるとすれば、それは、「その思索から自分がどう変われるか」「そういった社会の動きに自分がどう対応するか」という、自分レベルに落とし込むことで初めて意味が出るのではなかろうか。
他人や社会というのは観察・対応するものであり、変える対象として見てしまうと人生がしんどくなるように思われる。もちろん、ときには変えることができるかもしれないし、変えることで多かれ少なかれ自己満足できるのかもしれないけど。
※多分、この発想は、自分の根底にあるものを改めて掘り起こしただけだと思う。このブログだって、誰かに影響を与えたいと言う意図はなく、単に「王様の耳はロバの耳」と叫ぶための穴・言いたいことを言ってすっきりするための掃き溜めという意図しかない。
● と、偉そうなことをいったそばから、悪口シリーズ
・ある程度勉強している(ことになっている)社会人や留学生なら、FBやTWに、どう考えてもイタいブログ記事とかをシェアするのは恥ずかしいぞ...
特にMBAで経済学をかじったくらいの人が陥りがちな罠。プロ筋で「痛い人」と言う評価が定着してしまっている人の言説(しかも得てしてブログ)を「いや本当に考えさせられます」とかコメントを添えつつFBにポスト。
自分が仮に何か意見を主張したいのなら、意見の含まれていない報道記事を張り付けた上で、自ら議論を展開するだろう。人の意見ーしかもトンデモーに便乗して「いやーこれは参考になります」とか、ちょっと辛い。
・「日本人は議論のとき、ロジックで勝負できず感情的になったり人格批判したりする」と言いつつ特定の誰か(や、そのロジック)を批判する向きがあるが、そういう人に限って議論のときの言い方が稚拙・乱暴でIrritatingであったり、下手すると感情的になっていたりする。
ロジックで純粋に勝負したいのであれば、普段よりずっと丁寧に言葉を選ぶべきだと思う。確かに留学先ではロジックが尊重されている気がするが、それは前提として、皆がディスカッションのときはきちんと言葉を選んで感情的な言い合いになることを回避しているからだと思う。感情に任せて好き放題自分の理屈をまくし立てた上で「あいつはすぐ感情的になる」って、それどんな罠だよ..と思う。
相手が感情的になるとしたら、それは相手が議論慣れしていないからというより、自分の物の言い方が悪いからだと思った方が良いと思う(自分の過去の経験に照らしてもそう思う)。相手を苛立たせておきながら「これだから日本人は...」という人を見て、わがふり直したいとふと感じた。
・先日友人と話していて、仮説が確信に変わりつつあるのだが、「なまじ頭がいいから、あるいは中途半端に頭がいいから、自説に閉じこもり外部から素直に学ぶことができない症候群」というものが存在すると思われる。
自己、あるいは自身の知識に対して過度の自信があるとそうなる。あらゆることについて「正解はオレ」状態となり、人が何を言っても聞き入れない。場合によっては、認知バイアスを発動して人の発言を自分の都合の良いように歪曲して自己正当化の材料に使う。
例えば留学生を例にすると、学びに来たのか、或いは「自分がイケてるという仮説がやはり正しかった」と妄想するために来ているのかよくわからない人とか。なまじ頭がいいばかりに、ぱっと「俺にとっての正解」みたいなものが頭に浮かんでしまい、基本的姿勢として、それ以外の意見を否定的に捉えてしまう、みたいな感じ。とりあえず愚直に学ぶことが出来ている人と、そうでない人で、この2年間は大きく意義が異なってくるのだろうと思う。
という、色々と罵詈雑言。
卒業後、この罵詈雑言がブーメランとなり自分の至らなさを浮き立たせることになるのか、あるいは自分がこういった問題に自覚的になったことでよりよい人間になることができるのか。ある意味、自分についてリスクを取った気分である。。
危機感高め中...
来週から授業やプロジェクトが本格化するので、敢えて今週怠惰に過ごすことで危機意識を高めて、来週以降勢いよく仕事できれば..という言い訳。
やったことと言えば
・友人に誘われ飲み
・娘と公園でイースターのイベント(卵拾い)とか、娘のお友達と一緒に遊んだり(怖いおじさん役で追っかけたり相撲したり)
・Father's office食った(何回食ってもうまい!)
・Tom'sの靴買った(流行りに弱い...)
