Monday, November 28, 2011

Leading without authority

 ■   ここ数日、AMR(半年かけてのプロジェクト)についてチーム内で打ち合わせ。教授からもらっていた宿題についてチーム内で合意形成ができたのだが、相変わらず教授との窓口のインド人君がとぼけていて教授にアクセスするそぶりを見せない。

これは相当程度自分の責任でもあると感じている。彼があまりにのんびりしていて一向に動いてくれないことから、一回、良かれと思い彼の代わりに教授とのアポをセットしたことがあるからだ。

どうも、その結果、彼の中にあったその仕事への主体性はより一層失われてしまったようで、
  • 「あいつがやってくれるなら俺はさぼってもOKだな」or
  • 「なんだよあいつ、人の仕事奪いやがって。やってられないぜ」or
  • 「えーと、よくわからないけど、これって俺の仕事ではなさそうだからスルーしよっかな」
のいずれかの思いを持たれてしまっている模様。

で、本人に直接言うのはやや乱暴かと感じたことから、チーム全員宛に「あとは教授への連絡を残すだけだ、誰がやるよ?」とpostしてみた。そしたらそのインド人君がめずらしく即レスをくれて、
  • おいおいお前ら、誰が教授にメールするかなんて下らないことで何回もメールのやり取りするなんてイケてないぜ(諭す口調で)
  • 皆が乗り気じゃないのなら、俺がやってやる
とのこと...結果として彼がやってくれることになったのでそれ以上何も言わずThanksとだけ返信したが、なかなかにモヤモヤ感。ちょっとだけ「お前なぁ」と言いそうになった。

そして、そのやり取りから概ね一日が経つが、彼が教授にメールした形跡はない。。。

本件から自分が感じていることは以下のようなもの:
  • 人は皆それぞれ違う。これは仕事に対する自主性あるいは着手するまでの速度、あらゆる点に関して。しかも外国人の場合、そのばらつきが大きい。
    →「自分のレベル感を当然のものとみなして相手にも明に暗に求める」という態度あるいは行動はまったくワークしない。
  • ではどうするか、これが問題。「やってくれるのを楽しみに待つ」か「自らやってしまう」「やるよう促す」か。
  • やってくれるのを待っていたら見事に締切を逃して痛い目にあった経験を踏まえると、「違いを理解しつつ、なんとかかんとかやるよう促す」が答えなのかなぁと思っている。
  • さらっと直接「これは君の仕事だからよろしくね」と言ってしまえばいいのかもしれないが、どうも口下手なのかこの手の話を角を立てずに言えたことがない。彼に仕事をやってほしいのも確かだが、少なくとも半年間できれば一生このチームメイトとは良好な関係を保ちたいという思いもあるので、どうも直接サジェスチョンをすることに逡巡が出てしまっている
  • 物事に対する主体性(あるいはリーダーシップ)に対する感覚がグループ内で乖離していると、相対的に早く気づいてしまう人(このチームだと自分)が苦労する 。自分としては、しょぼい話だが、先に気付いて割を食う担当よりも、気付かず皆で仲良く損をする方が気楽に思えてしまう。。
  • 良いグループは、リーダー役のみならず一般メンバーにもリーダーシップがあったほうが良い(参照:過去記事 Link )これまでの経験上、いいチームには、2人以上リーダーシップがある人がいた気がする。リーダーシップが言い過ぎなら、気が利く人。これもまた言い過ぎか...
  • 結果として、自分の「彼の仕事を代わりに行う」という行為が、彼のさらなる怠惰あるいは不作為を招いている可能性がある 。しかし、じゃあどうすりゃいいのよと酒を飲みたくなる...
ちなみに、同じような苦労をしながら、見事に事を成し遂げた人のブログ記事を見つけたので、リンクをはっておく(参照:Link ) 。Leading without authority. 難しい問題である。

リサーチだん?

 月曜日。


■  リサーチ関連で2週連続で教授のもとへ。ここに来てこれまでのメモを熟読してくれたようで(汗、コメントのレベルが一段階具体的になってぐさりぐさり。教授から、一年かけるというよりは今学期で一旦まとめた方が良いという意見が出たので、ひとまず今学期中にアウトプットをまとめることになった。。。って今学期ってあと何日よ。

でもまあ、
  • 次の学期も同様の取り組みをしても、貰える単位は増えない(成績も本日時点でほぼ確定したとのこと..)
  • 教授からのアドバイスもそろそろ出涸らし状態
  • 日本語のメモを英語にするのは結構大変(ケースをひとつやっつけるくらいの負担感)
  • 教授との信頼関係の形成はできたので、聞きたいことがあれば履修の有無を問わずいつでも聞けそう
  • 期末試験は1つしかなく、他の期末プロジェクトもさほど負担感はなさそうなので(ホントか?)マネージできそう
等の事情を考えて合意。

あらためて、校内に日系人の教授がいたことに感謝。「エッセイ執筆時点では思いもよらなかったUCLAの良さ」というカテゴリーにおいてトップ3に入るラッキーだった。

来学期以降は、良くも悪くも自由度が高まる。だいぶ楽になるが、ペースメーカーを失うコストは小さくない。何かしら努力を継続せざるを得ない状況に自分を追い込むとよいのかなと思っており、その方策を考え中。

Saturday, November 26, 2011

MBA検定

■  今学期にEntrepreneurial Fiannceという授業を履修したおかげで、ビジネス全体においてファイナンスをどのように使うかという視点がかなりくっきりしたように感じている。

■   そのおかげで、マーケティングや戦略論などふわふわしていて捉えどころがなく一年生のコア科目のときには味わいきれなかった科目についても、なんとなくではあるがその使い方のようなものが見えてきているような気がする。おそらく多くのMBA学生にとっては自明のことなのだろうが、自分なりに頭の整理がついたので書き残してみる。

■   思うにMBAで習うことの理解度は、以下のように分類できよう。さながらMBA検定みたい:


レベル1:  ビジネスマンとして、ケースあるいは実際の仕事上の出来事について、興味を抱くことができる。そこに問題がある、ということを認識することができる。

レベル2:  ケースあるいは実際の出来事について、その話がなんの分野の話か理解することができる。問題意識だけは共有できる(が、分析できないので共感しておしまい)。
(ファイナンスの話なのか、マーケティングの話なのか等)。

レベル3:その話の大分類をぱっと理解できる。
(例:「これはファイナンスの話で、具体的には資金調達の話だな」「これはマーケティングの話で、顧客に関する話だな」)

レベル4:  MBA新卒レベル。その話を、自分の頭の中でインデックス化されているフレームワークに落とし込むことができる。問題意識を共有することができるだけではなく、ある程度分析もすることができる(が、答えを知らないので話を先に進められない。上司か顧客自身がソリューションにたどり着いてくれないと解決しない)。
(例:「これは資金調達の話で、具体的には負債と株式のどちらを選ぶかという話だな」「これは顧客に関する話、具体的にはCRMに関する論点だな」)

レベル5:ジュニアコンサルタント・ジュニアバンカーレベル。あるいはちゃんと勉強したMBAレベル。  その話を具体的なフレームワークと照らし合わせた上で、定石的なソリューションを2,3ぱっと思い浮かべることができる。問題を共有し、分析することができ、「とりあえずの議論のスタート地点」として定石たるソリューションを提示することができる(が、柔軟な調整まではできないので、問題を完全に解決することはできない)
(例:「負債か株式かという話では、定石としては、アレとコレを見て判断材料にするよな。さて今回のケースではどうだろう」「一般的にはCRMの打ち手としてはXとYとZがあるな。さて今回はどれが使えそうかな」)

レベル6: シニアコンサルタント、シニアバンカーレベル。 フレームワーク及び定石を念頭に置きつつ、既存知識の組み換え・組み合わせ・あるいはいくつかの閃きにより、今回のケースのためにアイディアをカスタマイズできる(ので、目の前にある程度わかりやすい形で問題を提示してもらえれば、それをおおむね解決することができる)。
(例: 「一般的には今回のようなケースでは負債発行が望ましいが、マーケット環境や経営者の嗜好を踏まえると、劣後債の方が良いのではないだろうか」「定石はメンバーズカードの作成だけど、顧客がメンバーズカードに飽き飽きしている状況を踏まえると、オンラインでコミュニケーションする方がいいかもしれない」)

レベル7:  経営者・アントレプレナーレベル。CFO,マーケター、CEO等として、提示された問題を解決するだけではなく、カオス的な現状のなかから自ら問題を発見あるいは定義することができる。ゼロの状態から財務戦略やマーケティング戦略等を立案・実行することができる。


■  自分についてみると、少なくともファイナンス系については、レベル5まではおおむね到達できていて、あとは卒業後の実務を通じてアドホックに顧客の問題を解決する経験を積み重ねることでレベル6までは到達できよう。レベル7まで行けるかどうかは、たぶん金融コンサル以外の世界に転身しないと難しそうな気がする。

■   他方、マーケティングやオペレーション・組織論の分野では、レベル3、せいぜいレベル4くらいにしか到達できていない気がする。自分はオペレーションコンサルタントになるわけではないのでレベル6にまでなる必要はあまりないが、履修したEntre. Finで感じている限り、ファイナンスの分野でレベル6になるためには他の分野もレベル5くらいにはなっておいた方がよさそうだ。「あーー、ここから先はマーケティングの話だね、俺はわからんから死んだふりしてよ」では足りないように思われる。マーケティング的問題や組織論的問題とファイナンス的問題の相互連関などを適切に把握して、マーケ的問題を解決することができる提携先を紹介したり、ファイナンス的問題を解決することで他分野に波及しうるインパクトを示唆したりすることができると望ましいだろう。単なる商業銀行の融資業務であればファイナンス一本勝負でいけるのかもしれないが(融資業務でも一本勝負じゃ無理だと思っているが)、よりチャレンジングな分野、たとえばPEやVCになると、経営全般に対する引き出しがないとかなりしんどいように思われる(授業にやってきたスピーカー達の話を聞く限り、投資業務といえ、勝負はファイナンス以外のところでつくような印象)。

■  というところまで整理できたのがようやく最近。そうすると、マーケティングや戦略論なども、「この話は顧客に関する問題を分析するためのフレームワークのひとつ」「この公式はフレームワークを使ったあとの定石的ソリューションの計算方法のひとつ」等、ひとつひとつのトピックに意義付けができるようになる。あるいは、自分のレベルではまだ難しいようなトピックについて、大胆にパスできるようになる。そういうわけで、今すきま時間にマーケティングの教科書を読んでいるのだが、一年生のときは文字の羅列にしか見えず嫌気があったのに今ではけっこうおもしろく読むことができる。そういう意味で、このEntre Fin.を取ってよかった。おかげで、他のMBAがもしかすると最初から到達していたレベルに、今更ながら追いつくことができた気がしている。

走りながら考える?

