Tuesday, August 17, 2010

カスタマーサービスの日米比較

セットアップに関連して、色々とカスタマーサービスを利用している。

・BOFA
①口座開設後、申請したはずのIDとパスを入れてもオンラインバンキング(の準備画面)にアクセスできなかったことから窓口を再訪。用件を伝えると、実にスムーズに「わかった、今確認します。うーむ、では改めて登録しましょう」となった。

②口座番号の参照方法、チェックブックの入手方法がわからなかったので、オンラインバンキングから問い合わせを試みた。FAQとか検索とかをしつつ苦労して目当てのページにたどり着くことを想定していたのだが、目当てのページにたどり着く前にポップアップが現れて「チャットで解決しませんか」となったのでチャットに挑戦。
担当者のタイピングは異様に速く(ボイスキャプチャリングでもしているのかも)、またこちらの質問に直截的に答えてくれるので、実に2,3分で悩みが解決してしまった。

・AT&T
学割を申請しようとしたところ、SSNを入れるよう指示された。しかし、SSNなんてないのでどうすればよいか電話で問い合わせた。こちらのリスニング力の問題で幾度となく聞き返したり聞き間違えたりしたのだが、「No Problem.」「Yes, of course!」等、実に寛大な態度で最後まで付き合ってくれた。
しかも、SSNの空欄の入力方法という当初の目的を果たした後も、「ここまできたら一緒に登録してしまいましょう」と最終登録までナビゲートしてくれた。

・Docomo
電話番号を変えたくないという思いから(よく考えたら、別に変わってもいいんだけど)在米中も回線を維持している。
日本にいるときにその辺のドコモショップで相談したら「番号も、メアドも、一度廃止したら同じものは使えないので、回線とiモードは両方残す必要がある」という説明を受けたので両方一番安いプランに切り替えたものの回線もiモードも解約することなく渡米した。
さて先日、ゴルフ速報サイトとか、いくつかしょうもないiモード有料番組を購読したままにして毎月500円ほど無駄に取られていることに気づいた。
解除すべくDocomoにメールで照会したところ、「iモードを使って自分で解除せよ」とのこと。
日本の携帯を起動して解除しようとしたが、携帯が古いのかLAの我が家からはiモードが使えず、解除できない。
やむなくカスタマーセンターに電話して、電話で番組の解除を依頼したところ、「個別番組の解除はiモード経由でしかできない。他方、iモード契約それ自体であればこの電話で解除できるがどうするか」という提案を受けた。
iモードを解除したら今の携帯メールアドレスは二度と使えないとドコモショップで聞いた話をしたところ、「誰かが同じアドレスを使わなければ、再接続時に同じアドレスを登録することは可能である」という回答を受けた。
なんと、それなら最初から回線だけ残しておけばよかったではないか。個別の番組を解除するのにメールアドレスを放棄せねばならないあたりも含め、硬直性を感じずに入られなかった。

こういった体験から、自分は以下のような仮説を持つに至った:
・日本:入り口段階でのオペレーションは平均的に120点。しかし、それがために万一ミスがあったときの事後対応に不慣れで、下手するとシステム対応がなされていない。その結果、万一修理やエラーがあったときに消費者・顧客は大変不自由な思いをすることになる。

・アメリカ:窓口レベルでの事務ミスは日常茶飯事。窓口レベルでのミスが一定確率で生じることを前提にしてビジネス全体のシステム設計がなされており、事後的な調整(返品・ミス修正等)の段階になると高い柔軟性を発揮する。

自分は、入り口段階での日本の各種サービスは費用と便益の最適フロンティアからはみ出ているのでないかと思っている。日本のサービス従事者が、揃いに揃って年収の1.2倍分くらい出血大サービスしてるのではないか。
逆にアメリカ人はちゃんと年収に見合った働きをするという慣習があるのではないか(飛躍だが、トヨタが強いのは、カイゼンがどうとかマーケティングがどうとかという話でよく説明されるが、実はそうではなく「ビッグ3の従業員は給料比100%しか働かないけどトヨタの従業員は給料比150%くらい働いているから」に過ぎないのではないか。。。)。
顧客目線からしたら年収見合いしか働かないアメリカ人従業員は好ましくはないけど、ある種の健全性があると言えるのではないか。話がまどろっこしくなったが、自分は日本のオペレーションよりアメリカのオペレーションの方が合理的だと思うし好きだ。スーパーやレストランの店員もいちいち挨拶してくれるところも、マニュアル笑顔で機械的な「イラッシャイマセ」をする日本の店員よりもよっぽど好感が持てる。

ただし、チップにはいまだ馴染めてない。レストランやタクシーならともかく、配管工とかケーブルテレビ配線工事なんて、チップの相場とか払い方とか皆目わからんし。