・マスターズテレビ観戦
・娘と公園でだらだら
ってくらい。宿題が重い科目を今学期は履修していないので、もう何日ぶりになるかわからないが、勉強を殆どすることなくのんびりと週末を過ごしてしまった。
小心者なので、けっこうな罪悪感...来週は色々エンジンかけていこう。
Saturday, April 7, 2012
Jobsは真似できるのか?
一般的に、少なくとも日本では、Jobsは「偉大なイノベーター」という文脈で語られることが多いと思う。実際、iPodやiPhoneといった革新的な製品は、Jobsのリーダーシップなしではこの世に生まれることはなかったのだろう。
他方、このRumeltというおっちゃん(授業に出たが、枯れた爺さんという感じだった、、、)に言わせると、彼がすごいのは、
・再就任してすぐ、極限まで会社をスリムにした。色々な事業から撤退し、人を切り、etc.
・で、一部の製品に資源をフォーカスする方向にかじ取りを切り替えた。
上記2点は、いわゆる、選択と集中。さほど目新しい話でもない。その教授が感銘したというポイントは、彼が直接Jobsから聞いたという下記のような話:
教授「あなたの再建手腕は素晴らしい。が、Wintel圧倒的優位の業界構造はいまだ変わっていないのだが、あなたが今後どうしようとしているのか見えない。あなたはこれからどうしようと考えているのか?」
Jobs「自分は、次の大きな動きを待っているのだ」
教授が感銘を受けたのは、「選択と集中による立て直しを首尾よく進めたこと」でもなく、「壮大なビジョンを掲げたこと」でもない。彼が感銘を受けたのは
・業界の、要所要所でGame Changingな変化があるという潮流を正確に理解し、
・その変化を絶対逃さないようにすべく、
・今の時点で何かするというのではなく、その来たる将来に最大限迅速にその変化を捉えることができるよう、組織をスリムにしておく
という考え方だそう。
実際、Appleは、その後、大きな変化を捉えて、デジタル音楽市場やスマートフォン市場で圧倒的な優位を築くに至っているが、それはひとえに、Jobsが「変化にいつでも対応できるような」スリムな組織を作り準備していたからだ...というオハナシ。
この話を聞くと、Jobsの経営について、多少なり一般人でも参考にできるところがあるように思えてくる。
一般的に言われる、Jobsのイノベーティブなところや、クリエイティブなところは、正直学習やトレーニングで再現可能なものではないと思う。「へーすごいね」以上、参考にできるものはないように思う。
他方、上記に上げたような「変化に備え、対応できるような組織を作っておく」という発想、及び実際そのようなスリムな組織を作ることは、ある程度模倣・参考可能なものであるように思われる。たとえば自分が○ニーのコンサルをやったとする。仮に自分が優秀なコンサルでも、ソ●ーの将来向かうべき重点分野について、明確にCEOを説得できるとは思えない。しかし、将来チャンスが来たときにそれを可能な限り効率よく掴めるように、現時点の組織をシェイプアップしておくという提案はアリなのではないかと思われる。
最近ではデザイン思考やアントレ教育に代表されるように、MBAでもクリエイティブな領域に対する理解・関心が強まっている。しかし、そういった領域に立ち入ることはそれはそれとして、「来たる将来に、ときの経営者がうまくイノベーションできるよう、地盤を整えておくこと」についていえば既存のMBAの考え方で十分対応できるはずだ。なんというか、今直ちにクリエイティブな構想を出すことだけが最適解ではなく、将来そんなビッグチャンスがきたときのために筋トレしておくという発想もあるのだなぁ、そしてそれなら既存の枠組みでもちょっとは役に立てそうだなぁ...などとちょっと考えた次第。
※ でも、こういうオハナシは楽しいが、学校で学ぶことなのかは不明。
Project week 1 - ほふく前進...
■スペイン人君が、ケーススタディのインタビュー相手を無事に見つけてきてくれた。これで、自分が見つけていたインタビュー相手とあわせれば、無事にノルマの2件が集まったことになる。
これまで何を言ってもアクションを始めてくれなかったのだが、自分がインタビュー相手を見つけて、その次の「資料読み込み」とか「インタビュー準備」を始めたら、ようやく尻に火が付いたみたいで、まあよかった。
→100の言葉より、1の行動が人を動かす...ということかな?