 昨日のエントリの続き(参照:Link)。昨日のリーディングに関して、派生的に思ったことについて。

■ きのうのリーディングは、

   ○   起業家にとって重要なのは商機を逃さないこと、そして実行力。念入りな調査・企画は最重要ではない。
   ○   理由1:競争が苛烈なので、アイディアを洗練させることよりもとにかく初めて立場を築く方が重要になる。
   ○   理由2:不確実性が高いので、調査しようにも詰め切れない。やってみないとわからないことが多い。

というもので、ありていに言うと「走りながら考える態度」が重要であるというものであった。

■  実際、自分が見聞きする範囲においても、起業家・経営者と呼ばれる人々は上記のような態度を基本スタンスとしている方が少なくない。戦略性・用意周到さを是としつつも、あくまで行動が伴って価値が出るといった感じ。

■   ところで、こういったスタンスとおおむね反対側にいるのが、学者・評論家なのかなぁと思っている。「走りながら考えて、結果を出す」というよりは、「考え抜いて、真理・あるいは理想を追求する」という感じ。

■   ところで、最近、経営者が日本の政治経済について論評したり、事業仕分け等を通じて政策のプロセスに関与する機会がかなり増えている。経営者あるいは元経営者の多くは、上記「走りながら考える」というスタンスに基づき、さまざまなアイディアを出して「駄目だったら修正するなり中止するなりすればよいのだから、何もしないよりはやった方が良いだろう」と呼びかけ、そういったアクションに対して官僚が守勢に回るといった状況が散見される。

■   この状況、これまでは自分としては良いことだと思っていた。しかし、昨日のリーディングを読んだ結果、少し考え方が変わってきている。「走りながら考える」ことは、いいことかもしれないが、絶対的にいいこととまでは言えないのではないか?と思うようになっている。

■  走りながら考えるやり方がアントレプレナーに求められるのは、まず走ることのメリットの方が考え抜くことによるメリットより大きいからである。その点、政策立案プロセスにおいては、まず走ることのメリットは起業家ほどには大きくないように思われるし、逆に考え抜かないことによるデメリットが大きいようにも思われるので、ビジネスほどには走りながら考える必要がないのではないか。

   ○   国家というのは定義上国内においては独占体であり、実業家の方々のような「俺がやらなかったら、明日にもあいつにやられてしまう」という競争にはさらされていない。外交や金融政策等、国際的な分野では他国政府との競争に直面するが、それも言ってしまえば寡占である。これはすなわち、政府がものごとを急いで決める必要性は、ビジネスと比較すると低いということになる。

   ○   リーディングにも書かれていたが、方向修正のコストの大小により「走る」と「考える」のバランスは変化する。方向修正に多大なコストが伴う場合、起業家といえど、ある程度考えることに対するウエイトを増す必要がある。その点、政府の各種政策というものは、方向修正のコストが滅茶苦茶大きい。消費税率がいつになっても変わらないこととか、具体例には枚挙にいとまがない。また、特に財政金融の分野では、政府や中央銀行に対する信任が重要。一朝一夕に対応を変えてもおかしくないとマーケットに思われてしまったら最後、今のような財政赤字水準で低金利を享受することは難しくなる。政府の方針はそのような点においてより「ブレない」ものである必要がある。

■   ここまで、ビジネスと政策決定の相違(競争の程度・方向転換コストの大小)を論じた。それにより、ビジネス的「走りながら考える」思考回路は政策決定の実務にそこまで完全にフィットするわけではないということを論じてみた。他方、政策決定は学術行為でないことも同様であることにも留意する必要がある。政策決定には常に不確実性が伴う以上、全員が納得するまで結論を出すことは不経済であるし、おそらく不可能だ。不確実性が伴う以上、現存の情報を頼りに、リスクを承知の上でとにもかくにも決断を下さなくてはならない。決断に躊躇しがちな点・意思決定に不慣れな点においては、官僚や政治家もある意味学者サイドに位置付けることができるように思われる。

■   昔から、経営者出身の人が日本の政治経済に対して「走りながら考えろ」と提言し、評論家等がその論理の不完全性をあげつらうという不毛なやり取りが散見される。これは、両サイドとも相応に正しいことを言っているのに、お互いが暗黙の前提として抱える思考回路が噛み合っていないので議論も噛み合っていないのではないだろうか。ビジネスマン出身者が「走りながら考えれば良い、というわけではない」ことを理解して、学者・官僚サイドの人が「不確実性は決めない言い訳にはならず、不確実性中でも最善の決定をしなくてはならない」ことを理解することで、現状の政策運営の「空回り感」は多少なり解消されないものかと感じている。

※  ちなみに、そんなことを思っているため、政治家経験者なのに下手な経営者出身者よりもよほど勢いよく(軽いノリで)「やってみようぜ」みたいなことばかり言っている元政治家なんかのことを、自分はどうも好きになれない。軽すぎる。。

Friday, November 25, 2011

えいご

英語について最近感じていること。

■   ミスに対する鋭敏さが、(良くも悪くも)ますます低下している。

ミーティングで単語が出てこなくても、気にせず時間をかけて「えーと、えーと」とやっても罪悪感をあまり感じなくなったり。あるいは、たまにブログに英語のリーディングを自分なりに咀嚼したものを書いているが、もはや原文と自分の文章の整合性など1ミリも気にならない。ミスっても躊躇しなくなるという心的状態を達成するだけなら、とりあえず1年ちょっとである程度は達成できたのかもしれない。流暢に英語を操るという本来の目的からは程遠いのだが、「とりあえずゴルフで100切った」という感じだろうか。


■   「学ぶ=まねぶ」はガチ。

聞き取り能力、自身の発音、語彙等、すべての点において、こちらに来て同級生とのやり取りで揉まれたおかげで英語力が上達した感覚がある。打ちっぱなしでしか練習していなかった人が、実際にゴルフコースに出ることですいすい上達するような感覚。逆に、海外に出ることもなくいきなりTOEFL100点以上取ろうとしていた昔の自分の効率の悪さといったら...


■   進行形・現在完了形を多用するようになった。

とりあえずI amといってから考えれば良い...というヘタレな側面もあるが、普通に現在形を使う頻度は極端に少なく、もっぱら現在進行形あるいは現在完了形でしゃべっているような気がする。


■   ごまかし表現が増えた。

You know, kind of, wellとかを結構言葉と言葉の間に挟むようになった。しゃべりの上でナチュラルさは出ているのかもしれないが、もしかすると書きがラフになってしまっているかも。


■   二重人格度が増している。

同じ人に対するときでも、日本語ではぺこりぺこり、英語では胸を張って歯を見せて「Hey, hou are you!」と握手を求めたり。郷に入っては...ではないが、やはり当地ではアメリカ式に堂々と振る舞う方が自然。自然に振る舞おうと思えば、結果的に二重人格になる感じ。自分は留学生でまだ「へへ、俺二重人格じゃん」と楽しんでいれば良いが、こちらが長い人などで、たまにこの二重性にわりと真剣に苦しんでいる人がいたりするのを見ると大変そう。。

■  メールとFBがちょっとした訓練になっている。

 同級生とちょっとした日程調整をするときでも、彼らのラフながらも簡潔でかっこいい表現とかを見ると勉強になる。FBも然り。フォーマルな英語とラフな英語がこうも異なるのだということを体得できる。数十年前の留学生と比較して、この点は圧倒的に恵まれていると思う。

以上とりとめなく...

戦略的起業??

アントレプレナーシップと戦略に関するHBSのリーディング。超ざっくり言うと「みんな、そんなに考え抜いたうえで会社作ったわけじゃないから。成功要因はビジネスプラン以外のところにある」みたいな感じのもの。


■   商機をつかみ損ねるようでは、いくら入念な分析をしても却って害になるだけ。

   ○   1月に始めていれば成功していたビジネスは、12月に始めても成功しない。詳細な分析は往々にして適切なタイミングでの参入を遅らせるだけのものだ。

   ○  教授が学生を使って1989年に500社に対して行った調査によると、成功した起業家の多くは調査・分析にはさほどの時間を費やしていない。ちゃんとしたビジネスプランを書いてから始めたのは全体の28%に過ぎず、41%はビジネスプランなど全く書くことなく事業を始めている。実際の顧客とのやり取りを通じてビジネスを進化させているような事例がみられる。

   ○   1990年にNational Foundation of Independent Businessにより行われた2,994のスタートアップに対して行われた調査によれば、調査や企画立案に長い時間を費やした創業者が最初の3年間を生き延びる可能性は、企画立案なしで単にチャンスをモノにした創業者の生存可能性より低かった。   


■   しかし、成功した起業家が皆戦略なしに無為にリスクテイクしていたかというと、そういうわけではない。

   ○   彼らの多くは、「入念な分析」と「無為無策」の間にある「迅速でお手軽なアプローチ」を使っている。起業家は完璧を期していない。一般的な企業実務とは異なり、アントレ的アプローチは経済的で時宜にかなっているものなのだ。その一般的な分類は以下の3つで、以下これらについて論じる:

   1.   すぱっと商機を嗅ぎ分け、いいアイディアと悪いアイディアを選り分ける

   2.   ぱっとアイディアを分析する。2,3の重要な論点にフォーカスする。

   3.   100点満点の答えが出るまで動かないのではなく、分析しつつ行動する。方向転換する準備を怠らない。


1.   迅速なスクリーニング

   ○   駄目なアイディアをすぱっと切り捨て、少数の見込みあるアイディアに集中すること。いいかダメか選り分けるのはデータではなく判断力。アイディアの良しあし、あるいは実行力の有無について、下記のクライテリアなどを参照しつつすぱっと判断すること。

   ○   多くのベンチャーは、創業者が顧客あるいは従業員として実際に経験した問題を解決するために作られていることが多い。大学出の若者がゼロから築き上げる事例はレアケースだ。自分の調査によれば、71%の起業家は過去の仕事で遭遇したアイディアを修正あるいは模倣することでビジネスを始めており、20%は偶然アイディアを見つけている。調査の結果アイディアをひねり出した人は全体の4%に過ぎなかった。

   ○   素晴らしいプロダクトを作ることや商機に繋がる外部要因の変化を察知することは重要。しかし、同様に重要なのは実行力。とりわけ、簡単にパクられないようにするための実行力が重要。特許取得、秘密保持、ブランド確立等、参入障壁を築き上げる実行力が重要。

   ○   似たようなアイディアを複数の人が持っているような状況では、アイディアを洗練させた人よりも、とにかく初めて迅速に成長させた人が勝つ。


・  スクリーニングにおける3つのポイント

   ○   世界を変えるのか、ニッチなのか:野心的な目的をもつ会社なら強いクリエイティビティや実行力が必要。ニッチを捉えようとする会社なら、ものすごく斬新なアイディアを持っている必要はなく、単にあなたが見つけたニッチの顧客を満たすようなプロダクトを用意することだ。また、ニッチの場合、顧客教育コスト・流通や生産におけるイノベーションはペイしないのが普通。既存の流通網を使って、既存の枠組みの範囲で、既存のニッチ顧客にサーブすることが肝要。自身のビジネスがどちら側なのか検討すること。

   ○   外部環境は変化しているか:新しい、あるいは変化している業界で商機を見つけることは、成熟した業界で商機を見つけることよりも容易。成功するまでの実行の段階では大きな不確実性が伴うが、それでも外部環境の変化(新市場の登場・既存市場の変化)が成功のための大きなレバレッジを提供してくれるのは確か。

   ○   バランスシートで勝負するのか、人の才覚で勝負するのか:資産(工場・ブランド・ホテル等)の良しあしが勝負の決め手の場合、そういった資産を蓄積することは自然に参入障壁となる。スタートアップがこういったビジネスに食い込むためには、技術革新などがマストだ。他方、人の才覚が勝負の決め手となるようなコンサルティングやヘッドハンティングのようなビジネスであれば、決め手のかなりの部分が創業者の才覚となる。ただし、組織として大きくするためには、創業者は組織化に関する能力にも長けている必要がある。すなわち、良い人材を採用するスキル・従業員のインセンティブを良い方向に刺激する能力など。


2.   アイディアを「ぱっと」分析する:

・   NPVのような包括的かつシンプルな尺度など使えない。ケースバイケースにいくつかの論点について検討しないとならない。主なものは以下のようなもの:

   ○   資本集約度
   ○   高マージン
   ○   低固定費
   ○   廃業コストの低さ
   ○   なるべく早い段階で失敗を認識し、引き返せること
   ○   失敗しても時間・金・評判などを極力失わないこと
   ○   流動性:他の商機に移りづらいような非流動的なビジネスは創業者にとってシンドイ
   ○   創業者の価値観や求めるもの:デコボコ道を進み続けるためには、情熱の維持が必要。
        野心的なビジネスには狂信的と言えるほどのコミットがある人が適しているし、逆も然り。
   ○   人で勝負するビジネスの場合、育ったところで売るというのが難しいので、長期的なコミットが必要。


3.   お手軽な企画・分析

・   出発点として、起業家はリサーチに費やす時間を極小化して、行動に時間を割く必要がある。起業においては通常の企業戦略よりも論点が多く、そもそも困難。考えるべくは以下のようなもの:

