・PMT関数:元利均等ローンの、毎回の元利合計返済額を計算する関数。
例:銀行に「1億円貸してくれ」と頼んだら、「5%、毎月払い、10年、元利均等払い」という条件を提示された。
このとき、毎月の支払額は
PMT(5%÷12, 10×12, -1億円)
で計算できる。
・PV関数:元利均等ローンで、ローン元本を計算する関数。
例:Aさんは、月々の資金繰りをベースにすると、毎月の元利払いが20万円になるようにローンを組みたいのだが、そうすると銀行は「5%、毎月払い、10年、元利均等払い」と提示してきた。このときの元本は
PV(5%÷12, 10年×12, -20万円)
で計算できる。
・FV関数:数年後の残高を計算する関数。
例:3,000万円・3%・20年・毎月払い・元利均等のローンを借りていたが、借りて10年経って、住宅を売るのでそれにあわせてローンも清算することにしたら、「清算時点での元本に対して3%の期限前返済ペナルティを頂戴します」と銀行に言われてしまった。このペナルティはいくらだろうか?
まず、元のローンの毎月の元利払いはPMT(3%/12, 20*12, -3千万円)=166,379円
で、10年目が終わった時点の残高はFV(3%/12, 5*12, 166,379円,-3千万円)=24,092,630円
で、これの3%がペナルティなので、ペナルティは24,092,630 * 3% = 772,789円。
■ Incremental Interest Rate(限界利率)
<状況>
・郊外の住宅を買うために、銀行から「3,000万円、3%(毎月払)、20年」という住宅ローンの条件提示を受けていた
・ちょうどそんなとき、高いけどとても魅力的な物件が別に見つかったことから、銀行に「やっぱり4,000万円貸してくれ」と頼んだ。
・そしたら銀行は「では、4,000万円・20年なら4%になります」と言ってきた。
・これをどう考えればよいか?
<計算>
・元のローンでは、毎月の元利払いはPMT(3%/12, 20×12, -30,000,000)=166,379円
・新しいローンは、毎月の元利払いはPMT(4%/12, 20*12, -40,000,000)=242,392円
・差額は76,013円. 年間支払額は、これに12をかけて912,156円
・追加のローンは1千万円で、この912,156円を割ると、追加分1千万円に対応する利率は9.12%.
<結論>
・新しい「4千万円・4%」のローンは、元の「3千万円・3%」のローンと「1千万円・9.12%」のローンの組み合わせ
・追加的な負担は4-3=1%ではなくて、9.12%とけっこう高い
・住宅ローンならあまり関係ないが、もし不動産投資であれば、9.12%より高いリターンを得られる自信がないのであれば元のローンで我慢すべき