■しかし、自分では何もこれまで成し遂げていないインド人君が抵抗勢力のごとく茶々を入れる。実際に山が動き出しているのでその愚鈍さがいっそう目障りである。
・○○が進捗するまでアクションを待った方がいいのでは、と言って無駄に停滞を招く
・やるやる詐欺。頼んでもないのに勝手に「そこは俺にまかせとけ」と作業を抱え込み、そしてやらない。
・必要以上にものごとを複雑にする。「この情報は教授にはまだかくしておこう」とか。
思うに、先学期の停滞の殆どは、このインド人の上記のような邪魔によるところが大きかった。先学期までは、ヌルい自分は、「こういった奴らとなんとかうまくやるのも、勉強のうち」と考え、極力、そんなインド人君を説得しようとしていた。その結果、彼が納得するまで事が動かず停滞...ということが続いていた。
現時点において、自分は余裕を失っているので、「チームメイトとのすったもんだから得られる学び」はあきらめることにした。すなわち、プライオリティを、「チーム内における合意形成」から「事を前に進める」に切り替えて、以下のような感じのアクションを取り始めている:
・インド人:「問題が生じうるから待った方がいいのでは」と言われる
→自分:待たずに勝手にアクションを取り、「どうだ、問題ないだろ?」と言い切る、あるいはそれ以上彼がウダウダ言えないほどに状況を前に進めてしまう
・インド人:「俺に任せろ」と言っておきながらさぼる(例:「明日までに教授にメール打っとくよ。俺にまかせとけ」)
→自分:一応まかせるが、信頼せず自分でもメールを用意しておく。彼が約束した期日までに送らなかったことを確認したらすぐに彼に断わりなく教授にメールを打ってしまう。
・インド人:教授にはこの情報を隠して、事務局にはこの情報を隠して、、、とかウダウダ言い出す
→自分:英語を誤解したふりを装い、勝手に全てを隠さず情報共有し彼らのアドバイスを仰ぐ。
(※もちろん、誤解したふりというか、実際誤解していることもあると思うけど、、、)
こういった、「相手任せにせず、自分でやっちゃう」という考え方、できれば使いたくなかった。というのは、ジャパントリップの準備で色々うまくいかなくなってきたときに同じことをしたら一部の同級生から猛烈な反発を受けたから(まあもちろん、それ以外、例えば自分の言い方とかもあったかもしれないけど)。
今回も、おそらくインド人君は、自分が彼を信頼せず作業をどんどん進めてしまっているので反感を抱いている可能性が高いと思う。でもまあ、やっぱり、仕方ないと思うのだがどうなんだろう。自分がもう一回り二回り能力の高い人間であれば、そんな使えない彼をマネージすることも含めてうまくやることができたのかもしれないが、どうも今の自分のキャパシティでは「じゃあ自分でやっちゃうよ」としかできない。。
Friday, April 6, 2012
足りてないものは何か?
この授業では、いわゆるアルファについて色々な観点から見た。
「αとは何か」「マルチファクターモデルで見るとαはどうか」「αに自己相関性はあるのか」「αは実際存在するのか」「ロングオンリー、HF、PE等でαに相違はあるのか」等。
で、そんな中で印象に残った話の一つが、BerkとGreenが2004年に発表した論文の内容で、
・投資業界において、制約条件となっているのは資金ではない。金は余っている。
・制約条件、足りていないのは運用スキルあるいはそれを持った人。
・という需要/供給条件なので、すべてのアガリ(Rent)は投資家(金)ではなくファンドマネージャー(人)に帰属することになる。
・具体的には以下のようなプロセス:
(1) スキルが高いファンドマネージャーのもとに金が殺到する (カネは制約条件ではない)
(2) ファンドサイズが大きくなればなるほどリターン(α)は低下する
(3) 結果的に、αがゼロになるまで資金流入が続くことになる。カネは制約条件ではなく有り余っているので、αがプラスのところで資金流入が止まることはない
(4) その結果、平均して全てのファンドのαはゼロになることになる。この世界観では、αではファンドの実力は最早測定できず(みなゼロなので)、ファンドサイズが実力のメルクマールとなる
・実際、彼らの測定によれば、αは有意には認められない。