   ○  不確実性の存在を認識すること。そして、その不確実性は、調べてなんとかなるものではない。
   ○  できない調査をしようとしない。
   ○   FedExのような野心的なベンチャーを作るわけでもないなら、包括的なビジネスプランは不要。
   ○   売上予測はとりわけ困難だが、顧客(購買プロセス・プロダクトの使い方)を理解することは有益。
   ○   参入障壁
   ○   ニッチ:規模の経済性がないので、顧客獲得コストが便益にペイしない可能性があるので注意。
        また、既存品に対する圧倒的な優位性がないと、顧客は自社プロダクトには移行してくれない。
        また、協力者(販売代理店等)の取り分が過度に小さいようではビジネスが続かない点にも注意。
        ニッチなら良いわけではなく、然るべきコストは必要で、それを回収できるか検討する必要。
   ○   変化が速い業界では、戦略よりもオペレーションが重要なことが多い。製品開発計画や採用など。
   ○   才覚勝負の世界では、商機分析の暇があれば、今目の前にある商機をつかむことに専念すべき。
        組織に関する戦略は予め練っておくほうが良い。
   ○   ここまで分析の無意味性を強調してきたが、短期資金繰りに関する簡単な計算は身を助ける。


■   戦略と行動の統合

   ○   そもそも行動とプランニングを切り分けることは困難。行動しないと詰め切れない戦略も存在。
   ○   戦略が定まり切る前に動くメリットが存在。
   ○   スタートアップの規模により、試行錯誤できる程度が異なる点には注意。
   ○   ステージに分けて分析することもできる。ちょっと分析しては動いて・・・
   ○   迅速な改善が鍵。問題直面→分析というので良い。
   ○   スマートかつ傲慢であれ:誤りを修正できる程度において傲慢とも言える自信が必要。

Thursday, November 24, 2011

Thanksgiving

■   Thanksgiving Dayだが、ターキーもショッピングへの行列もなく、平穏な一日。妻子が遊びに出てくれたので、むしろ普段よりもがっつりと勉強することができていい一日だった。

■   勉強中なんとなしに思ったことをメモ。
 
   □   情報収集と情報分析は別モノ。より付加価値が高いのは情報分析なんだろうけど、けっこう情報収集だって楽ではない

   □   企業の各種行動を分析することと、企業内でなんらかの行動について企画立案することは別モノ。息抜きにマーケティングの教科書を読んだのだが、「分析のためのツールを得たい」と思いながら読むのと「マーケティング戦略を策定したい」と思って読むのでは同じ本でもまったく読み方が変わってきそうだなと思った(例えば、How to develop marketing planみたいなトピックは、分析ツールを学びたい自分にとっては今のところ読む気が起きない)。

   □   マーケティングの教科書に出てくるSalesの話というと、経営者目線で、誤解を恐れずに言うと「駄目なセールス担当者でも売り上げを取れるような仕組みづくり」みたいな感じがする。セールス担当者個人個人のボトムアップとか、より良い顧客の落とし方といった、現場担当者目線の話はあまり出てこない。まあでも、日本でもアメリカでも、スーパーセールスマンと言われるような人々は学問的アプローチというよりは経験則による他人による再現不可能な個別の技によって顧客にアプローチしているような気がするので、マーケティングという学問がこの分野をカバーしている必要もないのかもしれないが。

   □   少なくとも自分の会社については、営業担当者におんぶにだっこの側面が強く、もう少しマーケティング戦略のようなものがあってもいいのかもしれない。販売する商品から販売する先、あるいは売り方といったところまで、あまりにトップダウンの押し付けがあっても現場はやりづらいだろうが、現場にお任せではやや効率が悪いのではないだろうか。

Wednesday, November 23, 2011

レバレッジ

■  日本人とアメリカ人、と言うか自分とクラスメイトの違いのようなものについて。この違いは日本人にわりと一般的にあてはまる気もするが、念のため自分の特性として日本人全体の特性とまでは言わないことにする。

   ○   自分はどうも、「普段から鍛錬を重ねておけば、本番では力が『出る』」という考え方に立脚して行動しているように思われる。すなわち、日々の鍛練と本番でリラックスして自然体で臨むことが重要であり、本番では「結果として」100%のパフォーマンスが発揮されればという感覚。

   ○   他方、アメリカ人は、普段の鍛練の有無や程度はさておき、本番で120%の力を出す印象が強い。普段ゆるーく遊んでいるような同級生が、試験当日に驚異的に細かい文字のCheating Sheet持参で目を真っ赤にして試験に臨む。

   ○   その結果が、「終わってみれば平均点はとても高く、ふたつほどケアレスミスしてしまった自分は最早平均点集団に飲み込まれ...」みたいな。

   ○   なんというか、彼らにはレバレッジ力のようなものを感じる。実力以上の力を発揮する能力というか、当日に大爆発できるようなメンタリティが備わっているというか。ゴルフとか見ていても、日本人選手と比較してアメリカ人選手は爆発力がある気がするし。今度同級生に仮説をぶつけてみようかと思うが、自分が考えているような「普段から頑張っているのだから、今日は普通にやれば大丈夫だよ」的な発想は彼らにとって弱々しく聞こえるのかもしれない。

   ○   このレバレッジ力を感じるのは、試験のときと、グループワークのとき。自分は大抵締切前日には気持ちの上で一段落してしまうのだが、アメリカ人同級生は得てして締切1時間前あるいは締切直前までハイテンション。これまでは「どうしてもっと早く燃えないんだ」と一方的に批判的に見ていたが、見方によってはイケてないのは自分の方なのかもしれない。この「アメリカ人のレバレッジ力」あるいは彼らの燃えるタイミングを理解できていれば、彼らが燃えるまでちゃんと待ってあげることができて、結果として誰もかれもが直前に燃えてすごいアウトプットができあがる...ということが期待できたのかもしれない。

   ○   また、もしかすると、このレバレッジ力をEmbraceすることこそが自分に残された数少ない成長余地である可能性もある。日々の鍛練はそこそこできている。それに加えて直前に今一度燃えることができるようなメンタリティを身に着けることができたら、割とすごいことになるのではないか。。。まああちらを立てればこちらが立たないということになってしまいそうだけれど。。。

Tuesday, November 22, 2011

実はすごいぞベルルスコーニ

火曜日。

■ ミーティングが終わってから、チームに2人いる交換留学生と雑談。面白かったのでメモ

   ○   ベルルスコーニは、まあ女好きだし権力へのしがみつき方も他国から見たら汚いかもしれないが、ビジネスマンとしては世界でも有数のタマで、尊敬してよいと思う (イタリア人同級生)

   ○   UCLAは思いがけず不動産が強い。知らずに来たが、たまたま取った不動産の授業とか超面白いやっぱ不動産はアメリカだよね(スペイン人同級生)

   ○   戦略系の授業が少ないのが気になった(両方)

■  夜には、先日の大学の同窓会での縁を頼り、近所で開催されている日本人日系人のコミュニティにお邪魔。現地で活躍するビジネスマンの話を聞いたり。なかなか面白かった。日本人ばかりと思っていたらけっこう外国人もいて、「おじぎして挨拶」と「胸をピンと張って握手」の切り替えに四苦八苦。

   ○  こういう場に来ると(こないだのボスキャリもそうだったのだが)、MBA教育はさておきMBAの授業やグループワークで外国人に揉まれまくっているこの環境はかなり恵まれていることがわかる。自分が思いがけずコミュニケーション方面で鍛えられていることがわかるのだ。学校だけにいるとコミュニケーション力不足に自信を失ってばかりなので、たまにこういう場で自己満足に浸るくらい許してもらおうかと。。

Monday, November 21, 2011

ベンチャー企業と中小企業

■   月曜日はEntrepreneurial Financeの日。もう一日このために使うといっても過言ではなく、別記事に書いた教授とのミーティングとかを除いたら、朝から夕方の授業開始までひたすらミーティングで論点を詰めて、夕方から3時間かけてみっちりと授業を受けて。毎度毎度、授業が終わる7時にはヘトヘトになってしまう。。


■  今回のテーマのひとつはベンチャーキャピタル。で、しっかり、元教え子のベンチャーキャピタリストが教室にやってくる。教授との付き合いも長いようで、課題のケースのことを知り尽くしており、こちらが言う各種アイディアに対して現場目線のフィードバックを返してくれて面白い。また、ケースをやっつけた後にはその人の仕事や考え方についても話をしてくれるので実に面白い。教授が年で人の話をそこまで柔軟には聞かないところなどを割り引いても、本当にこの授業は素晴らしい。

■  で、せっかくだったので、今のリサーチでもやもやと問題意識を持っていた「ベンチャーと中小企業の違いは何か」と尋ねてみた。すると

「VCが投資したくなるようなビジネスがベンチャー企業で、そうでないのがスモールビジネスだ。VC投資は10社中2,3社がホームランならそれでよいと言うビジネス。ホームランになってくれないなら投資する価値がない。ニッチでもWorld Changingでも何でもいいが、いずれにせよビリオンレベルの強いマーケットポテンシャルやそれをグリップできるだけの経営力などが要件になると思う」

という回答が来た。ややVC寄りの偏ったアイデアな気もするが、これまでのベンチャー対中小企業という分類で一番腑に落ちた。

■  そこで改めて思うのだが、今の日本でベンチャーあるいはベンチャーキャピタルは拡大しうるのだろうか。ビリオンレベルのマーケットが重要なら、日本発という時点でかなり厳しくないか。シリコンバレー発なら、アメリカ人の30%を捕まえるだけでも1億人の顧客が見込めるし、英語なので容易にグローバル展開できる。その点、日本発ベンチャーは日本語あるいは日本文化という特性があるゆえにグローバル展開も難しいし、国内市場だけでは上記ベンチャーの定義にあてはまるようなホームランが出る可能性も高くない。ヒットしてもたったのウン億円ということでは、やはり盛り上がりに欠けてしまうのではないか。。これまでは「ベンチャー=IT」みたいなものすごくラフなイメージしか持ち合わせていなかったのだが、その点において、日本の殆どのITスタートアップはベンチャーとは言い難いのではないか。。

■  ベンチャーキャピタル投資に見合うビックジャンプが望めないのであれば、エンジェルに頼るか、あるいは伝統的な銀行融資と自己資金でファイナンスすることになる。いまぼんやりと思っているのは、日本では相当程度そういった伝統的ファイナンスで十分なのではないだろうかということ。むしろ、下手にベンチャーキャピタルが対して成長が望めない会社にファイナンスしてあげてしまっているという側面があったりしないのだろうか。。爆発的な成長が見込めないのであれば、自己資金でオーガニックに成長した方が変にVC資金を入れるよりもフィットしているのではないか。。



とか何とか思うなど。と言いつつも帰国したらベンチャーキャピタルで働きたいとか思っていたりするのだが。。

教授は使い倒してナンボ

月曜日。

■   朝一でリサーチ関連で担当教授のところに報告へ。これまでのインタビューの中で見えてきた各種論点(マーケティング、人事、ファイナンス等)の気づきについて仮説を披露。アントレを教えている教授なので「え、それだけ?」とか「イマイチ」とか言われてしまうことを懸念していたが、「悪くない」とのコメントを貰えて一安心。またいくつかビビッとくるアドバイスも貰えたし、なんとなく作業が形になってきている感覚があるし、ここ最近の各種お付き合いの結果インタビューのタマも増えつつあるし、結構テンションが上がっている。

   ○  あと、開始当初に「こうなればいいな」と思っていた通り、アントレプレナーシップやマーケティングや組織論といった非ファイナンス分野について、多少足を突っ込んだことで関心がかなり高まってきている。いまからコアの科目を受け直したい思い。来学期ひとつマーケティングの科目を取っているので、教授次第ではあるがひとつ楽しんでみたいと思っている。

■   昼休みには生徒会が新たに始めた企画に参加。

   ○   会の題目はわからないが、要は教授にいまの研究内容をシェアしてもらいつつランチを食べようというもの。Brown Bagなんちゃらって、けっこうどこの学校にもあるのではないだろうか。

  ○   一回目の担当が、自分がかつて国際金融を受講した教授であったことからなんとなく参加したが、これが当たりで面白かった。その教授はケロッグから移籍してきたばかりのシカゴPhDなのだが、授業はどうも簡単過ぎてつまらなく、いつも「お前はそんなもんじゃないだろう?」みたいなことを思っていた。

