・水曜日。この日は午前中一杯の空き時間にマーケティング・4時以降の放課後に経済と、約半日にわたりグループワークを実施することになっていた。
先日J君がドタキャンした直後の会合であることから、J君がどのような仕事をするのか、あるいはちゃんと宿題をやってきているのかというあたりを気にしつつ登校。
・午前中のマーケティングは、既にドラフトは仕上がっていたので仕上げをするだけの段階。自分が事前に目を通した印象では、後半において担当者間での重複があったので、その調整をすればすぐに終わるものと思っていた。
しかし、実際行われたのは、今日から参戦したJ君による自分の担当パートの添削。自分はノンネイティブなので作文が完璧とは程遠いことは喜んで認めるが、締切まで2時間しかない状況で1時間を最初の1ページの添削に充てる感覚は如何なものか(全体で5ページ、しかも後半の主張部分について議論が終わっていないのに...)。お前はどこの霞が関かと小一時間問い詰めたい心境。J君が事前に目を通していなかったので、その場で上から読んでいったら序盤から気になる表現が目立ったようだ。
で、案の定時間が足りなくなる。J君と自分以外はセミナー等で先に出てしまったので、残り30分ぐらいから自分とJ君だけが残る。自分は焦りだし、顔が真っ赤にして「いいね、そこのveryを入れることでニュアンスがより正確に伝わるよね、Good Job.じゃあそろそろ現在7ページある原稿を5ページにしないとね」
「Hey, you, もうただの一語一句も追加修正するんじゃないぞ。Delete, delete, and delete. OK?」
等J君に発破をかけた。最後の最後で彼にもエンジンがかかったようで、授業開始3分前になんとか終了。ノンネイティブでないというただそれだけの理由で清書させてもらないのが実に悔やしい。
とはいえ、いずれにせよ無事に完成したので、印刷された原稿を見てJ君と思わずハイタッチ。なんというか、お互い片方の手で殴りあうがもう片方の手は握り合っているような、不思議な感覚を覚えた。そのおかげか、その後授業時間に食べた昼食は不思議ととても美味しく感じた(?)。
・で、夕方には経済のミーティング。案の定宿題をやっていないJ君は、例のごとくその場で解き始める。自分軽くイライラ。残り4名が問2まで終わり、じゃあ問3やりましょうかところで追いついたJ君、突然M君が回答を作成しているPCを奪い取り、「いいかお前ら、そうじゃなくて正解はこうだから」と言い、驚く我々を尻目に怒涛の勢いで問1から問2にかけての原稿再作成を開始してしまった。
そこで、おそるおそる自分が「なあJ君よ、とりあえずブレインストーミングは終わったんだから、時間もあるし次行かね?」と打診してみたが、とりあえず一回スルーされる。自分イライラ度合いがエスカレート。
次にM君が「なあJよ、これはお前の宿題じゃなくて俺たち皆の宿題なんだよ、わかるか?グループってどういう意味よ?勝手に回答を改変するのもルール違反だし、ディスカッションに参加しろよ」ときつめにアタック。すると「何言ってるんだ、俺はグループのために答を改変しているんだ、俺は頭いいんだから云々(最後聞き落し、嗚呼)」とまさかの開き直り。自分はここで我慢の限界を超え、J君に
「なあJよ、言いたくなかったが、前回も前々回も、お前がそうやって勝手に直したところだけが減点されていて、俺らは満点を逃しているんだぞ。あと、清書したい気持ちはわかるが、それはブレインストーミングだけした後今夜にやればいいことじゃないか?何で俺たちはお前がタイピングしているのをぼんやり眺めていなくちゃならないんだ?だいたい6時に用事があって帰りたいのはお前じゃないのか。それに、そもそも、宿題をちゃんと準備してこないやつが何を偉そうなことを言っているんだ」と、maturityのかけらもないセリフを吐きかけてしまった。
こうなると、「もう一方の手では握手」も何もなくなってしまい、ただの子供のケンカに。
J「だって見ろよ、Mも宿題やってきてないじゃないか」
自「彼は少なくとも問題文は読んできているし、お前は一度たりともやってきていないじゃないか」
J「いずれにせよ、俺の意見が正しいから清書させろ」
自「No、話聞いてた?」
J「ガキじゃないんだからコミュニケーションしろ。Noというだけじゃなくて納得のいく説明をしろ。質問に質問を重ねるな」
云々。
結局何一つ彼の心にヒットしたと思われる言葉はなく、単に気まずい空気だけを作ってしまった。ちなみにJ君は予定通り6時にあっさりその場を立ち去った..
残された4人で残り4問に取り組んだが、これまでの2問と同じくらいの時間で残り4問が片付いた。終わった後4人でいやーJにはまいったねといった話をしたのだが、そのとき自分もお叱りを受けてしまった。曰く、
-こういうときこそ「Yes, but」(まず相手の話を受け止めて、それから反論する)を使うべきだ
-途中で、「状況の改善」から「彼を説き伏せること」に目的が変わってはいなかったか?
とのこと。自分の喧嘩下手・視野狭窄といった短所がすっかり把握されていたのだ。
残りの3人は少なからず自分に共感してくれているようではあるが、それでもどうやら、自分はJ君に負けず劣らず班の空気を損ねかけているようだ。28にして未だ幼稚なことをしている自分に、未熟さを感じずにはいられなかった。