これは、HFとかのパフォーマンスをどう解釈するかといったテーマの講義の中で取り上げられたものだが、金融業一般に応用できるコンセプトであると思う。すなわち
・カネは余っており、少なくともマクロレベルでは希少性を持たない
・制約条件(足りていないもの)は満足できるリターンを上げる投資主体である
・現実のビジネスの世界では、アセットマネジメントの世界のように「αがゼロになるまで資金流入が止まらない」ということはないが(例:北海油田を見つけたとしても、石油を掘るのに必要な資金を集めたらあとは不要になる)、
・とはいえ、アガリの大部分は、スキルあるいは投資機会を持つ事業主体・投資主体に帰属することが多くなり金融投資家はカネを潤沢に持っているというだけではリスクに見合った以上の超過利益を獲得することは難しい
さらに換言すると、
・平均的/長期的に均された状況においては、投資家(カネの出し手)と事業家(カネの使い手)であれば儲かるのは基本的に事業家。
・カネを出すだけのビジネスは、リスクに見合ったリターンは獲得できるが、αの獲得はムズい。
・なので、投資家にとっての示唆は「リスク見合いのリターンであきらめるか、あるいは例外的にαを獲れそうな状況を探すか」。
・個人レベルでの示唆は「金を出す側ではなく、金を出してもらう側に行った方がワリがいい可能性が高い」ということではないだろうか
といった感じ。
少なくとも日本では、このコンセプトはかなり当てはまりがいいように思う。一般投資家vsファンドという構図でもそうだと思うし、投資ファンドvs投資先企業 という構図でも当てはまると思う。
これをもとに色々思うこともあるのだが、あまり考え出すとドツボにはまるので、とりあえずここまでとしておきたい。
Jargons
・Detached: 一戸建て
・Attached: 長屋(複数住居が同一敷地内にある)
・Condo (Condominium): 分譲マンション. アパートは所有者と住人が異なるが、Condoは同一。あるいは、賃貸型リゾートマンション。一般的には高層。
・Townhouse: 長屋スタイルの集合住宅。一般的には低層。
・CO-OP:分譲マンションのようなものだが、買い方として、「405号室を買う」というか「持分の●%を買う」といった買い方になる。NYはCO-OPが主体だそう
・Modular House (Pre-fab):工場で作られたパーツを現地で組み立てる形式の住居。プレハブ。
・Mobile House:プレハブの一形態で、Modularより簡素(家ごと運ばれたり)。
・Duplex: 2家族用長屋。3家族用ならTriplex。
・High-rise 高層
・Podium:3階くらいまでを商業施設として賑わいを保ちつつ、上位層を住居とする高層建築。丸ビルか
・Tilt-up Construction: ティルトアップ工法。現場でコンクリート壁を4つ作って、それをクレーンで立てることで建物を作る工法。
・Gross Leases:諸経費はオーナー負担の契約形態。
・Triple net (NNN)Leases:不動産の税金・保険・維持費という3種類の費用をテナントが負担するリース契約形態。
・Strip mall: 独立したショッピングセンター
・Power center: 中心となる大型店が入っているショッピングセンター (大型店:Anchor)
Thursday, April 5, 2012
授業(ほぼ)確定
○基本コンセプト:
・これまでの5学期にそこそこ頑張った結果、卒業に必要な選択科目はあと1個だけ
・プロジェクト(AMR)が大変そうだし、個人プロジェクト(起業家インタビュー)もまとめたいので授業にあまりウェイトを置くと死ねる
・最低ひとつはSoftな授業を取りたい
・とはいえ最終学期なので、正直ちょっと緩くして、もっとComfortableな時間(=家族、ゴルフ、etc)を増やしたい。ここで緩めないと、仕事に戻った時に逆噴射(「そろそろ頑張らないとマズい」という危機意識)が出てこない。働いている同期に多少申し訳ないが。。
・正直、グループワークはもうFed upである
→ 履修科目は少な目にして、自主自律できる前提のもと(例:旅先でレポート作成等)ゆったりとしたスケジュールを組みたい。
○結果としての履修プラン:
・不動産初級:知識ゼロだったので割と全てが新鮮で面白い。目指せマンション投資(?)