   ○  しかし今日のその教授は自分の専門分野なので絶好調。具体的にはCDSマーケットの取引高(たしかネットの想定元本)95%がたった5つの投資銀行に集中しているという話で、肝心な考察部分は来月の学会発表まで内緒とのことであまり突っ込んだ話も出てこなかったのだが、実に面白いディスカッションでとても楽しかった。

   ○  思うに、多くの教授が、自分の専門分野を教えているというよりは全世界のMBAである程度定型化されているコンテンツを仕方なく教えているのだろう(一部の看板教授がElectiveで自分の専門分野を教えていることもあるが)。そういう意味で、いくら一流教授といっても、授業だけではその教授を味わい尽くすことは難しいように思われる。であるからこそ、今回のような教授の関心分野について直接話を聞くことができる機会は非常に面白かった。また是非行きたい。


■  リサーチも然り、昼の勉強会も然り、授業以外でも教授を使い倒してナンボだなぁということが強く感じられる一日であった。授業だけじゃなくて色々な機会を使って教授と話をすることで、MBAの費用対効果はうんと改善するということが感じられた。

しかし、翻って考えるに、自分の学部時代とか、まったく教授を有効活用しようなどと思ったことがなかった。なんて無駄をしていたことか。嗚呼。。

Sunday, November 20, 2011

週末まとめて

週末ダイジェスト


■ 土曜日はゴルフ。相変わらず90が切れない。というかここ3ラウンド連続で91な気がする。。

   ○ わりと年配の方も多い集まり(30代~70代)なのだが、自分と同じ大学を出て大企業勤めを経て引退したような人が、いまはただのフリーターなのに偉そうにしていて、他の人にそれとなく疎まれているのを見るなど。なんというか、いい人なのだが、「端々に本性が出てしまう」というゴルフというスポーツの悲しい性か、要所要所で傲慢さがにじみ出てしまっている。あわわ、これって将来の自分も陥りかねない罠。。かなり自戒の必要を感じた。

   ○   帰宅後勉強、、なんてできっこない件。ゴルフ後の眠さは不思議なくらい。あと、なぜか翌日顔がむくむのは何故。


■   日曜日は昼に学部の同窓会という渋いイベント、夜に留学先の学部生のホームパーティに混ぜてもらう。

   ○   同窓会。余興として急遽数日前にプレゼンを依頼されたので、今やっているリサーチについて自分の頭の整理もかねて披露。思ったよりは受けたが、そんなには受けなかった。なんというか、ビジネス以外の世界に軸を置いている人(学者、建築家、医者等)にビジネスの話をしたり、逆に彼らの話を聞くというのはブレーンストーミングにものすごく有用な気がした。自分のできること・できないことがよりくっきりと相対化できるような気がしたし、自分が無意識に頼ってしまっているビジネスにおける暗黙の前提みたいなものも相対化できるような気がした(自分が無意識に前提をすっとばして喋ってしまうと、皆がキョトンとしてくれる)。

   ○   自分の癖なのかもしれないが、どうも、後輩の話は素直に聞けるし応援したくなるのだが、先輩の話は斜に構えて聞いてしまう。単に自分が小人物ってことであるような気もするが、もう少しバランスを取ったほうがいいような気がした。

   ○   あと、思わぬ副産物として、学部生との飲み会ではMBAの1年生とも交流できてそれも楽しかった。意外とMBAも1・2年生でがっつり交流することも少ないような気がするので(自分がさぼっているだけかもしれないが)。


■   そして残ったのは大量の宿題類。。。

Friday, November 18, 2011

ベンチャーキャピタリストの思考回路

Entrepreneurial Financeのリーディングのメモ。何人かのベンチャーキャピタリストに対して、いくつか定型的な質問を行い、その回答を比較できるもの。
VCについてまったく肌感覚のない自分であるが、それなりにうなずくところも少なくない。
※カッコ内は自分の感想とかツッコミとか

Aさん

■  商機の評価
   ○   急成長しているマーケットが好ましい。なぜなら他社のキャッチアップが難しくなるから。
   ○   競争力の源泉があると望ましい。eBayのようなネットワーク効果とか。
   ○   特許は必須条件ではない。特許取得によるリスクもあるので。
   ○   取得しようとしている特許について先行特許のないことを確認することは必要。
   ○   チームは、エンジニアの創業者・セールスを知る起業家の最低2人は欲しい。
   ○   CEO的素質と起業家的素質は異なる(ので、まだいらないということか?)
■  ビジネスモデルの評価
   ○   評価軸は、既存市場での改善案 OR まったくの新市場
     (既存市場でのニッチはスケーリングできないから対象外??)
   ○   タイミングも超重要。世に出るのが早すぎたゆえ失敗したところも、逆の事例も存在。
■   デューデリジェンスのポイント
   ○   技術
   ○   顧客。誰が既存/潜在的顧客か?彼らのWTPは?
   ○   業界
   ○   チーム
■ 財務分析
   ○   財務分析自体はさほど重要ではない
   ○   そこまでかっちりとはやらない。経験則に照らしてざっくりと検証する程度
   ○   不確実性が大きいので予測を信じても仕方ない
   ○   他方、経営陣が信頼できるかどうかの尺度としてプロジェクションのできの良さは見る
   ○   ビジネス要素に弱いからといって、ギークなエンジニア起業家を拒絶するとは限らない。
   ○   ソフトウェアであればCost to Dist.やCost to Sellがしっかり検証されているかは見る
   ○   ハードウェアであれば、流通チャネルや在庫の見積もりがしっかりしているかは見る

Bさん

■   商機の評価
   ○   まずマーケット先にありき 。サイズ・成長性・競合・顧客などを総合的に見る。
   ○   マーケットさえ良ければ、それ以外のもの(含チーム)は入れ替えがきくというスタンス。
   ○   素晴らしいマーケットを捕まえつつあるがチームがイマイチというのが良い。入れ替えれば価値が出せる。
   ○   それゆえ、有望なマーケットがどこか、ファーム全体で常に見ている。
   ○   投資時点ですでにプロダクトができているかどうかは重要。
   ○   人の入れ替えに耐えるような柔軟なチームが望ましい。
   ○   有為な人材を容易に得られるのはシリコンバレーとボストンだけ。それ以外の地域の案件は躊躇。
■   ビジネスモデルの評価
   ○   最低限、その事業のマージンおよび流通チャネルについては完全に考え抜かれている必要がある。
■  デューデリのポイント
   ○   顧客がつきうるか否かが第一。技術が優れているからと言って即座に投資することはない。
   ○   過去のポート企業に照会したりする。
   ○   過去の謝絶案件を定期的にレビューする。謝絶したが成功した企業があれば反省したり。
■   財務分析
   ○   詳細なプロジェクションはどうせ当たらないが、Make senseするかは検証する
■   その他
   ○   リーダーあるいはリーダーになりうる企業に投資することがリスク軽減につながる。リーダーは
      ◆   より高いマージン
      ◆   失敗に耐えうるクッションがより大きい
      ◆   おそらく業界で最初にIPOしてくれる
      ◆   業界で最高の人材を雇うことができる。
   ○   リスクの高さを考えると、初期投資の7倍から10倍は期待する。5倍程度しか見込めないなら謝絶。
   ○   常にExitの最優先候補はIPO。第三者への売却は有りうるが現実性低。


Cさん

■   商機の評価
   ○   マーケット・技術・プロダクト等を一通り見るが、チームを特に重視
   ○   我々がCEOを変えることもあるが、経験的に、その場合のリターンは低くなる
   ○   既存のCEOでIPOまで行くことができそうな案件は、それゆえ有望
   ○   優れたCEOがいれば、仮に技術が突き抜けていなくても投資する。
   ○   逆に、他の全てが良くても、TechnologistすなわちギークなCEOには投資しない。
   ○  セクターを重視。良いセクターに投資できれば、我々が仮にボンクラでもリターンは出る。
   ○   ITセクターでは経験則が使える。例えば$50M売上を出せているなら$100M~$200Mは高確率で見込める等
   ○   マーケットはそれほど重視しない。ポテンシャルがあっても、マーケットが成長するかどうかは不確実。
   ○   極端な話、マーケットの大きさがわからなくても投資する。
   ○   特許はさほど。大企業がその気になればいずれにせよ特許は侵害される。
   ○   今の時代、技術を守るのは特許ではなくスケーリングとブランディング。
■   ビジネスモデルの評価
   ○   価格政策
   ○   顧客獲得戦略:Sales force、チャネル、販売範囲
   ○   技術
   ○   財務:特に運転資金をちゃんと考慮できているか
■   デューデリ
   ○   チームと財務を見る。
   ○   顧客はさほど重視していない。
■   財務分析
   ○  チームが経営するに足るかどうかを確かめるために見る。
■   その他
   ○   IPOがベストだが、売却も現実的な選択肢として検討。


Dさん

■   商機の評価
   ○   マーケットを重視。既存プロダクトを置き換えるものなのか、全く新規のものなのか。
   ○   B to Cは回避したい。というのは:
      ◆   マージンが薄い
      ◆   マーケティングコストが高くなる
      ◆   消費者心理を読む必要が出てくる
      ◆   ただし、インターネットビジネスではこれらの障害が問題にならなくなることもあるので是是非非
   ○   技術:他の技術に負ける可能性を検証。
   ○   タイミングは重要。
■   デューデリ
   ○   投資時点で顧客がついている必要はない。
   ○   関係者からコメントを取る
■   財務分析
   ○   費用からまず見る。損益分岐点は基本的だがつかえる。
   ○   売上予測は信用せず、自分たちのモデルを使って売上予測を行う。出てくる数字は得てして過度に楽観的。
   ○   トップダウン式見積もりは好まない。極力具体的なボトムアップ式見積もりをする。

Wednesday, November 16, 2011

Free rider

 水曜日。

■  朝一の計量経済の授業にかなり飽きてきている。

   ○  教授が教えることに興味がないことには2週目あたりから薄々気づいていたが、最近はもう完全にやる気なし。脈絡なく色々な話をして、疲れたら休憩、その後時間になるまで宿題のプレゼンを色々な人にやらせて茶々を入れておしまい。話題がアメリカ経済なので、こちらで既にエコノミストとか債券畑にいたような人たちは楽しそうに「雑談」を楽しんでいるが、自分はもう全然だめ。

   ○  唯一の救いだったのは、韓国人のTAが真面目なこと。宿題は教授がまだやる気があった数年前の使い回しであるようで、分析からデータをうまく加工するやり方まで幅広く学習できるように設計されている。この宿題についてTAが丁寧に質問にも答えてくれるし採点でも色々コメントをくれるので、前職がエコノミスト(的)だった自分にとっても多少の+αを得ることができている。このTAの丁寧さがなければ、この授業はただの時間潰しで終わっていたことだろう。学期開始直前に名物のアントレ科目からこの科目に変えた当時の自分の思考回路を心から問い詰めたい。

   ※  しかもその名物アントレ科目、来学期とればいいやと思っていたら、来学期のビッドで落としてしまいまたしても履修できないことに。。。最終学期に持越し。


■  その計量経済の授業でグループ課題があったのだが、完全なまでにフリーライドする奴にめぐりあってしまった件。

   ○  1年生のときはこんなに逃げ通すやつは見たことなかったのである意味驚き。最早すべてのグループ課題は終了したので、彼のフリーライダーは確定。

   ○   リーダーシップとかアントレプレナーとか色々言うけど、宿題で多少の協力もできない奴にそういったリーダーシップが取れるとは到底思えないのだが。

   ○   割と重要なこと、これを外しちゃまずいでしょってことをあっさりとViolateしてくれる奴が留学先では実に多く見かける(重要かそうでないかということに対する考え方からして違うのかもしれないが)。それでも世の中はなんとか回っていく(自分その他の人が宿題をやってあげたりすることで...)ということはわざわざ米国まで来て学んだことの一つかもしれない。日本ではもっと早い段階で焦り始めて「おい、お前大丈夫か」と急かすところを、こちらでは自分も多少は鷹揚に「まあきっと最後までにはやってくれるよ、駄目でも俺がやればいいじゃないか」とか思うようになってきている。

