色々やっているなかでの感想を徒然と
・着手して初めてその存在に気付くトラブルの多さ。計画が思っていたよりも煮詰まっていなかった(ので計画通りやろうにも進まない)、なぜかモチベーションが高まらない、チームメイトが自分の思う通りに動いてくれない、「これを使えばちょちょいのちょい」と思っていたフレームワークがうまくあてはまらない、etc.
・なので、いかなる作業であれ、
(1)Quick Start
(2)余裕を持ったプランニング
(3)予期せぬトラブルに対する覚悟
(4)やる人、やった人の批判に終始せず、彼らのアクションから何かしら学び取る
といったものが必要だ。ちなみにMBAは特に(3)と(4)に有益である。外国人同級生の行動・思考は日本人にしてみたら奇想天外であることが多く、予期せぬトラブル及びそれへの対処という経験が無数に得られそういったものへの許容度、「あそび」が増大する。また、MBAのやったもの勝ち、リスクなんてないという風土で1~2年間過ごすことで、日本で働いているとついリスク回避的になってしまいがちなところを多少「緩める」ことができる。また、学校で学ぶ各種理論は、新しい何かを生み出すには正直役不足だが、やってしまった失敗やライバルの成功などを省察するには実に便利である。
こういった文脈において、理屈を知っていることが時に邪魔になったりする。なまじ理屈を知っていることから楽観的な計画を立ててしまったり初動が遅れたり、あるいは計画を不必要に煮詰めて完璧になるまで動けなかったり。あるいは、進むべき方向性が複数あるときに、手持ちの理論ストックに引きずられ、最適な方向ではなく「知っている方向」に向かってしまったり。
・教科書の理屈は、学者はさておき実務家にとっては、「何をすればいいか考える時間を節約するためのツール」に過ぎない。理論/フレームワークを知っているということはゴールではない。思うに、実務において嫌われる「頭でっかち」という症状は、上記のような、なまじ理屈を知っているからこそ行動が遅れたり歪んだりすることを指すのかもしれない。そういう意味では、極論すれば、頭でっかちは「とにかくまずやってみる」ことで相当程度緩和できるように感じられる。
理論やフレームワークを使い、企画書→詳細設計→具体的行動という進め方をする一辺倒ではなく、「とりあえず適当になにか始めてみる→何か見えてくる→解決・反省・抽象化」という帰納的プロセスをできれば同時に回すことで、その行動にリアリティ・フィージビリティのようなものが付帯するようになる。
※もちろん、「とりあえず目の前のコイツに着手してみる」というボトムアップアプローチだけでもNG. 頭でっかちの対極にたるのが「現場たたき上げ」だとすると、悪いたたき上げはボトムアップしかしない場合が多いように思われる。そうなると、常に現場や現実を許容・肯定する形でしか物事を進められないので、行動が得てして中途半端あるいはしょぼいものになる。答えはSomewhere between the twoなのだと思う。