■ ボストンキャリアフォーラムなるものを一生に一度くらいは見ておきたいと思い、勤務先からお誘い頂いたこともあり2泊3日の行程でボストンへ。
■ ポカその1: 西海岸と東海岸の時差3時間ということは承知していたつもりであったが、実際のところ理解できていなかった件。
9時頃のフライトだったのだが、自宅で軽く朝食を食べたことから昼飯は着陸後でいいよなと思い食料を持ち込まずに飛行機に搭乗。しかし、飛行時間5時間半+時差3時間で、到着したのは約8時間後の夕方5時半くらい。正味5時間半しか経過していないのだが、朝から夕方5時まで何も食べなかったのかと思うと精神的にものすごく腹が空いて残念な気分になった。バナナの一本でも買っておけばよかったと後悔。
■ ポカその2: 空港で無駄に歩いてしまった件。
ボストン国際空港到着後にgoogle Mapで調べたところ、ホテルの近くまでSilver Lineで簡単に且つ安価にアクセスできるとのこと。それではタクシー代をケチろうと思い、到着後、空港の「Tはあちら」という看板に従って歩く。しかし何かがおかしい、えらく歩かされるし、案内が途中とぎれとぎれになるし、ターミナルとターミナルの間のずいぶん細い通路も歩くし、おかげでかなり不安に。結局バス停にたどりついたが、そこで初めてわかったのだが、各ターミナルからSilver Line直結のシャトルバスが出ていた。自分が下りたターミナルを出たところでSilver Lineシャトルバスに乗ればよかっただけの話で、ターミナル間を歩く必要は全くなかったのだ。ターミナル間を無駄に歩いた十数分とバス停でバスを待った十分程度、おとなしくタクシーに乗っておけば節約できたと思うと悔しい。ケチらなくても良かったところをケチって結果として損する典型的なパターン。。
■ その後ホテルにチェックインし、現地在住の友人と合流してBoston Symphony Orchestra (BSO)へ。
あの小沢征爾が音楽監督をしたことで有名なあのBSO、ミーハー心を刺激することこの上なし。会場はいかにも歴史館のあるほどよく小さいホールで、なんというか自分がボストンという町に勝手に抱いているTidyというイメージにフィットする感じ。感覚的に、こういったヨソイキ感とボストンの寒さは相性が良い。空港を下りたときには呪詛したボストンの寒さも、今となってはいい演出の一つに思えてきて気にならない。
友人と雑談しながら開演を待つ時間も、何やら居心地が良い。なんというかとても「おらが街のオーケストラをみんなが聞きに来た」といった感じのとてもリラックスしたアットホームな感じ。クラシックという性格上裕福層な白人老夫婦が多いが、その一方で若い人の姿も目立つ(※40歳未満の『若者』は安いというパッケージがあったからだと思うが)。
演奏もとても聞きごたえのあるものだった。弦楽器による和音がとても重厚だがすっきりしていて、きれいだなという印象(何かそんな褒め文句が美味しんぼであったような。ヒラメか何か)。特に印象に残るのは2曲目のBarberというおっちゃん作曲のピアノコンチェルト。まあ現代音楽ということなのだろうが、和音もリズムも実に先鋭的な曲。演奏の始終、一歩間違えばただの雑音になってしまいそうな和音がこれでもかこれでもかと浴びせかけられる。現代音楽を聞きなれていない自分は終始「おいおい大丈夫か」とハラハラしながら聞いていたが、ピアニストの腕の成せる技なのかオケのうまさなのか、「ギリギリセーフ、不協和音だけどなんだかきれい」みたいな状況が延々と続く。ピアニストのおっちゃんはすごいスピードでじゃんじゃかじゃんじゃかと不協和音を鳴らしていて、もはやおっちゃんがちゃんと弾けているのか実はミスっているのか判別がつかない。不思議な感じだが、全体としての印象はやっぱり重厚だがすっきりという感じ。それほど技術的な細かい話はわからないのだけど、きっとオケやピアニストの職人芸があるからこそ成り立ちうる極限芸のようなものだったのだろうと感じている。ザ・アメリカンDEBUといった感じでピアニストというよりテノール歌手なんじゃないかという感じのピアニストのおっちゃん、なかなかどうして魅せてくれた。いつも自分はコンチェルトで瞑想モードに入り無意識下で音楽を楽しむことにしているのだが(※集中力が持たずこの辺でオチてしまうだけ)、今回は思わず寝ずに聞いてしまった。
■ オーケストラの後は夕食。UCLAの台湾人同級生を交えシーフード。
台湾人君がいたので、はからずも自分と友人も英会話。最初はぎこちなかったが、気付けば英語で下ネタ等を飛ばすようになっているなど。よく見もせずに注文したら、自分のメインディッシュは魚介のフライ+大量のフレンチフライで、皆でシェアした前菜もCalamariのフライだったので随分とフライフライした感じのディナーになってしまった。しかも地ビールということで頼んだSamuel Adamsは結構しっかりしているというか濃いので、調子に乗って飲んでいたらすきっ腹にきてしまい、ホテルに着くころにはかなりの泥酔。。時差とあわせて、寝たり覚めたりが続いてしまった。
■ という感じのボストン一日目。やっぱり寒い街っていい。寒い街の夜には何とも言えないウキウキ感がある。LAの夜ではあまり味わえない感覚であり、シアトルでも同様の感覚があったのだが、この感覚をおぼえるたびに東京が恋しくなる。秋から冬にかけて東京のその辺を散歩するときの高揚感ったらないからなあ。