   ○   まあ色々同情するところもある。作業がたいしたことないので、5人いても最初の3人くらいが働けば宿題が終わってしまうという側面があったりとか。頼りになるはずの日本人が集まったジャパントリップ準備でも、サボタージュやフリーライディングや遅延行為が少なからず発生したこともあり、この問題は個人のクオリティの高低だけで説明できる問題ではないと考えている。

   ○   でも、いくら同情の余地があるとはいえ、フリーライダーはフリーライダーであり唾棄されても仕方ない存在だし負け組だと思う(さぼって及第点を取るので、ROIが高いと言う意味で勝ち組と言えないこともないが)。

   ○   問題は、以前にも書いた気がするが、皆がPlay the same gameすること自体が難しいということ。就職さえ決まれば日々の宿題なんてどうでもいいとか思う人もいるし、日々の授業をしっかり楽しみたいという人もいる。そういった、皆の目的意識が異なる環境下、
 
      ◆   【再発防止】フリーライダーが出ないようにするためにはにはどうすればいいのか
             (しかも、得てして、目的意識を揃えるのも容易でない。
               その点、金とかポジションである程度縛れる会社はある意味楽だよなぁ)

      ◆   【事後対応】フリーライダーが結果として出てしまったとき、どうすればいいのか

      という2つの問いに対する答えはいまだ見つかっていない。日々の四苦八苦の結果たまたまうまくいくこともあるが、いまだ「勝ちパターン」のようなものを見つけるには至っていない。個別具体的な四苦八苦が対処療法的には有効だが、根本的解決のためには「駄目そうな奴とは組まない」「駄目な奴は排除する」しかないんじゃないかと思わずにはいられない。感情的にややこの2つの案は極論に思えてならないのだが、ベターな案は見つかっていない。なんか組織論で教わった気がしないでもないし、教わっていない気もする。むむ。。。

Tuesday, November 15, 2011

背水の陣

■   火曜日。勉強したり買物に行ったり。

   ○   時差ボケが来ているのか強烈に眠い。なんだこれは。。。

   ○   リサーチについて、ちょうどインタビューラッシュが一段落着いてテンションが下がった頃に教授から「そろそろ報告に来い」と連絡が。なんて有難いタイミングなことか。。汗 それにしても、ヒアリングを日本語で行っているし自分の能力の問題もあり忘れる前に日本語でメモを作成しているのだが、教授に提出するまでにはそのメモを英語にしないといけない。これが強烈につまらない作業で困ってしまう。。すでに記録したものを翻訳することの意義の薄さみたいなものが無意識に頭をよぎるのか、全然テンションが上がってこない。。

  ○  戻るところがあっては本気で勝負できない、背水の陣で臨まなくては駄目だという話を最近のリサーチではよく聞く。成功者のほぼ全員がこのことに言及する。今のように、始めたリサーチが中だるみになったとき、その意味が非常によくわかる。自分はこのリサーチをやってもやらなくても卒業できるし会社の給料も何も変わらない。自分という人間の限界がこの辺にあるようで、このようなぬるま湯の状態でテンションを燃やし切れていない。。というか、背水の陣に自分を追い込むために教授と組むことにしたわけだし実際教授もムチを入れてくれているのだが、それでもだらけてしまう自分に萎える。。

Monday, November 14, 2011

旅行明けはしんどい。。。

 ボストン出張の疲れも取れぬまま月曜日に突入。

■  もっとも重いEntrepreneurial Financeの日だが、これまで散々貸しがあると思い込むことにして「今週は俺は忙しいから、ケースは読むが問題は解かない。お前ら準備よろしくな」と何様モードをさせてもらいボストンに飛んでいたので、今回のディスカッションでは主に聞き手として働いた。

■  驚くことに、今回のディスカッションは非常にワークした。誰もフリーライドせず(俺がフリーらいだ?)、皆が他人の意見を尊重しつつ議論すべきところは議論して。勝因を推察してみるに、

  ○  ふだんと役割分担が違った(いつもあまり予習せず聞いてばかりの人が予習をリードして、いつもついつい予習しすぎて彼らをリードしているようでミスリードしてしまっている自分が聞き手に回って)

  ○  その場で一からやった。多少の予習はあったが、重要なポイントは皆でその場で一から考えていった。普段は自分が作ったものをその場で開陳したり前日にDropboxに保存して見てもらっていたりという感じだったのだが、その場で一からやることで自分を含め全員の頭がよりCultivateされたように思われる。

  ○  いわくつきのメンバーJちゃんが今回は「お勉強」できていなかった。というのも、彼女の「お友達」が週末LAの外に出ていたことから、おそらく「情報交換」することができなかった模様。毎週の恒例となっていた「ここが重要なんじゃないかな」という唐突なネタバレが今週はなく、学びがDistortされなかった印象。


■  おかげで授業でもわれらがチームはいつになく活躍できた印象。自分もついつい短文でしか回答できていなかったのに、今日はアメリカンに「3の内容を言うために10くらいだらだら喋る」的な回答をすることができたというか、やってしまったというか。。でもやっぱり、そういうDiluteされた発言はアメリカ人の先生に受けるんだよな。。



■  そういえば今週から冬学期のBiddingが始まった。その授業を受けるためにここに来たといっても過言ではない受けたかった授業ナンバー1を無事競り落とすことができて何より。しかしながら、明日以降のビッドをどうするか、すなわち来学期何を履修するか、依然としてアイディアが固まっておらず悶々としている。好奇心に忠実に従ってしまうとファイナンスに偏重してしまったり重たい科目ばかりになってしまったりするので、多少好奇心を犠牲にしてでも簡単めの授業を取った方がいいのかもと思ったりもしている。

Sunday, November 13, 2011

ボストン(3)

 ■  ボストン最終日。一日観光するつもりが、前日に面接が予定外に多かったことから自分と人事部の面接が本日に後ろ倒しに。自分の面接が終わったあとすぐ帰って観光に行こうと思ったが、なんとなく逃げるタイミングを見誤り、結局昼の約束の直前までお手伝い。でもまあそのおかげでこの日だけやってきた先輩と挨拶することができたり暇そうにしている他社の人と交流することができたので負けてはいないと考えることにする。。
※それにしても、自分の面接、もうちょっとちゃんと準備しておけばよかったような。。

■  昼食の場所まで公共交通機関だけで行こうと思ったが、Silver Lineが全然来ないし、乗り換えがわかりやすいようでわかりづらく、結構大変だった。おとなしくタクシー乗っておけば良かったとも思ったのだが、結果的にボストン市内を多少散歩することができて、ニューイングランド的な(LAとはまったく異なる)街並みを満喫することができたので負けてはいないと考えることにする。。ぜひまた家族連れできたいものだ、ボストン。

■  昼を友人たちととり、その後数名でハーバード見学へ。気分は完全におのぼりさんで、HBSを見ておーでけぇと感心し、ハーバードスクエアの繁華街っぷりにおーすげぇと感心し。

■  で飛行機にのってLAに戻って終了。帰りの飛行機は、案の定、UCLA等の学部生と思われる日本人でいっぱい。彼らが自分よりはるかに上手な英語で外国人とやり取りしているのを見ると、実に複雑な心境。身勝手なことを言えば、自分のような人間に採用される立場にわざわざ飛び込んでこなくていいので、自分がうらやむような世界に半分足を突っ込むことができているのだから体全部突っ込んで行ってもらいたい。外国で揉まれて、大きくなってから日本に戻り、その変化への対応力や複数文化を自身の中で両立させる能力などを是非日本企業に還元してほしい。彼らのことをろくすっぽ知らずに適当なことを言ってしまっているのだろうが。。

Saturday, November 12, 2011

ボストン(2)

ボストン出張2日目は終日ボストンキャリアフォーラムにて採用活動のお手伝い。

■ 自社の採用活動を本格的に手伝うのは、留学直前に続き2回目。今回の役割は
  ○  面接プロセスにおける「一匹目のザコキャラ」として、十数名の面接
  ○  ブース前での案内役(=外国人が来たときに「Native speaker only, sorry」と言う係)
の2つ。

■  かなり色々なことを考えさせられたのだが、支障なさそうなところだけ数点。なお、下記は自分個人の感想・苦悩であり、数度にわたって色々な立場の人間が面接していることから、下記の問題点は少なくとも自社の採用プロセスにおいてはほぼ克服されているものと信じている。

  ○  面接官としての自分自身のキャラ、あるいは考えを100%捨象するのは難しい。客観的に見たつもりではあるが、振り返ると多分に主観が入ってしまっているように思われる。

  ○   学歴シグナリングが難しい。海外大学で自分が聞いたことのない大学の人が来たとき、実に判断に迷わされる。高々数十分の会話だけでその人の知的水準等を推し量ることはとても難しい。日本での面接の際、いかに自分が判断にあたり学歴に頼っていたことか。

  ○   出願者の様子が日本とはまったく異なる。どこまでを「ダイバーシティ」と前向きに捉えればよくてどこから「こいつ、ずれてる」とネガティブに評価すべきなのか、けっこう難しい。といいつつも、「ボストン採用者のダイバーシティは、どの企業にとってもきっと将来の財産になるのだろう」という心証形成ができた。これまでもこれからも、既存ビジネスをしっかり回すことと同じくらい変化し続けることが企業にとって重要なんだろうと思うが、日本的採用で入った人たちだけでその変化を起こすことはけっこう大変だと思われる。

  ○   交換留学「している」人が来るのはわかるが、「していた」人が来るのはアリなのか?交換留学から帰ったころには日本の就職活動シーズンが終わっていたということ?敗者復活戦になってしまってはいないのか。

  ○  自分が人事部だったら、フォーラム出展費用・チームの出張費用等のコストをサンクコストを割り切ることができるかやや自信がない。すなわち、「来ちゃったからには内定出さないと」と思ってしまいそう。。

  ○  自分も相当人数を落としてしまったし、このフォーラム全体で何千件というDingが発生したかと思うと実に複雑な心境になる。人事部の人は十字架を背負う覚悟をして臨んでいるのかもしれないが、軽いノリでやってきてしまった自分には空気がやや重かった。

 

■   空き時間には他社のブースも冷やかす。なかなか各社性格が出ていて面白かった。

  ○   外資金融:見えやすいところに配置されているのがもっぱら外国人、とくに黒人が目立った。素人お断りのため?

  ○   某ネット検索会社:イメージそのままのカジュアルな感じ。話を聞く機会があったが、内定は出さず、交流あるいはプロモーションのために出展しているとのこと。Tシャツジーンズのお兄さんがバランスボールでぼよんぼよんしながら学生と歓談している様はなかなかキャリアフォーラム的には異色であった。

  ○   某有名コンサル:びっくりするくらい受付にいる人が普通の見た目で、外資らしさが感じられなかった。今回参加していた台湾人同級生も「米国オフィスや中国オフィスにいる人間とはずいぶん違うんだな」とぽつり。


  ○   一部日系企業:説明会を聞きかじったが、自社の歴史だけで説明時間のうち十分強を費やしているところも。社歴があるので仕方ないのだろうが、もうちょっと他の話もした方が。。。



■  本フォーラムのために、全米から自社の派遣留学生が集結。2年生は自分ともう一人、1年生は3人ほど。

  ○   留学生や人事部の人たちとの会話で痛感したが、自社の人達はじつに話が早い。彼らが優秀なのかもしれないけど、どちらかというと前提となる情報を共有していることや問題意識が似ているため話が早いだけであるようにも思われる。「やっぱ自社はええなぁ」と思う一方で、話があまりにスイスイ進むことに危機感も。普段学校やらLAの町中で経験する「共有する前提がないため、いちいちコミュニケーションに四苦八苦すること」というのも同じくらい大事な経験であり、この「話がスイスイ進む感覚」にどっぷり浸ってしまうと変化への対応力やら他社や転職者とのコミュニケーション力の弱体化がありうるのではないかと懸念。

  ○   留学間もない1年生の人々(といっても社会人的には先輩とか同期もいるのだが)の英語レベルと自分の英語レベルが殆ど変わらない。すなわち、「先に1年いた分のアドバンテージ」が見当たらなかった。ぐへぇ。。仕方がないので、英語が苦手なサポート職の後輩の前で英語を使い「あらーすごいですね」みたいなことを言われてひとり自己満足に浸るなど。。


  ○  話のことあるごとに「XX部のAさんが云々」「YYチームにいるBさんが」という話になる。しかし残念なことに、ここに来る前には最初の1年を本社で過ごした後は支店やら出向やらで本社にいたことがないので、そういった固有名詞トークは殆どわからない。組織は部署名ではなく、そこにいる人々により動いていることを強く感じた。
※しかし、俺を拾い上げてくれる人は社内にいるのか・・・?誰も俺のこと知らないような。。


■   その他感想

  ○  会場内部の食べ物が異様に高い。なんだよコーラペットボトル$3.5って。ゴルフ場でもそんなに取らないぞ。しかもホットドッグも最高にまずいし。向こう数年~十数年の仕事決めようって来ている人達に対して失礼とは思わないのか。会費とってでも、もっといいもの食べさせて元気出してあげようよ>主催者殿。

  ○   学生のスペースが少ない。壁際のコンセントや、窓際の座れる場所があっという間になくなり、皆がその辺の地べたに座っている。隙間にイスだけでも置いてあげればいいのに>主催者殿。

  ○  中国人が多いのは時代か。しかし、グローバル化だなんだというが、日本において「日本語があまり話せないが優秀な人」がより多く職を得られるようにするには何かやりようがあるのかしら。自分の非英語圏での経験がないから全然確たることを言えないのだが、受け入れ側の日本人さえもうちょっと英語が使えるようになればいいのかな?

