■ 月曜日はEntrepreneurial Financeの日。もう一日このために使うといっても過言ではなく、別記事に書いた教授とのミーティングとかを除いたら、朝から夕方の授業開始までひたすらミーティングで論点を詰めて、夕方から3時間かけてみっちりと授業を受けて。毎度毎度、授業が終わる7時にはヘトヘトになってしまう。。
■ 今回のテーマのひとつはベンチャーキャピタル。で、しっかり、元教え子のベンチャーキャピタリストが教室にやってくる。教授との付き合いも長いようで、課題のケースのことを知り尽くしており、こちらが言う各種アイディアに対して現場目線のフィードバックを返してくれて面白い。また、ケースをやっつけた後にはその人の仕事や考え方についても話をしてくれるので実に面白い。教授が年で人の話をそこまで柔軟には聞かないところなどを割り引いても、本当にこの授業は素晴らしい。
■ で、せっかくだったので、今のリサーチでもやもやと問題意識を持っていた「ベンチャーと中小企業の違いは何か」と尋ねてみた。すると
「VCが投資したくなるようなビジネスがベンチャー企業で、そうでないのがスモールビジネスだ。VC投資は10社中2,3社がホームランならそれでよいと言うビジネス。ホームランになってくれないなら投資する価値がない。ニッチでもWorld Changingでも何でもいいが、いずれにせよビリオンレベルの強いマーケットポテンシャルやそれをグリップできるだけの経営力などが要件になると思う」
という回答が来た。ややVC寄りの偏ったアイデアな気もするが、これまでのベンチャー対中小企業という分類で一番腑に落ちた。
■ そこで改めて思うのだが、今の日本でベンチャーあるいはベンチャーキャピタルは拡大しうるのだろうか。ビリオンレベルのマーケットが重要なら、日本発という時点でかなり厳しくないか。シリコンバレー発なら、アメリカ人の30%を捕まえるだけでも1億人の顧客が見込めるし、英語なので容易にグローバル展開できる。その点、日本発ベンチャーは日本語あるいは日本文化という特性があるゆえにグローバル展開も難しいし、国内市場だけでは上記ベンチャーの定義にあてはまるようなホームランが出る可能性も高くない。ヒットしてもたったのウン億円ということでは、やはり盛り上がりに欠けてしまうのではないか。。これまでは「ベンチャー=IT」みたいなものすごくラフなイメージしか持ち合わせていなかったのだが、その点において、日本の殆どのITスタートアップはベンチャーとは言い難いのではないか。。
■ ベンチャーキャピタル投資に見合うビックジャンプが望めないのであれば、エンジェルに頼るか、あるいは伝統的な銀行融資と自己資金でファイナンスすることになる。いまぼんやりと思っているのは、日本では相当程度そういった伝統的ファイナンスで十分なのではないだろうかということ。むしろ、下手にベンチャーキャピタルが対して成長が望めない会社にファイナンスしてあげてしまっているという側面があったりしないのだろうか。。爆発的な成長が見込めないのであれば、自己資金でオーガニックに成長した方が変にVC資金を入れるよりもフィットしているのではないか。。
とか何とか思うなど。と言いつつも帰国したらベンチャーキャピタルで働きたいとか思っていたりするのだが。。