・ネゴシエーション:上記「ソフト」科目はこれにした。ソフトといいつつも、内容の半分はゲーム理論だったり意思決定理論だったりオークション理論だったりするので、セミハードといったところか。初回の授業は面白いような面白くないような絶妙な感じだったが、とりあえず向こう当面顔を出すことにする。知ってる同級生知らない同級生と成績を賭けてネゴするというシチュエーションのUncomfortableさを敢えて経験してみたいという倒錯的なことをちょっと考えている。
・あとは、プロジェクト(AMR)に専念しつつ、合間に個人PJ(起業家列伝)のまとめを行う。中期スパンの執筆活動なので、作業にエンジンが入らない、緩むといった懸念があるので、その辺を割り引くと、今のうちからしっかりやらないと...といった感じ。来週には協力者に質問票を送ったり、インタビューしたりしたい。
○ ドロップした科目
・オプション:オプション自体は大いに興味があるし、去年の夏休みのかなりの時間をHullの教科書と一緒に過ごしたので、本当はこの科目を履修したかった。しかし、いや本当に、マジで、教授がアレだった。これほどまでに「3時間、この教室にいることに意義」みたいなものに疑義を感じたのはこの教授が初めてで、残念ではあるが自習でいいやという結論になった。
・戦略論(経営者論):大物らしい教授が、「経営者とは・リーダーとは」という抽象的なテーマを取り扱う授業。今日初回の授業に参加したのだが、なんというか、抽象的なテーマ(今日は「失敗の相克」)を抽象的なまま取り扱う感じで、少なくとも自分は、そこから何か持ち帰り可能なソリッドな学びを見出すことができなかった。おそらく、自分の英語力がもう少しあって、議論にあと180%くらい積極的に参加すると、議論で唾を飛ばすことにより交感神経からなんちゃら物質が大量に発生して、何かしら得るものがあるのだろうと思う。しかし、英語に難があるへっぽこ留学生の自分にとっては、はっきり言って何の話をしているのか全く咀嚼できなかった。のでドロップ。
・アントレ論初級:初級の癖に負担が大きいということでドロップ。
って感じ。さあ今学期も楽しもう。
Wednesday, April 4, 2012
理論と実践
・着手して初めてその存在に気付くトラブルの多さ。計画が思っていたよりも煮詰まっていなかった(ので計画通りやろうにも進まない)、なぜかモチベーションが高まらない、チームメイトが自分の思う通りに動いてくれない、「これを使えばちょちょいのちょい」と思っていたフレームワークがうまくあてはまらない、etc.
・なので、いかなる作業であれ、
(1)Quick Start
(2)余裕を持ったプランニング
(3)予期せぬトラブルに対する覚悟
(4)やる人、やった人の批判に終始せず、彼らのアクションから何かしら学び取る
といったものが必要だ。ちなみにMBAは特に(3)と(4)に有益である。外国人同級生の行動・思考は日本人にしてみたら奇想天外であることが多く、予期せぬトラブル及びそれへの対処という経験が無数に得られそういったものへの許容度、「あそび」が増大する。また、MBAのやったもの勝ち、リスクなんてないという風土で1~2年間過ごすことで、日本で働いているとついリスク回避的になってしまいがちなところを多少「緩める」ことができる。また、学校で学ぶ各種理論は、新しい何かを生み出すには正直役不足だが、やってしまった失敗やライバルの成功などを省察するには実に便利である。
こういった文脈において、理屈を知っていることが時に邪魔になったりする。なまじ理屈を知っていることから楽観的な計画を立ててしまったり初動が遅れたり、あるいは計画を不必要に煮詰めて完璧になるまで動けなかったり。あるいは、進むべき方向性が複数あるときに、手持ちの理論ストックに引きずられ、最適な方向ではなく「知っている方向」に向かってしまったり。
・教科書の理屈は、学者はさておき実務家にとっては、「何をすればいいか考える時間を節約するためのツール」に過ぎない。理論/フレームワークを知っているということはゴールではない。思うに、実務において嫌われる「頭でっかち」という症状は、上記のような、なまじ理屈を知っているからこそ行動が遅れたり歪んだりすることを指すのかもしれない。そういう意味では、極論すれば、頭でっかちは「とにかくまずやってみる」ことで相当程度緩和できるように感じられる。
理論やフレームワークを使い、企画書→詳細設計→具体的行動という進め方をする一辺倒ではなく、「とりあえず適当になにか始めてみる→何か見えてくる→解決・反省・抽象化」という帰納的プロセスをできれば同時に回すことで、その行動にリアリティ・フィージビリティのようなものが付帯するようになる。
※もちろん、「とりあえず目の前のコイツに着手してみる」というボトムアップアプローチだけでもNG. 頭でっかちの対極にたるのが「現場たたき上げ」だとすると、悪いたたき上げはボトムアップしかしない場合が多いように思われる。そうなると、常に現場や現実を許容・肯定する形でしか物事を進められないので、行動が得てして中途半端あるいはしょぼいものになる。答えはSomewhere between the twoなのだと思う。