と色々あったが、まとめるなら、ボスキャリは一生に一度参加する価値が十分にある実に面白いイベントだが、採用活動は色々考えさせられることが多過ぎるので、個人的には一度でおなか一杯だと感じた。言い方を変えるなら、このような大変なイベントに高いコストと多大な準備を費やして臨んだ学生たちのことを今は心から尊敬せざるを得ない。

Friday, November 11, 2011

ボストン(1)

■ ボストンキャリアフォーラムなるものを一生に一度くらいは見ておきたいと思い、勤務先からお誘い頂いたこともあり2泊3日の行程でボストンへ。

■ ポカその1: 西海岸と東海岸の時差3時間ということは承知していたつもりであったが、実際のところ理解できていなかった件。

9時頃のフライトだったのだが、自宅で軽く朝食を食べたことから昼飯は着陸後でいいよなと思い食料を持ち込まずに飛行機に搭乗。しかし、飛行時間5時間半+時差3時間で、到着したのは約8時間後の夕方5時半くらい。正味5時間半しか経過していないのだが、朝から夕方5時まで何も食べなかったのかと思うと精神的にものすごく腹が空いて残念な気分になった。バナナの一本でも買っておけばよかったと後悔。

■ ポカその2: 空港で無駄に歩いてしまった件。

ボストン国際空港到着後にgoogle Mapで調べたところ、ホテルの近くまでSilver Lineで簡単に且つ安価にアクセスできるとのこと。それではタクシー代をケチろうと思い、到着後、空港の「Tはあちら」という看板に従って歩く。しかし何かがおかしい、えらく歩かされるし、案内が途中とぎれとぎれになるし、ターミナルとターミナルの間のずいぶん細い通路も歩くし、おかげでかなり不安に。結局バス停にたどりついたが、そこで初めてわかったのだが、各ターミナルからSilver Line直結のシャトルバスが出ていた。自分が下りたターミナルを出たところでSilver Lineシャトルバスに乗ればよかっただけの話で、ターミナル間を歩く必要は全くなかったのだ。ターミナル間を無駄に歩いた十数分とバス停でバスを待った十分程度、おとなしくタクシーに乗っておけば節約できたと思うと悔しい。ケチらなくても良かったところをケチって結果として損する典型的なパターン。。

■ その後ホテルにチェックインし、現地在住の友人と合流してBoston Symphony Orchestra (BSO)へ。

あの小沢征爾が音楽監督をしたことで有名なあのBSO、ミーハー心を刺激することこの上なし。会場はいかにも歴史館のあるほどよく小さいホールで、なんというか自分がボストンという町に勝手に抱いているTidyというイメージにフィットする感じ。感覚的に、こういったヨソイキ感とボストンの寒さは相性が良い。空港を下りたときには呪詛したボストンの寒さも、今となってはいい演出の一つに思えてきて気にならない。

友人と雑談しながら開演を待つ時間も、何やら居心地が良い。なんというかとても「おらが街のオーケストラをみんなが聞きに来た」といった感じのとてもリラックスしたアットホームな感じ。クラシックという性格上裕福層な白人老夫婦が多いが、その一方で若い人の姿も目立つ(※40歳未満の『若者』は安いというパッケージがあったからだと思うが)。

演奏もとても聞きごたえのあるものだった。弦楽器による和音がとても重厚だがすっきりしていて、きれいだなという印象(何かそんな褒め文句が美味しんぼであったような。ヒラメか何か)。特に印象に残るのは2曲目のBarberというおっちゃん作曲のピアノコンチェルト。まあ現代音楽ということなのだろうが、和音もリズムも実に先鋭的な曲。演奏の始終、一歩間違えばただの雑音になってしまいそうな和音がこれでもかこれでもかと浴びせかけられる。現代音楽を聞きなれていない自分は終始「おいおい大丈夫か」とハラハラしながら聞いていたが、ピアニストの腕の成せる技なのかオケのうまさなのか、「ギリギリセーフ、不協和音だけどなんだかきれい」みたいな状況が延々と続く。ピアニストのおっちゃんはすごいスピードでじゃんじゃかじゃんじゃかと不協和音を鳴らしていて、もはやおっちゃんがちゃんと弾けているのか実はミスっているのか判別がつかない。不思議な感じだが、全体としての印象はやっぱり重厚だがすっきりという感じ。それほど技術的な細かい話はわからないのだけど、きっとオケやピアニストの職人芸があるからこそ成り立ちうる極限芸のようなものだったのだろうと感じている。ザ・アメリカンDEBUといった感じでピアニストというよりテノール歌手なんじゃないかという感じのピアニストのおっちゃん、なかなかどうして魅せてくれた。いつも自分はコンチェルトで瞑想モードに入り無意識下で音楽を楽しむことにしているのだが(※集中力が持たずこの辺でオチてしまうだけ)、今回は思わず寝ずに聞いてしまった。

■ オーケストラの後は夕食。UCLAの台湾人同級生を交えシーフード。

台湾人君がいたので、はからずも自分と友人も英会話。最初はぎこちなかったが、気付けば英語で下ネタ等を飛ばすようになっているなど。よく見もせずに注文したら、自分のメインディッシュは魚介のフライ+大量のフレンチフライで、皆でシェアした前菜もCalamariのフライだったので随分とフライフライした感じのディナーになってしまった。しかも地ビールということで頼んだSamuel Adamsは結構しっかりしているというか濃いので、調子に乗って飲んでいたらすきっ腹にきてしまい、ホテルに着くころにはかなりの泥酔。。時差とあわせて、寝たり覚めたりが続いてしまった。

■ という感じのボストン一日目。やっぱり寒い街っていい。寒い街の夜には何とも言えないウキウキ感がある。LAの夜ではあまり味わえない感覚であり、シアトルでも同様の感覚があったのだが、この感覚をおぼえるたびに東京が恋しくなる。秋から冬にかけて東京のその辺を散歩するときの高揚感ったらないからなあ。

Thursday, November 10, 2011

青い目の特攻隊

○ 水曜日。 Valuationの中間試験だん。いまの自分の感覚では「何をそんなこまかいことばっかり...」と思ってしまうような内容で辟易してしまったのだが、まあきっとできなかったことによる言い訳根性なんだろう。。それにしても、試験にボールペンで挑む一部の外国人同級生を見るとスゲーと思わずにはいられない。日本人のことをハラキリとか特攻隊とか揶揄する割に、お前の方がよっぽど前のめりっちゅうかミスったときのこと考えてなくね??と思ってしまう。

○ 木曜日。キャンパスビジット対応の後授業。久しぶりに見かけた人がなんか不潔でどんよりした気分になってしまうなど。なんか教授が相変わらず自分のことを無駄に気にかけてくれていて、誰も発言しないと「おい、お前どうだ?」みたいな感じですぐ指してくる。なんだこれ。。

○ 明日からボストンに出張(ほんとの出張)。一度は経験しておきたかったボスキャリなるものに参加できることになったので、精一杯学生の悲喜こもごもをこの目で見届けてきたい。たくさんの宿題をたずさえていくのがアレだが...とりあえず明日はオケ→カニと行く予定。

Tuesday, November 8, 2011

私的再建かChapter11か?

 私的再建か公的再建(Chapter11)かという記事についてのメモ。

■  先行リサーチ

  □  Jensen(1989):高レバレッジ企業の方が、金利や元本の未払いというトラブルが早期に発生しやすく、そのため低レバレッジ企業よりも早期に状態改善に着手する。すなわち、高レバレッジ企業はより私的再建を志向し、債権者に利益をもたらす

  □  Gilson et al.:80年代のNYにおいては、サンプル企業のうち半分は私的再建を選択したし、Chapter11を選んだ企業の多くも新聞報道等によればまずは私的再建を志向していた。すなわち、企業は概して私的再建を好んでいた。これは私的再建の方がコスト(再建手続きにより社外に流出する富の量)が少ないと言うことの裏返しであると考えられる。

■  コスト比較:私的再建 vs. Chapter11

  □  プロフェッショナルフィー(弁護士・投資銀行):彼らのフィーは基本的に時給。手続きにかかる時間はChapter11の方が長い。したがって、プロフェッショナルフィーは私的再建の方が低コスト。私的再建であれば、払えなくなった債務に関する関係者とだけ相談すればいいが、Chapter11をやってしまうと、「俺は優先順位高かったし金額もたいしたことなかったので問題なかったのに...」という人ともいちいちネゴをしなくてはならなくなる。Chapter11では彼らへのフィーはきっちり支払われるので、彼らに節約のインセンティブがない可能性がある。考えられる対応策としては、彼らへの報酬をキャッシュではなく会社の株式や債券等企業価値に連動する証券にすること。そうすれば彼らの利害と会社あるいは債権者の利害が一致する。

  □  裁判官=経営者:Chapter11では裁判官(破産管財人)が会社資産の管理を行うことになるが、これが会社の今後の資産効率を悪化させる可能性がある。管財人の仕事は(1)Chapter7よりは多額の金額を弁済できるようにすること(2)近い将来再び倒産しないようにすることに過ぎず、ROIを最大化することを考慮する必要に迫られていない。

  □ 投資機会の喪失:倒産手続き中にもたもたしていることで、投資機会をみすみす逃すコストが存在しうる。このコストは、より手続きに時間のかかるCh11でより大きい。

■  Chapter11にも利点が

  □  ニューマネー調達可能性:Chapter11であれば、DIPファイナンスが調達できる。

  □  金利発生が止まる。

  □  Automatic Stayにより貸しはがしなどが食い止められる。

  □ 再建案策定のためのVotingが簡単。

■  Holdout 問題

  □  Holdout: 「あいつが債権カットに応じれば、俺は応じなくても大丈夫。なので、俺は債権カットに応じない」という債権者が出てきてしまうこと。

  □  公開されているような社債はこの問題が発生しやすい一方で、私的債権(銀行等)はHoldout問題が比較的生じづらい。私的に貸すようなエンティティは得てして銀行等大きくかつより合理的な(ホンマかいな)主体であり、自分がHoldoutすることによる悪影響により自覚的であると説明されうる。

■ 経営者のインセンティブ

  □  私的再建にあたり、経営者は得てして債権者を重視し、株主はあまりケアしない。これは経営者が会社を追放されないようにするためのインセンティブを持っているためである可能性がある。

■  政策変化の影響

  □ ここまではコスト面での私的再建のメリットが強調されていたが、近時の法・税制改正により、Chapter11が相対的に有利になりつつある。プレパッケージドChapter11はそのような状況で生まれた一種のハイブリッド。

Monday, November 7, 2011

父さんの会社が...

