・木曜日。この日は経済の宿題の打ち合わせのためグループミーティング。ちなみに問題児J君は昨夜までNYCに出かけていたのでいつも通り宿題はその場でやっていた。
今回のお題は回帰分析で、前職でエコノミストっぽいことをしていた自分の大好きなネタ。ついつい張り切って、実数ベースでの回帰だけではなく自然対数ベースでの回帰分析も事前に準備してグループメンバーに披露したところ、「なあ、それはいわゆるOverkillingだよ」と諭されてしまった。
・Overkillingとは、質問や宿題の主旨から鑑みてやりすぎであること。時によっては120%の評価を得られることもあるかもしれないが、たいていは100%以上の評価は得られず、下手をするとそのプラスアルファの中に事実誤認なんかが含まれていると減点要因になりかねない。日本の入試でも、余計なことを書かず回答は簡潔に書くというのはたぶん基本テクニックだと思う。
・このoverkilling、J君の得意技で、班のメンバーはOverkillingに対してかなり敏感になっている。J君が参加する多くのミーティングで、「J君が余計なことを言い出す、すなわちOverkillingを始める→ほかのメンバーがJ君を諭す→J君固執→泥沼」というパターンがあり皆苦労していたのに、あろうことか自分が彼と同じ「Overkilling野郎」となってしまった格好。
・本当は色々反論したかったが、自然対数で回帰することのメリットを英語で簡潔かつ的確に説明するだけの元気がなかったことや、「Overkilling野郎」というレッテルを貼られるリスクを考慮して反論せず。あっさり引き下がり、自然対数推計をお蔵入りさせることに同意した。過度の思い入れがマイナスに作用しうるということを再認識させられる一件であった。というか、自分も前職で、シンクタンク出身の同僚が当時自分の知らなかった自然対数推計をやっていたとき「Overkillingだ」という感想をもったっけなぁ。「ミイラ取りがミイラ」状態だ。
・ところで、この件では、J君は思いがけず自分のOverkillingの味方をしてくれた。彼は対数回帰をやったことこそなかったが自分の説明でそのメリットを理解してくれたようで、「いや、多少のOverkillingでもやるべきだ」と自分を擁護してくれた。自分としては他のメンバーが否定的な反応を示した段階で自説をひっこめる気満々だったのだが、思いがけないところから援軍が来てしまい、「当の本人が話をやめたがっているのに、話がくすぶり続ける」という奇妙な状況が続いたのがシュールだった。
・夜は飲み会。1年B組と2年B組のコラボ飲みにて、今更ながらダーツ初挑戦。最初数回すごい勢いでOB(?)を連発してしまい焦ったが、とりあえず楽しかった。思いがけずクラスメートが結構話しかけてくれて楽しかった。授業が始まった当初の頃は結構壁を感じていたのだが、日々の諸々の積み重ねで多少格上げをしてもらっている印象(「会計や統計に強いのはわかったからアメフト見に来い、酒も頑張れ」と嫌味を言われてしまったが…)。同じ班のM君の勧めに従いMiller Lightに塩を一かけしたが、わりと美味しかった気がする。が、あれが彼流の冗談・からかいであった可能性を否定しきれないので、もう一回誰かに推奨されるまではレストラン等で実践するのはやめておこう。それにしてもアメリカのビールは自分に相性がいい。日本のビールは濃すぎて、すぐ酔っぱらってしまう気がする。