Tuesday, April 3, 2012
最終学期の初日
○ 不動産初級
・その名の通り初級の授業なのだが、自分の場合不動産用語が知らないものばかりだったので、予習復習に多少手間取っている。最初数回は大変そう。
・初級なので、不動産にフォーカスしたい一年生・最終学期をさらっと流したい二年生などでごったがえしている。一年生のときの必修科目と同じくらいの人数。個人的にはマニアックな授業で20人ちょっとしかいないようなやつが好きなのでちょっと人が多過ぎる印象。
・授業は面白そうだし、グループ課題がないので、マネージしやすそう。
○ オプション
・学会ではそこそこ有名らしいゲスキというおじいさんによる授業。
・この教授は当校ワーストという評判も立つほどのすごい()人物で、自分としては怖いもの見たさ含みで顔を出してみた。
・シラバスを見ると、Hullの定番の教科書の大部をカバーするとのことで、割と網羅的で面白そうな内容ではある。教授考案によるトレーディングゲーム(個別銘柄について、売り買いの組み合わせによって架空のポジションを作り学期末の価値が多い人が勝ち)も面白そうではある。
・でも、教授がムズすぎた。「この授業はMBA学生向けにIntuitionを主に伝えたい」と言った5秒後に、いかにブラックショールズ式が美しいかみたいな話を30分以上続けたり。しかもそれはただの脱線した雑談だったようで。。今日は3時間中2時間以上はそういった脱線の末の理解不能トークで終わってしまい、シラバスに書いてあった「オプションとは」という話は皆無。。
・教科書を自習すれば足りるかな、、という感じなので、多分ドロップすると思う。
オプションも面白いと言えば面白いのだが、「履修して、教室に顔を出す価値があるかどうか」というのが割と科目選びにおける重要項目のひとつなので、後で読めば足りてしまいそうな科目はどうしても劣後扱いになる。これまでに既に5科目以上、「こういうクラス運営なら、教材だけ買っておいて卒業後に趣味として勉強すればいっか」という感じの科目があったが、オプションもそういうカテゴリーに入ることになりそう。
Sunday, April 1, 2012
プロジェクト近況
2つケースを書くか学術論文を書くかというミッションにたいして、「春学期1週目末までに2社取材先を見つける。もし無理だったら、直ちに学術論文に切り替える」という合意形成をして、各自が春休み中に必死に取材先を見つけるということになっていたのが前回。
で、春休みが終わったので、メンバーに進捗を聞きがてらミーティングを呼びかけてみたら...
・インド人:火曜日にインドからLAに戻る(注:学校は月曜日から)。単位が厳しく、今学期は最低でも4科目履修が必要で忙しい。取材相手は、探したが見つからなかった。なーに大丈夫、きっと見つかるさ
・メキシコ人:水曜夜にメキシコからLAに戻る。(取材相手については言及がないので、おそらく探してもいない)
・スペイン人:水曜夜にスペインからLAに戻る。ちょうど打診を始めたところだが、なーに、きっと見つかるさ。こうしよう、締切を第二週として、それでだめだったら論文か何かやろうぜ
・自分:「...」
予想通り、自分が取材相手をたまたま見つけられた以外は何の進捗もありませんでした、どうもありがとうございました...
そして、事態はいっそうややこしくなっている:
・自分は既に取材相手を見つけてしまっているので、もし他に見つからないと、「ケース2つor論文1つ」というノルマの観点上、取材相手が一件と言う状態はまったくナンセンスで、取材相手を無理矢理増やすか自分が見つけた取材相手に詫びを入れてキャンセルするかの地獄の二択。
・スペイン人君の「2週目を相手探しの締切としよう」発言が容認されたことにより、すべての作業が1週間後ろ倒し。2人チーム×2に分かれて、自分の取材相手に関するケースとそれ以外のケースと分担する予定だが、役割分担をして自分達のケースだけ始めようにも、皆母国から戻ってこないのでミーティングすらできない。
(もちろん、メールのレスポンスも悪いので話が進まない)
正直、烈火のようにキレた上で言いたい放題言いたいのだが、言っても意味なさそうだし、自分一人ではさすがに全部こなすことはできないし、ほっとくとスレッドが自分のメールで埋まってしまうし..となんだか詰んでいる。
うーん。。。取りあえず、自分にできることを今のうちに..ということで、自分が見つけた取材相手についての資料の読み込みやドラフト作成をできるだけ進めるに尽きるのだろうと思いやっているが、これについても自分一人で進められるところはやりつくしてしまった感があり、とにかくミーティングくらいとっとと開催したいのだが。
うー、今学期も頑張るか。。