 米国における倒産制度についてのメモ。

■  倒産:Chapter 7(清算)とChapter 11(再建)の2つに大別される。

■  Chapter 7

  □  適用申請できるのは借り手たる会社あるいは貸し手。貸し手は債務不履行がないと適用申請できないが、会社はちゃんと返済しながらでも適用申請することができる

  □  適用が認可され次第、Automatic Stayが発動。貸し手が勝手に債権回収することができなくなる。担保設定している貸し手は、その際に自身の担保に対する権利を主張することができる。

  □  Chapter7適用申請が認可され次第、破産管財人が裁判所により指名される。管財人は会社の資産査定等を行う。同時に、裁判所が債務の特定を進める。

  □ 債務の充当順位は以下の通り:
1. 担保付債務
2. 倒産後に発生した債務(オフィス家賃など)
3. 非自発的倒産により発生した債務
4. 従業員給与(倒産の90日前まで、上限$2,000/人)
5. 従業員福利厚生(倒産の180日前まで、上限$2,000/人)
6. 顧客が会社に預けていた資金
7. 税金(法人税等の未払い分)
8. その他債務(倒産後の金利は通常債務にカウントされない)
9. 株式

■ Chapter 11

  □  再建を目指すための法律だが、事後的にChapter7、すなわち破産になることも

  □  Chapter7と異なり、弁護士費用等は会社資産から拠出される

  □ 再建のためには倒産後にも資金調達が必要になることがあり、銀行の同意や裁判者の許可を経た上で担保設定されている現金等価物が流動化されたり、DIP(Debtor-in-possession)ファイナンスが利用されることがある

  □  倒産後120日以内に再建計画の策定が行われる。弁済順位が法により決められているChapter7と異なり、会社は弁済順位をある程度自由に調整することができる。裁判所の認可の前に、債権者は会社が策定した再建案を票決する。

  □ 裁判所は、再建案が債務者に受諾されたら、あるいは多少の反対があっても、その案を認可することができる。

  □ 会社は債権者に対して「Chapter7を適用していたらもらえていたであろう金額」以上の金額を支払う必要がある。そのため、裁判所は「もしさっさと資産を処分していたらいくらになっていたか」を把握する必要がある。

  □ 通常は、債務返済義務がなくなることで会社に利益が生じ課税義務が発生するが、Chapter11では例外的に課税義務が発生しない。ただし、この利益(COD:Cancellation of indebtedness)により繰越損失などが相殺されなければならないと定められている。

  □  通常は、繰越損失(NOL:Net operating losses)のキャリーオーバーには制限があるが、Chapter11においてはその制限が緩和される。

  □ 再建案が認可されたら、裁判所は関与をやめ、倒産前同様、当事者間によるやり取りがなされる。

Entrepreneurial Finance (2)

 ■  このEntre Finで繰り替えし言われるのが、「皆が同じゲームをプレイせよ」ということ。セールスが売上高極大化のために在庫を積み上げたりすることのないように、皆が利益最大化に可能な限り直接的に貢献できるようにインセンティブ等の設計をするのが経営者の仕事であるということを口を酸っぱくして言われる。

■  このDo the same game、やや角度は異なるが、この授業のチームメイトとのやり取りで最近強く感じている。

   □  チームメイト。昨年に行われた同じ授業のノートをどこからか入手して、自分の予習もそこそこにそのノートばっかり見ている模様。証拠をおさえたわけではないので確かなことは言えないのだが、ミーティングのときいつも、カンニングしてなきゃ思いつくことも難しそうなこと=授業で教授が重要論点として説明することをまるで自分の考えであるかのように言ってくる。皆が初めてプレーするはずのゴルフ場で、自分がティーグラウンドから見える情報を頼りに「右サイドは危ないな」とか言っているとき、一人だけ「ここのグリーンは奥に傾斜があるので手前に落とす必要がある」みたいなことを突然言ってくる。

   □  今日も、後になって教授が「本日のTakeaway」として紹介したとある公式を、まるで今ちょっと思いついたんだけど...みたいな顔をしてミーティングで話し始める。まだ議論を始めたばかりで、「この会社の強みはなんだ」みたいなごく導入部の議論しかしていない段階で突然「XY=WZの公式を使うとうまく理解できるかもね」みたいなことを言ってくる。なぜそう思うのか、あるいはどのようにしてそのアイディアを得たのか問い詰めても、思いついたの一点張り。

   □ このミーティングの目的は提出のためのアウトプットを作ることではない。授業中の理解を深めるべく、ケースをより深く読み込むための頭の整理が主目的である。なので、論点整理をちゃんとやる前に「授業で聞かれる要点」をポンと提示されても、ケースの理解深化という目的がまったく果たされないのだ。むしろ、「授業における要点に関連する情報をケースから探し出すゲーム」みたいになってしまっており、学習効果が著しく削がれてしまっている。さんざん苦労してそれでもわからなくてもう限界...という状態にまで持っていくことで授業を最大限吸収することができるのに、「あーやっぱりあいつが言っていた論点が要点だったのね、はいはいわかったわかった」みたいになってしまい、単にクイズに正解してラッキー程度の感想しか持てずに終わってしまう。

   □ 今週は、彼女が予習もせずに「XXXが重要じゃないかな」と言ってきたものの他のメンバーが「そうは思わない、むしろYYYを考えるべきだ」と反論。自分もYYYだと思い彼に同意を示す。彼女、答えはXXXだと知ってはいるものの予習していないから反論できず「じゃあYYYでいいかもね」と妥協。で、授業では案の定教授はXXXについて言及。YYYを主張した他のメンバーとか自分って一体...

  □  色々と改善のための手は打っている。「学習のためには答えを見ながらやるのではなく、たとえば議論が尽きてから参照するのでもいいではないか」とか「過去のノートを参照するのはいいが、自分の意見なのか過去のノートに書いてあることを喋っているだけなのか明確に分けてくれ」とか「俺は過去にカンニング絡みでトラブルに巻き込まれているので、トラブルは嫌だ」とか。でも、びっくりするくらい彼女は改善しようとしない。毎週毎週、答えから始まり、答えにたどり着くための情報だけを逆算的に探そうとするだけ。

   □ 彼女に対しては、強く「目標のミスマッチ」を感じている。自分がこの授業に求める「理解の深化」は彼女にとって最優先事項ではないのだ。彼女にとっての優先事項は要領よくAを取ることあるいはコールドコールをうまく耐えきることにすぎず、「理解のための議論」なんてちゃんちゃらやっていられないのだ。根本的に違うゲームをやっていることから、こういった深いレベルでの理解(過去ノート参照を控えてもらう)を求めるときに対立が顕在化してしまうのだ。そしてここは会社ではないので、給料とか処遇といったツールで彼女の心を変えることができない。

   □  目的を揃える方向で努力するのか、あるいは目標が揃っていないなりになんとかかんとか協力を引き出すという発想をすべきなのか。答えは全然出ていないのだが、いずれにせよ、彼女が自分の考えであるかのように説明したアイディアを教授が一語一句ずれることなく言及したときの自分達の落胆を、なんとか彼女に理解してもらいたい。どうしたものか、本当になんとかしたいが本当に対策がわからん。

Entrepreneurial Finance (1)

■ 月曜日はいちばん重たいEntrepreneruail Financeの日。例のごとく朝から授業開始直前までミーティングで論点を詰めて、授業で揉まれて。

■  今回は規制緩和により業績が悪化した企業のケースと、予想外の成長を止めないために劣後債か株式の発行を検討する企業のケース。

   □ 前者は、その当時その会社で幹部をしていた人がゲストスピーカーとして参加。というか教授もその会社の経営に参画していたそうで、2人で学生のコメントに対して色々とコメントをくれた。

   □ 二人とも、全体的に「わかっちゃいたが、業況が悪化するのを停めることはできなかった」というトーンで、その後に「危機時のマネジメント」みたいな話をされたものの「お前が言うな」感がぬぐいきれず。学生の「こうすれば良かったのでは」に対して2人が「We did, but it didn't work」という回答を繰り返すのを聞くことで、

(1)「資産の切り売りをすべき」とか「資本構成の再編を図るべき」といった一般論レベルの 概念自体は時代を超えて通用するが
(2)それを実務レベルで形に落とす段階ではもう一段の困難がある
ということを認識させられた。方向性が間違っていないことが感じられたという点ではややほっとしたが、方向性だけでは飯が食えないという冷徹な事実を突き付けられたような思いの方が大きい。

   □ MBAで一般論レベルの論点を網羅できることはメリットだが、それは当然ながらゴールではない。実務を通じ、星の数ほどわいてくるであろう個別具体的な論点にひとつひとつもがきながらなんとか仕事の一つ一つをやっつけていくことでしか、MBAでの学びを使えるレベルにまで昇華させることはできないのだ。

   □  また、やや針小棒大な感じがするが、彼らのような失敗した人たちがそこでゲームオーバーとならずきっちり再起してここでゲストスピーカーとして起こったことをフランクに共有してくれているという事実それ自体もかなり深いものがある。さらに味わい深いことに、教授はともかく、そのゲストスピーカー氏は、そのケースの企業が倒産した後はしばらくの間かなり転職等で苦労をしたとのこと。失敗した人が再起できる土壌があるとはいえ、そういった人がただちに次のステップにするっと進んでいるわけではないのだ。そのあたり、なかなか色々考えさせられた。

■ このように、ゲストと話すことで理屈と実務の間にある壁のようなものを意識することができるのがこの授業のひとつのメリット。そして、もう一つのメリットは「大枠をぱっと掴むことができるようになること」。

   □  この授業では、細かいバリュエーションの手法等はかなり省略される一方で、状況を迅速にかつ直感的に理解するためのBack-of-the-envelope Calculation(ざっくり計算)が重視されている。ホワイトボードでちゃちゃっとできるレベルの簡単な四則演算レベルの計算で、意思決定に必要なだいたいの相場観が得られるような計算。元手を2倍にするための72ルールとか、負債のキャパシティを推測するための同業他社データの見方とか。今日の2つ目のケースでは、ROEと株主資本コストを見比べることで株価が割安か割高かぱっと判断する手法を学んだ。

   □  個人的に「細かい論点はMBAというよりは現場で汗をかきながら学ぶ方が効率的。学校では、もう一段抽象的な、汎用性の高いコンセプトを習得したい」という思いがあったので、この授業の「大枠をつかむためのツール」重視、細かい計算はそこそこというスタンスはかなりフィット感がある。

   □ この授業で毎回教わるそういった「ざっくり計算」は自身の相場観のようなものを形成するにあたり非常に有益である。おかげで、財務諸表データがどんどんVividに見えるようになってくる。よく「まず大枠をつかみ、それから初めて細かい計算に移るべし」みたいな話があり、自分も留学前に担当した新人研修ではそのような主旨のことを後背にやったような気がするが、大枠をつかむのも結構奥が深いということ・自分もまだまだ全然大枠をつかみ切れていなかったことをこの授業のおかげで痛感できている。

Sunday, November 6, 2011

食ってばっかり

 週末。

■  土曜日。買物などを済ませた後、1週間ぶりでつじ田再訪。まずいな、通ってしまいそう。。つけ汁が何かの規制のせいとのことで(真偽不明)少しぬるいのだが、まああまり気にならないからOK。今回は自分はラーメンを食べたが、山頭火よりも山田屋よりもその他諸々よりも断然美味しい。やっとLAで本当に美味しいラーメンに出会えたような感覚。つけ麺とラーメンの繰り返しで週2はいけてしまうのではないかと危惧。。最近知り合った友人も日本のときからつじ田フリークだったそうでいい感じで通い詰めている模様。

その後はカマリロのアウトレットへ。自分は宿題をやっつけるべくアウトレットの駐車場で車にこもって勉強・・・するつもりだったのだが、トイレのため下りたついでにふらっと入った店でぽろぽろと浪費してしまい。。嗚呼
まあといいつつもたまっていた宿題の一部ができたので悪くない時間だった。まさかアウトレットの駐車場でケース読むことになるとは思っていなかったが。

