Friday, September 17, 2010

コンサル実習・プレゼン授業・班飲み・クラス飲み

・クラス飲みの後、不覚にも家で寝てしまった。おかげで夜中なのに目がキンキンに覚めてしまっている。

・今日の午前中はベインの偉い人が来訪。コンサルタント業界あるいはコンサルタントの思考回路についてのセッションがあった。自分はコンサル業界にあまり関心がないのであれだけど、コンサル業界に関心がある多くの学生にとっては情報収集という意味合いのみならずネットワーキングの機会としても重要なセッション(だと思う)。

・ベインの偉い人が口をすっぱくして言っていたのは、「Start with Answer」と「MECE」ということ。
「Start with Answer」は「まず仮説を立てて、それを検証するというプロセスで仕事を進める」といった考え方。対立軸にあるのは「まず白紙の状態で情報収集をして、得られた情報を元に問題点の絞込みを行う」というボトムアップ式思考回路。

具体的なプロセスとしては、
1)仮説を立てる(授業で使われた例:レストランがいまいち儲かっていないのは採算性が悪いからだ)
2)仮説を分解する(例:採算性は、収入と費用に分解できる)。
その際、各構成要素がMECE(「各部分集合は互いに素だけど、全部合わせたら全集合になる」って感じ?)となるよう注意すべきとのこと。
3)各構成要素をさらに分解(例:収入=価格×数量、費用=直接費+間接費、等。もちろんMECEが必須)
4)分解を可能な限り繰り返し
5)極限まで分解したら、それぞれの構成要素について定量的に検証する
6)その結果、たとえば「採算性が悪いのは、費用の一構成要素である間接費、さらに言えば人件費に問題があるため。人件費は基本給とボーナスに分解できるが、検証したところボーナスと業績の連動度が低いことが定量的に確認された。よってこれを解決すべき」とかいった感じの結論(いわゆるソリューション)が出来上がるとのこと。

・感想は以下のような感じ。色々腑に落ちなかったので、近いうちクラスメートにでも聞いてみたい。

-誰もが当たり前にやっていることを、わざわざ仰々しく言っているだけなのではないのか:特に、「収入を価格と数量に分解する」といったあたりは「サルでもわかる」って話ではないのか。コンサルタントの飯の種になるほどの話なのか?「大雑把に要素分解するのは簡単だけど漏れなく(MECEに)分解するのは難しい」ということ?

-そんなのコンサルに頼まなくても自分でできるのではないか:上記の例で言えば、レストランの経営者だって採算性が悪いということはわかるはず。自分がレストランの経営者で「御社の経営が悪いのは、採算性が悪いからです」とか言われたら、「知ってるよ、だからお前を呼んだんだろう、このボケナス」とフライパンを投げつけたくなるのだが..

-最初の仮説が見当違いだった場合、その先のドリルダウンは時間の無駄になるがその場合はどうするのだろうか:最初の仮説を間違えないためには、ある程度ボトムアップ的な情報収集は不可避なのではないか。

-結局のところ、戦略コンサルタントの価値はどこにあるのだろうか。一発目の仮説を間違いなく立てる能力?問題を極限までMECEに分解する能力?問題点を発見した後、具体的な解決策を提示できる能力?金融機関勤務の自分でも問題発見や分解はできると思うのだが、コンサルタントにしかできないことは何なのか?巧拙の問題?専門分野があるITコンサルタントや建設コンサルタントなら専門知識が飯の種になるということは容易に理解できるけど、戦略コンサルタントには一体何があるのだろうか?自分はこれまでコンサルタントと一緒に仕事をした経験がないので、どうしてもその辺りのイメージがつかめない。

・午後はまず就職課のセッションをこなした後、今後2学期にわたり行われる「コミュニケーション」という授業の初回があった。教授の自己紹介の後、班毎に散らばり、1人5分ビデオに向かって自己紹介プレゼンを行った。この録画をベースに、向こう数ヶ月でその改善を図るという授業みたい。

苦労したのは、オープニングトーク・ジェスチャー。他のアメリカ人の友人が最初30秒くらい「今日はこんな貴重な機会をもらうことができて...」とか色々他愛のないオープニングトークをしているのだが、そんな余裕のない自分は開始早々本題に入ってしまった。なんかなぁ。
また、どうも手足をどう処すればいいのかわからない。おそらく、できの悪いロボットみたいな仕上がりになってしまっている気がする...

・録画が早めに終わったので、クラス飲みの前にひとまずスペイン人のEの独身寮にてゼロ次会を開催。
女の子は参加しなかったので、野郎4人でひとしきり盛り上がった(その女の子の話とか、下ネタとか含む)。会話についていくことができたし、各人と打ち解けることができたのでとても良かった。感想等:

-地元出身のM:ゴツい白人。育ちが良く、学部時代はフラタニティ活動に勤しんでいた感じ。自分でヘッジファンドを経営していたとのこと。今日まで彼に持っていた印象は「やや尊大で外国人に対する理解がない」という感じ。グレートギャッツビーのトム・ブキャナン(だっけ?)を彷彿とさせるキャラクター。しかし、今日の会のおかげで、自分にちゃんと敬意を持って接してくれていることが感じられて非常に好感度が高まった。人種・民族ネタに敢えて踏み込むちょっと危なっかしいところはあるけど(日本人侮辱と思われる発言もポロっと出ていたが、そういうときは聞き流すのが大人なのか、あるいは指摘すべきなのか??)、自分は彼の人間くさいところを非常に気に入った。

-同じく地元のJ:REIT出身。常に寡黙で話しかけづらく、議論では自分の意見を強めに主張することから、結構付き合いづらい人間なのではないかと懸念していた。しかし、今日の会のおかげで、自分に対して関心・敬意を持ってくれていることやひとたび喋ると面白いことを言うことがわかり、これまた印象が大幅改善(多分彼は天然キャラだ。アメリカにも天然って概念あるのかな?)。ちなみには彼には昨日の運動会にて「Hey, nice play!」と言いながら肩をポンポンというのを何回かやったのだが、それ以来自分に対する態度がずいぶん良くなった気もしている。こういうささやかな配慮が案外大事って話かも。

-スペイン出身のE:投資銀行出身。何ヶ国語も喋れるみたい。彼は最初からいい印象を持っていたが、今日家に招いてビールを振舞ってくれたことやその後のトークでますます高感度が高まった。ラテン系のいいところが如何なく体現されている感じ(ネアカ・おしゃれ・情にあついetc)。

改めて感じたのは、「ちょっと第一印象が良くなくても、話せば話すほど皆いい奴になる」ということ。これは日本と全く同じだ。「第一印象が悪い奴とは口もききたくない」と考えがちで多くのpotential friendsを失ってきた自分にとってはわりと大きな発見。
率直に言って、アメリカ人クラスメートの多く(特に白人)は英語が下手な留学生に対して「閉じている」印象があり食い込みづらい。だけど、無理やりにでも食い込んで総会話量を増やせば増やすほどいい奴になる可能性が高いことが今日改めて確認されたので、くじけずにガシガシ入り込んでみたい。でも、食い込むためのコミュニケーション能力を高めないと...