これまで数回グループ単位での宿題をこなしてきた。作文だったり、プレゼンだったり。
基本パターンは、グループ決定→ミーティング→役割分担→各自家で作業→統合 といった感じ。
制約条件として、提出までの時間が得てして非常にタイト。
また考えが変わるかもしれないが、やってみての感想は、「こういった宿題のコツは、いかにモジュラー化できるかではないか」というもの。
自分の理解では、モジュラー化とは「微妙なすり合わせの必要性を最小化して、機械的に統合するだけで完成してしまうプラモデルのようなものになるようにうまく設計すること。」
そう思うのは、すり合わせる時間が圧倒的に不足しており、また役割分担を明確にしないまま進めること自体が簡単ではないから。
宿題のモジュラー化のためには、ある程度初期段階で配慮が必要になる。
・分担を明確に分ける
・各担当者の重なり合いを極限まで排除する
・最初のディスカッション段階で、可能な限り論点を整理し、コンセンサスを形成する
・各担当者が作成したものについては、「尊重」を基本姿勢とする
といったものだ。
(出所:自分。おそらく、藤本先生の教科書でも読めばもっときれいな整理が得られるだろうけどとりあえず)
これはこれまで自分が経験してきたやり方と結構真逆かも。これまでのやり方を、多少の誇張も含めつつ無理やり上記のやり方と対比させてみると、
・あえて分担にグレーゾーンを残す(一つの仕事に同階層の担当者が複数名)
・初期ディスカッション時点では、「話しているうちに何か論点でるかも」といった感じ
・複数担当者でこしらえたアウトプットをさらに係長→補佐→課長・・・と順次上に上げていく過程で、新たなすり合わせが生じ、内容がどんどん修正されていく
といった感じになる。インテグラルかつボトムアップ型といった感じかしら。
最近仮説ばっかりなのだが、おそらくこのやり方(すり合わせ型)は、より良い物が作れるかもしれないけれど、均質で粒揃いの日本のサラリーマン世界のようなある程度閉ざされた世界でしか為しえない職人芸のようなものなのではないか。
ちょっと労働市場のグローバル化が進み(日本に外国人ホワイトカラーが来てくれるといいのだけれど)社員の多国籍化が進めば、こんなこととてもじゃないけどやってられなくなる気がする。おそらく、そもそも機能しないか、機能しても所謂合成の誤謬ばかりが発生することになる気がする。
日本の多くの企業は、国内市場の縮小に焦り国際化を推進しようとしている。しかし、いつまでも日本人だけでグローバルビジネスを回せることはないだろうから、早晩人材もグローバル化させなくてはならなくなるだろう。そういった時が来る前に、仕事のやり方もある程度標準化しておかないと(含む雇用形態や報酬制度)、どの国の人材も寄り付かず、日本人だけでやらざるを得ずその結果競争力を発揮できないといったことになりかねない気がする。楽天やユニクロの英語公用語化は、そういった文脈から出た話なんだろうと思っている。もっとも、インテグラル型ビジネス運営を自社の強みと位置づけ、意図的に均質な人材を集めたり、社内文化を押し付けることでパフォーマンスを高めようとする企業もあるだろうけど。
この「多国籍でのビジネス=インテグラル型は無理で、モジュラー化が必須。ついては日本も国際展開したいのであればそうすべき」という仮説を検証するためには、多国籍でのビジネスがインテグラル型ではなくモジュラー型を指向して動いていることを確認する必要があるだろう。今後の授業やインターンを通じてそのあたりは理解することができそうなので、検証してみたい。
そういう意味で、企業の長期的な競争力を高めたいのであれば、同業他社からの転職受け入れもいいけど
あえて国籍なり業種なり、何か一つ異なった属性を持つ人間を少数でも組織内に入れてみるという試みをしてみると面白いかもしれない。