カマリロのアウトレットの難点は、帰り道の渋滞。101号がいつも405との交差点10マイル手前位からかなり渋滞する。なので今回は、カマリロから23号を北上してそのまま110号へ。その日の101号を通ったわけではないのでこの選択がよかったのかどうか確かなことは言えないが、少なくとも110号は全く渋滞しておらずすいすい。スイスイすぎて、つい勢いで405に乗り換えず、そのままパサデナ方面に向かいDin Tai Fungで晩御飯。良く考えると割と久しぶりで、2か月ぶりくらいかも。

で、満腹の腹をさすりながら帰宅して、眠い目をこすりながら宿題の続きをするなど。


■  日曜日。この日は朝からゴルフ。夏時間から冬時間への変更日なので若干混乱したが、なんとか無事現場へ。
寒いし雨だしとコンディションは最悪。この日は最近当地に来て知り合いになった友人がいてその人のLAゴルフデビュー戦だったのだが、だいぶ悪印象を与えてしまったかもしれない。。また近いうちイメージ改善のためゴルフしないと。帰り道、91号を走っているときに見えるYorba Lindaの山の上の住宅街は壮観。

帰宅後ちょろちょろと近所で買物して、夜は自分の誕生日パーティということでにじやで買ったトロとかウニとかで手巻きしたり、妻に作ってもらったケーキを食べたり。本当は明日なのだが、まあ日本時間ではもう生まれてたんじゃないかということでフライングで時間のある日曜夜に挙行。こないだの娘の誕生日のときもケーキのろうそくは3本で、今日の自分のろうそくも3本。。。あーあ、30になってもた。まさか外国で30歳を迎えることになるとは夢にも思わなんだ。。

Saturday, November 5, 2011

インド人の逆襲

■  なんとなく、ここ数日が今学期で一番の山場である感じ。非常に忙しい。やることは宿題やら予習やらと変わらないのだが、今週はその分量が各科目とも少しずつ多くなっており全体としてはなかなかしんどい。しかも、間が悪いことに週末にゴルフを入れてしもた。。
唯一の救いは、計量経済のグループ課題。前回全く何もしなかったインド人君、さすがに悪いと思っていたようで、人が変わったようにテキパキとグループワークをリードしてくれている。自分と韓国人のD君で全てをやって他4人はじっと静かにメールを無視し続けていた前回から考えると、これはかなりのGood News。


■  金曜日は昼にインタビュー、夜に近隣の留学生の飲み会。色々面白い話を聞けたので印象に残ったところを抜粋:

   □  とあるご老人からの話。曰く、引退すると、何が大事で何がそれほど大事ではないかしみじみとわかるとのこと。金を持っていても仕方ないと思う一方で、今でもできる仕事(あるいはスキル)・近所で行き来できる間柄の友人・借金がないこと・趣味といったものは引退後わりと価値が高いようだ。また、それらに加え、引退に至るまでの自身の人生を相当程度自分でコントロールしたという感覚、あるいは誇りといったものも結構重要である印象を受けた。もちろん時代の趨勢やら事故やら他人やらの影響を受けるところは大いにあるだろうが、コアのところをきちんと自分で舵取りできたか否か、そこからもたらされる自身の人生に対する自負のような感覚。
まあ、今のうちから老後のことを見据えて生きていくのもアレなのだが、自分の価値観がぐらぐらして困ったときの一つの指針として「引退後あって嬉しい価値かどうか」というモノサシは割と有用であると実感させられた。

   □  留学生たち。色々な人が色々と面白い話を聞かせてくれて大変刺激的だったが、2パターンの人がいるのかなと思った
   ・何々をやりたい、国やら他人やらはどうあるべきだ、という構想をベースに話してくれる人
   ・何々をやっている、その結果こんな風になればいいなと思っている、と実際の行動をベースに話してくれる人
まあ一言で言えば「これから」の1年生と既に一年経過した2年生の違いってことなのかもしれないが、個人的には後者の人の話の方が面白かった。

Friday, November 4, 2011

ねーねー俺ってすごいでしょ

 ふと思ったこと


■  よく金が全てか否かみたいな議論があるが、そういうとき、自分は反射的に「まあ金が一番ではないかなぁ」と感じる。勿論会社は資本主義の原理にのっとって動いているわけなので、会社ではお金を稼ぐことを常に念頭に置いて考えたり動いたりしたいと思う。ただ、仕事を離れたところ・人間としては、金銭は幸福を実現するためのひとつの手段にすぎず、金銭追及と幸福追求が倒錯してはいかん云々...というようなことをまあ思っている。

■  その一方で、先日どこぞで目にしてなるほどと思わずにはいられなかったのが、稼がない奴に限って自己顕示欲が強いという主張。この主張を見て、自分を含めたMBA学生に抱いていた違和感の一部が氷解した感覚。思うに、自分が違和感を持っていた一部のMBA学生(あるいは、なんか違和感がぬぐえなかった過去の自分の行動)は、口では色々言っていたが、結局のところ自身の中にある自己顕示欲が原動力だったのじゃないか。色々な行動の裏に、目立ちたがり根性とか「俺ってすごいだろ、褒めて褒めて」という欲求が隠し切れずに出てしまっているような気がしてならない。

自分の活動をFBとかを使って広めることでマーケティングに成功している人もいる。自分の人格を出すことで味方を増やしている人などを見るとすごいと思う。今日はっと思ったのは、「各種メリットを得るために自身の活動を広くアピールすることと、単に注目を集めたいがために自身の活動をアピールすることは紙一重だが全然違う」ということ。

自己承認欲求が否定されるべきとは思わない。だが、根っこにある自己承認欲・自己顕示欲については意識的であった方がよいのだろうという自戒。単に自分が目立ちたい、自分のプレゼンスを高めたいというのが目的なのに色々大きなことをぶちあげてしまうことはよくあるが、最低限、自分の中にある自己承認欲について自覚的でありたいと思った。特に自分はMBAはとっても向こう当面の稼ぎはMBAを取らなかった場合と比較してまったく増加しないので、「MBAを取ったのに...」という心情をなぐさめるために自己顕示欲を強めてしまいそうで怖い。目的達成のための顕示なのか、単なる自己顕示欲の発露なのか、この視点を忘れないようにしたいと思いここに備忘メモ。

あるいは、稼いだら自己顕示欲はかなり小さくなるようなので、いっそ稼いでしまう方向でも個人的には全然welcomeなのだが..

Wednesday, November 2, 2011

すべて貼り付け、ダメ、絶対!!

■  あーーーなんだか忙しい。タスクがじわりじわりと堆積してきていて、自分の心をじんわりと蝕んでいる感じ。娘の音楽教室の一時間で思わず癒しを感じてしまうあたり結構やばい。ていうか、来週の授業、予習課題がケースと聞いていたのに実在する企業のぶあついアニュアルレポート2年分とかって。。死ねと言うのか。。


■  どうにもイマイチなメンタルをまぎらわせるべく、LinkedInとGoogleの写真を取り替えてみた。Gmailのインターフェイスが新しくなり、写真があった方がいい雰囲気になっているのでやってみたが、実写(?)は少し小恥ずかしいので、近々にまた元に戻すかも。。


■  来学期(Winter Qtr.)の時間割が発表された。なんとびっくり、取りたかった授業第一位と第二位が見事にバッティング。また、定休日を確保したいなーとか色々考え出すと、うまいこと時間割が決まらず悶々。忙しいのに何て勿体ない時間の使い方。。個人的にはマーケティングを取ってみたいなぁとか思っているが、定休日の確保を考えると場所が悪い。


■  Valution系の授業で、他人のExcelを見ながら議論することが増えているのだが、IBコンサル以外出身者の人のスキルが全然なってなくて参る(上から目線ですいません)。IBでもコンサルでもなかった自分のスキルは大したことないはずなのだが、そんな自分でも突っ込みたくなってしまう人が多い。。

  □  シートAのデータをベースにシートBにPro Formaを作るときとか、シートAからシートBにデータを値貼り付けしている大馬鹿野郎とか、ひどいやつは一々手入力していた。なんだか誤差があるなぁと思ったら、元データは18.29852...と端数があるのに、そいつは18と手でベタ打ち。ちょちょちょ。。。

  □  色々な仮定を置くのはいいが、その仮定になんの説明もつけず良しとするやつとか。競合8社の中から比較対象に用いる企業を4社ピックアップしたのに、単に「A, C, D, Gの4社のデータを利用」とだけ書いて、エクセルテーブルの脇にも本文にも、なぜその4社にしたのか説明を全くつけずに気にならないやつ。チェックが甘かった自分も悪いが、今日帰ってきたとあるレポートの採点を見たら「この仮定の根拠は?」「why?」というコメントのオンパレード。

  □  ベタ打ち厳禁!! 法人税を計算するセルにしれっと「E48*38%」とか、「(前年比)+5%」とか。感応度分析を試みたのに結果がびくとも動かなくてがっかりする。

  □  せっかく皆が色々体裁を整えているところに、容赦なく書式ガン無視でCtrl+C(すべて貼り付け)で書式をぶっ壊す人とか。

□  それなだまだしも、「えーと右クリックで、コピーして、また右クリックして、貼り付け、あ、書式変わっちゃったよ。出てきた貼り付けオプションのアイコンをクリックすると、、、ああ、今度は書式がまったくなくなってしまった」とかもうMBAの前にExcel講座に通ってほしい。もうその作業だけで何秒俺たちの時間を奪う気かと。一時間遅刻されるよりイラっとする。最低限Ctrl+A, B, C, D, F, H, I, N, P, R, S, U, X, Y, Z, 1, 5あたりはマストじゃないのか。

  □  無駄にカラフルな表を作って、白黒(グレースケール)で印刷したら文字が霞のように薄くて見えないとかもう勘弁。白黒印刷のときその色がどの程度のグレーになるか知っておいてくれ。

  □  皆がTimes New Romanを使っているのに、いくらデフォルトフォントがCalibriだからといってそのままCalibriの表をベタっと貼り付けて終わりにしないでくれ。

とか何とか思うのだが、どうも直接物申す機会に恵まれず、ひたすら悶々とする日々。
そんな人たちのPCデスクトップは決まってWindowsマークのまんま、ツールバーやデスクトップのアイコンは大きいまま、インターネットはIE、Gmailと学校のメールを統合もせずに「読んでなかった。そっちに送るお前が悪い」とか言う。

Tuesday, November 1, 2011

Trick or Treat or Toilet

 ここ最近の模様

■  月曜日。例のごとく朝からミーティングして夕方に授業。その後学校まで迎えに来てもらいその足でサンタモニカのMontana Ave.周辺にハロウィンのTrick or Treatをしにいってきた。

    □  香港からの交換留学生A君は子供が生まれたことから先週に引き続きスカイプでのミーティング参加・・・のはずだったが、寝落ち(後日談)したそうでミーティングに登場せず。もう一人のチームメイトの台湾人Jは、どうも予習する暇がなかったようで、最初の30分くらいは「いかに予習したふりをするか」に全力を注いでいた。結局議論にならないのでその場で予習してもらって、午後に改めてその人とはミーティングをした。不機嫌になってしまい「他に言い方あったのかな...」とちょっと後悔したりもしたが、まあ準備してないお前が悪いやろ。

  □  モンタナでのTrick or Treatは昨年に引き続き2年連続。今年は平日だからか去年より車も停めやすくて良かった。とはいえ家々の飾りやお菓子配りは前年通りの盛況で、去年より状況はだいぶよかった感じ。ただ、残念なことに自分のコンディションが良くなかった。学校でコーラを飲んだせいか尿意を催してしまい、全然Trick or Treatどころではなかった。こんなにトイレを我慢したのは中学生以来かも。。


■  火曜日。定休日なので爆寝して、午後はリサーチの関係でニューポートビーチへ。こんないいところにいたら、ちょっと野心のある人はそりゃ起業もしたくなるよねぇなんて思ってしまう。

   □ いよいよ宿題が手に負えなくなってきた。これまでは平均して提出日の3,4日前には少なくとも自分の担当分は終わっていたのだが、最近は完全に自転車操業状態で、2日前、ひどいときには前日に宿題を始めることも。こうやって短期的なタスクに追われているとアドレナリンが出て達成感はあるのだが、その達成感がフェイクであることに留意しないといけないなぁと自戒。